大型ウサギ ケースメソッド 50問

状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る

解答と解説・課題と改善案(全50問)

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Q1かかとの毛が薄く赤くなっている病気

日曜の昼、2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントを部屋んぽさせていると、座った時に後ろ足を交互に浮かせる仕草に気づいた。足裏を見ると、両方のかかとの毛が薄くなり皮膚がピンク色に腫れている。出血やかさぶたはない。ケージの床は木製すのこで、その上に薄いタオルを一枚敷いているだけだった。本人は牧草をよく食べ元気に見える。

この時点で取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 元気で食欲もあるので、様子を見て悪化したら受診する
  2. 人用の消毒液と軟膏を塗り、包帯を巻いて保護する
  3. 床を厚手のマットに替え、数日以内に受診して足裏を診てもらう
  4. 足裏をぬるま湯でよく洗い、毎日入浴させて清潔を保つ

正解C.床を厚手のマットに替え、数日以内に受診して足裏を診てもらう

解説大型ウサギは体重が足裏に集中するため、ソアホック(足底潰瘍)が最も起こりやすい。毛が薄く赤いのは初期段階で、この時点で床をすのこから厚手の柔らかいマットに替え、数日以内に受診して進行度と体重・爪の状態を診てもらうのが正解である。放置すると潰瘍から骨の感染に進み、大型種では治りにくい。人用の消毒液や軟膏は刺激になり、包帯は蒸れて悪化させる。ウサギの入浴は体温低下とストレスでうっ滞を招くため厳禁で、足裏を濡らすこと自体が皮膚をふやかし潰瘍を進める。

課題大型種は小型種の数倍の体重が足裏にかかるのに、床材が薄いタオル一枚で足への配慮が不足していた。足裏の定期確認の習慣もなく、歩き方の変化で初めて気づいた。

改善案ケージ全面に厚手のクッションマットを敷き、濡れたらすぐ交換する。週1回は足裏をめくって確認し、写真で記録する。月1回の体重測定と爪切りを続け、肥満による足裏の負担を防ぐ。

Q2少し走っただけで口を開けて呼吸する病気

夏の夕方、室温26℃のリビングで4歳・体重8kgのフレンチロップを部屋んぽさせた。数分走り回った後、床に伏せて口をわずかに開け、胸が速く上下している。10分経っても呼吸は落ち着かず、鼻の穴が大きく開閉している。耳はやや熱い。食欲は昨日まで普通だったが、最近は走る時間が短くなったと感じていた。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 抱き上げて膝で安心させ、呼吸が落ち着くまで撫でる
  2. 涼しい部屋に移して運動を止め、呼吸が治まらなければ夜間救急に連絡する
  3. 暑さが原因と考え、水で体を濡らして扇風機で冷やす
  4. 疲れただけなのでケージに戻し、翌朝まで様子を見る

正解B.涼しい部屋に移して運動を止め、呼吸が治まらなければ夜間救急に連絡する

解説大型ウサギには心筋症などの心疾患が多く、軽い運動後に呼吸が速く口を開けて呼吸する状態は心不全や熱中症の危険サインである。まず涼しく静かな場所に移して運動を止め、刺激を与えず安静にする。15分ほどで落ち着かなければ心疾患や肺水腫の可能性があり、夜でも救急へ行く。抱き上げると胸が圧迫され呼吸がさらに苦しくなる。体を水で濡らすのは体温が急激に下がりショックを起こすため危険で、扇風機の直風もストレスになる。翌朝まで待つと夜間に急死することがある。

課題最近走る時間が短くなっていたのは運動不耐性という心疾患の初期サインだったが、年齢や暑さのせいと解釈していた。室温26℃は大型種には高すぎる環境でもあった。

改善案3歳以降は年1回、聴診と心エコーを含む健診を受ける。室温は22℃以下に保ち、夏の運動は涼しい時間帯に短く行う。安静時の呼吸数を普段から数えて記録し、増えたら早めに受診する。

Q3跳ばなくなり立ち上がりが遅い病気

冬の朝、5歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントが、いつもなら飛び乗る低い段差を避けて回り込むようになった。寝床から立ち上がる時に前足で体を引きずるように数秒かかり、腰を丸めて座っている時間が長い。お尻の周りの毛が盲腸便で汚れているのにも気づいた。牧草は食べているが、動く量が明らかに減った。

この変化への対応として最も適切なものはどれか

  1. 老化による自然な変化なので、特に何もせず見守る
  2. 運動不足と考え、おもちゃで追いかけて走らせる時間を増やす
  3. 数日以内に受診してレントゲンで関節や背骨を調べ、段差をなくし床を滑らない素材にする
  4. 人用の湿布を腰に貼り、カイロで温めて痛みを和らげる

正解C.数日以内に受診してレントゲンで関節や背骨を調べ、段差をなくし床を滑らない素材にする

解説大型ウサギは体重に比べ骨格が細く、4〜5歳で関節炎や脊椎症が高率に起こる。跳ばない・立ち上がりが遅い・腰を丸める・自分でお尻を手入れできないは典型的な痛みのサインで、数日以内に受診しレントゲンで評価し、鎮痛と環境改善を始める。老化と決めつけて放置すると痛みで食欲が落ちうっ滞に進み、お尻の汚れは夏ならウジ症の原因になる。無理に走らせるのは関節を傷めて逆効果。人用の湿布は成分をなめて中毒を起こす危険があり、カイロは低温火傷の原因になる。

課題動きの変化を年齢のせいと解釈し、痛みのサインと結びつけられなかった。段差のある環境のままで、関節に負担をかけ続けていた。お尻の汚れという二次的な問題も見逃していた。

改善案4歳以降は半年ごとに健診を受け、関節と背骨のレントゲンを撮る。段差を撤去し、床全面に滑らないマットを敷く。お尻の汚れは毎日拭き、動きの変化を日記に記録して受診時に伝える。

Q4盲腸便が床に残るようになった病気

3歳・体重8.5kgのフレンチロップのケージに、ここ2週間ほど毎日、ブドウの房のような柔らかい便がつぶれて残っている。本人のお尻の毛も便で固まり始めている。おやつに毎日ペレットを山盛りと果物を与えており、胸元の肉垂が以前より大きく、背中を撫でても背骨が触れない。普通の便は出ているが、毛づくろいでお尻に口が届いていない様子だ。

この状況の原因と対応として最も適切なものはどれか

  1. 下痢と判断し、整腸剤代わりにヨーグルトを与える
  2. 肥満で盲腸便を食べられないと考え、牧草中心に戻しペレットとおやつを減らして受診する
  3. 栄養不足で便が柔らかいのでペレットをさらに増やす
  4. お尻の汚れを毎日入浴させて落とし、食事はそのまま続ける

正解B.肥満で盲腸便を食べられないと考え、牧草中心に戻しペレットとおやつを減らして受診する

解説床に残る盲腸便は下痢ではなく、肥満で体が曲がらずお尻に口が届かないか、高カロリー食で盲腸便が過剰になっているサインである。大型種は肥満になると関節・心臓・足裏すべてに負担がかかり寿命を縮める。牧草中心に戻し、ペレットは体重の1%程度、果物は親指大までに減らし、受診して体重管理の計画を立てる。ヨーグルトは乳製品で腸内環境を乱す。ペレット増量は肥満を加速させる。入浴は体温低下とストレスで危険なうえ、原因の食事を変えなければ汚れは続く。

課題大型種は体が大きいからと食事量の目安を持たず、おやつを毎日与えていた。体重測定の習慣がなく、肉垂や背骨の触れ方といった肥満のサインを見過ごしていた。

改善案月1回体重を量りグラフにする。ペレットは計量カップで体重の1%程度を守り、おやつは乾燥野菜など低カロリーのものを少量に。お尻は毎日濡れタオルで拭き、盲腸便が床に残ったら食事を見直す。

Q5牧草を切らした翌朝、便が出ていない病気

土曜の朝8時、2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントのトイレを見ると、昨夜から便がほとんど出ていない。昨日の夕方に牧草の在庫が切れ、代わりにペレットと野菜を多めに与えて夜を越した。今朝買ってきた牧草を差し出しても口をつけず、ケージの隅で歯ぎしりをして腹を床につけている。昨夜8時に野菜を食べたのが最後で、すでに12時間経っている。

今すぐ取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. お腹を強く揉んで腸を動かし、便が出るまで部屋で走らせる
  2. 牧草が来たので目の前に置き、昼まで食べるかどうか見守る
  3. すぐに動物病院に連絡し、牧草と便の記録を持って受診する
  4. シリンジで野菜ジュースを飲ませ、食べ始めたら受診をやめる

正解C.すぐに動物病院に連絡し、牧草と便の記録を持って受診する

解説大型ウサギは1日に食べる牧草の量が多く、牧草が切れて繊維が不足するとうっ滞を起こしやすい。12時間食べず便が出ず、歯ぎしりと腹を床につける姿勢は強い痛みのサインで、すでに救急の基準を満たしている。すぐ動物病院に連絡し、休日でも診てもらえる病院へ向かう。大型種は病院の処置も体格に応じた準備が必要なため、事前連絡が重要である。強いマッサージは腸をねじる危険があり、走らせても改善しない。昼まで待てば悪化し、自己判断の強制給餌は閉塞があると致命的になる。

課題大型種の牧草消費量を見誤り、在庫管理が甘かった。牧草が切れた時にペレットや野菜で代用したことが繊維不足を招いた。12時間食べない時点で救急という基準を知らず、牧草が届けば解決すると考えていた。

改善案牧草は常に2週間分以上の在庫を持ち、残り1袋で注文する習慣にする。万一切れた時は牧草ペレットや乾燥牧草ブロックを備蓄しておく。12時間食べない・便が出ないは即受診という基準を家族で共有する。

Q6尿が白く濁り、トイレで力んでいる病気

4歳・体重8kgのフレンチロップのオスが、ここ数日トイレで長く力み、出た尿が白く濁ってシートに砂のような粒が残る。今朝はシートに薄い赤色が混じっていた。水はボトルで与えているが減りが少なく、部屋んぽは週末のみで平日はほぼケージの中で過ごしている。食欲は普通で、陰部を頻繁になめている。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. カルシウムの多いアルファルファに替えて栄養を補い、様子を見る
  2. 尿のついたシートを保存して当日中に受診し、水を陶器皿で多く飲める環境にする
  3. 尿の色が気になるので、水に砂糖を混ぜて飲む量を増やす
  4. トイレを嫌がっているだけなので、トイレの位置を変えて観察する

正解B.尿のついたシートを保存して当日中に受診し、水を陶器皿で多く飲める環境にする

解説白濁尿と砂状の沈殿、力み、血尿は尿砂や尿路結石のサインで、大型種では運動不足と水分不足が原因になりやすい。結石が尿道に詰まると排尿できず命に関わるため、尿のついたシートを保存し当日中に受診して、レントゲンと尿検査を受ける。水はボトルだと大型種には飲みにくく量が足りないため、重い陶器皿で自由に飲める環境に変える。アルファルファはカルシウムが多く結石を悪化させる。砂糖水は腸内環境を乱し肥満も招く。トイレの位置の問題ではなく、観察で時間を失うと閉塞の危険が高まる。

課題平日ほぼケージ内で運動不足だった。大型種に必要な水分量をボトルだけでは満たせていなかった。白濁尿や力む姿を数日間放置し、血尿が出るまで異常と認識しなかった。

改善案水は重い陶器皿を2か所に置き、毎日の飲水量を確認する。平日も毎日2時間以上の部屋んぽで運動させる。成体にアルファルファやカルシウムの多い野菜を与えすぎない。尿の色・量・力みを毎日観察し、異常は当日受診する。

Q7遊んでいる最中に倒れて数秒動かなかった病気

夜9時、5歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントが部屋んぽで走った直後、急に横向きに倒れて数秒間ぐったりし、その後自分で起き上がった。起きた後は呼吸が速く、口を少し開けている。以前にも一度同じようなことがあり、その時は「ごろんと寝ただけ」と思っていた。今は伏せたまま動かず、耳は普通の温かさで、室温は21℃と適温である。

この出来事への対応として最も適切なものはどれか

  1. 横になって休んだだけなので、翌朝まで様子を見る
  2. 失神の可能性があるため運動を止めて安静にし、夜間救急に連絡して受診する
  3. 脳の病気を疑い、頭を冷やして刺激を与え続けて意識を保つ
  4. 低血糖と考えて果物やはちみつを急いで食べさせる

正解B.失神の可能性があるため運動を止めて安静にし、夜間救急に連絡して受診する

解説運動直後に倒れて数秒動かず、その後呼吸が速く口を開けるのは失神で、大型種に多い心疾患による不整脈や心不全の典型的な経過である。室温が適温で熱中症の可能性は低く、今回が2回目という点で心疾患の疑いが強い。運動を止め安静にし、夜間救急に連絡して当夜中に受診する。心疾患は次の発作で急死する危険がある。ウサギは体を横に投げ出して寝ることがあるが、走った直後に倒れて呼吸が乱れるのは別物である。頭を冷やし刺激を与えるのはストレスで心臓に負担をかけ、果物やはちみつは根拠がなく、うっ滞や誤嚥の危険がある。

課題以前の失神をウサギ特有の寝方と誤解し、心疾患の疑いを持てなかった。5歳の大型種で心臓の健診を受けておらず、運動時の反応を観察する習慣もなかった。

改善案3歳以降は年1回、聴診と心エコーを含む健診を受ける。倒れた時は寝方との違い(直前の運動・呼吸の乱れ・反応の有無)を観察して記録する。夜間救急の連絡先を事前に調べ、大型種の搬送手段を準備しておく。

Q8横に倒れて寝ているのを発見した病気

昼下がり、1歳・体重6kgのフレンチロップがリビングの床で体を横に投げ出し、足を伸ばして目を半分閉じたまま動かない。呼びかけても耳がわずかに動くだけで起きない。さっきまで牧草を食べて普通に動いていた。室温は20℃、呼吸は規則正しく、胸がゆっくり上下しているのが見える。初めて見る姿勢で、死んでしまったのかと焦っている。

この時に取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 急変だと判断し、すぐに抱き上げて揺すり起こして病院へ走る
  2. 呼吸と反応を静かに確認し、直前の運動や苦しそうな様子がなければ深い睡眠として見守る
  3. 心臓が止まりかけていると考え、その場で胸を強く圧迫する
  4. 体温が下がっていると考え、カイロで体を包んで温める

正解B.呼吸と反応を静かに確認し、直前の運動や苦しそうな様子がなければ深い睡眠として見守る

解説ウサギがリラックスして体を横に投げ出して寝る姿勢は、大型種で特に目立ち、病気と見間違えやすい。直前に普通に食べて動いており、呼吸が規則正しく、室温が適温で、呼びかけに耳が反応しているなら、安心している証拠の深い睡眠である。静かに呼吸と反応を確認し、起こさず見守るのが正しい。抱き上げて揺すると驚いて暴れ、背骨骨折の大きな原因になる。呼吸している動物に胸を圧迫すれば肋骨や内臓を傷つける。カイロで温めるのは適温環境では熱中症を招く。ただし、運動直後の転倒や呼吸の乱れ、呼びかけに全く反応しない場合は別で、即受診する。

課題大型種の寝方の特徴を知らず、正常な行動を急変と誤認した。慌てて抱き上げたり圧迫したりすれば、健康なウサギに重大な怪我を負わせる危険があった。

改善案普段の寝姿・呼吸数・反応の仕方を観察して記録し、正常を知っておく。異常との区別は「直前の運動の有無・呼吸の乱れ・呼びかけへの反応」で判断する基準を決める。慌てて抱き上げない習慣を家族全員で共有する。

Q9かかとに潰瘍ができて出血している病気

梅雨の朝、3歳・体重8kgのフレミッシュジャイアントのケージ床に血の点が落ちていた。足裏を確認すると、片方のかかとに1cmほどの深い潰瘍ができ、じわじわ出血している。以前から赤くなっていたが、市販の軟膏を塗って様子を見ていた。湿度が高く、マットは尿で湿ったまま昨日は交換できなかった。本人は足を浮かせ、牧草の食べる量が少し減っている。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 軟膏を厚く塗り直し、包帯でしっかり巻いて自宅で治す
  2. 清潔なガーゼで軽く覆い、乾いた厚手のマットに替えて当日中に受診する
  3. 潰瘍を消毒液で洗い流し、乾くまで金網の上に移す
  4. 痛みで食欲が落ちているので、おやつを増やして元気づける

正解B.清潔なガーゼで軽く覆い、乾いた厚手のマットに替えて当日中に受診する

解説ソアホックが潰瘍化して出血する段階は、皮膚の下の組織や骨に感染が及ぶ危険があり、大型種では治癒に数か月かかる。患部は洗わず清潔なガーゼで軽く覆い、床を乾いた厚手マットに替えて当日中に受診し、適切な処置と鎮痛、足への負荷を減らす包帯処置を受ける。自己判断の軟膏と包帯はこの段階では不十分で、きつく巻くと血流が止まる。消毒液は組織を傷め、金網は潰瘍を最も悪化させる床である。食欲低下は痛みのサインで、おやつで誤魔化すとうっ滞の発見が遅れる。

課題初期の赤みの段階で受診せず、市販薬で自己処置して悪化させた。梅雨の高湿度で床材が湿ったまま交換できず、感染しやすい環境だった。食欲低下を痛みと結びつけられなかった。

改善案足裏の赤みを見つけた時点で受診する基準を持つ。梅雨や夏は除湿機で湿度を60%以下に保ち、マットは1日2回確認して濡れたら即交換する。予備のマットを複数用意し、洗濯が間に合わない日をなくす。

Q10毛づくろいしなくなりお尻が汚れている病気

真夏の午後、6歳・体重9kgのフレンチロップの背中とお尻に毛玉ができ、お尻周りが便と尿で湿って臭う。以前は自分で毛づくろいしていたが、最近は顔を洗うだけで体をひねらなくなった。湿ったお尻の皮膚は赤くただれ、小さなハエが周りを飛んでいるのを見た。本人は食欲はあるが、動くのを嫌がって座ったままの時間が長い。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. 汚れを落とすため、お尻を温かいシャワーで洗って自然乾燥させる
  2. お尻の皮膚を今すぐ確認してウジがいないか調べ、濡れタオルで拭き、当日中に受診する
  3. 毛玉をハサミで根元から切り取り、ハエ取り紙を吊るして様子を見る
  4. 夏バテで動かないだけなので、エアコンを強くして見守る

正解B.お尻の皮膚を今すぐ確認してウジがいないか調べ、濡れタオルで拭き、当日中に受診する

解説大型ウサギは年齢や関節炎、肥満で体をひねれず、背中やお尻の毛づくろいができなくなる。夏に湿ったお尻にハエが寄っている状況は、ウジ症(ハエ幼虫症)の危険が極めて高く、ウジは数時間で皮膚を食い破り命に関わる。すぐにお尻の皮膚をめくってウジの有無を確認し、濡れタオルで汚れを拭き、当日中に受診する。毛づくろいできない原因である関節の痛みも診てもらう。シャワーは体温低下とストレスを招き、自然乾燥は湿った状態を長引かせ悪化させる。ハサミは皮膚を切る事故が多い。夏バテと決めつけると発見が遅れる。

課題毛づくろいの変化を関節痛や肥満のサインと認識せず、お尻の汚れを放置した。夏のハエ対策がなく、大型種がウジ症になりやすいことへの備えがなかった。

改善案お尻と背中は毎日確認し、汚れは濡れタオルで拭いて乾かす。夏は網戸とケージ周りの清掃でハエを寄せつけない。毛づくろいできなくなったら関節や肥満の評価を受け、ブラッシングを毎日行って補助する。

Q111か月で体重が500g減っていた病気

月1回の体重測定で、5歳・体重8kgだったフレミッシュジャイアントが7.5kgに減っていた。食欲は普通に見え、牧草もペレットも食べている。背中を撫でると以前より背骨がはっきり触れる。便の大きさは変わらないが、少し数が減った気がする。動きは普通で、特に目立つ症状はない。前回の健診は1年以上前である。

この体重減少への対応として最も適切なものはどれか

  1. 食べているので問題ないと考え、来月の測定まで待つ
  2. ペレットとおやつを増やして体重を戻し、戻れば受診しない
  3. 6%の減少は異常と考え、数日以内に受診して血液検査と歯・内臓の評価を受ける
  4. 夏痩せと判断し、涼しくして秋まで様子を見る

正解C.6%の減少は異常と考え、数日以内に受診して血液検査と歯・内臓の評価を受ける

解説大型ウサギで1か月に5%以上の体重減少は、食べているように見えても異常のサインである。臼歯の不正咬合で牧草を十分に噛めていない、腎臓や肝臓の病気、腫瘍、心疾患など、見た目に現れにくい疾患が隠れていることが多い。数日以内に受診し、血液検査と歯・内臓の評価を受ける。来月まで待つと病気が進行し、大型種は体力の低下も早い。ペレットを増やして体重が戻っても原因は解決せず、受診の機会を失う。夏痩せと決めつけるのも根拠がなく、原因究明が遅れる。

課題食べていれば健康という思い込みで、体重減少を軽視しそうになった。1年以上健診を受けておらず、5歳という病気が増える年齢への備えが不足していた。

改善案月1回の体重測定を継続し、5%以上の変動は受診する基準を決める。4歳以降は半年ごとの健診で血液検査と歯の確認を受ける。食べる量を実際の牧草の重さで量り、見た目の食欲と実際の摂取量を区別する。

Q12顎が濡れ、硬い牧草だけ残すようになった病気

4歳・体重8.5kgのフレンチロップが、柔らかい葉の部分だけ食べて硬い茎を残すようになり、顎の下の毛がよだれで濡れている。ペレットは普通に食べる。顎の下を触ると片側に硬いしこりがあり、触ると嫌がる。便はやや小さい。垂れ耳のため顔周りの観察が難しく、気づくのに時間がかかった。

この症状への対応として最も適切なものはどれか

  1. 牧草を柔らかいものに替えて食べやすくし、しばらく観察する
  2. しこりは脂肪と判断し、ペレットを減らして痩せさせる
  3. 顎のしこりとよだれは歯の病気のサインと考え、当日中に受診する
  4. 人用の口内炎薬を顎に塗り、ペレットを多めに与えて栄養を補う

正解C.顎のしこりとよだれは歯の病気のサインと考え、当日中に受診する

解説硬い牧草を残す、よだれで顎が濡れる、顎の下のしこりは、臼歯の不正咬合や歯根の膿瘍のサインである。大型種は顎の骨が大きく膿瘍が広がりやすく、治療も難しくなるため当日中に受診する。便が小さいのは繊維摂取が減っている証拠で、うっ滞に進む前の対処が必要である。柔らかい牧草に替えると歯の摩耗がさらに減って悪化し、観察で時間を失う。しこりを脂肪と自己判断するのは危険で、膿瘍は進行すると骨を溶かす。人用の薬は中毒の危険があり、ペレット中心の食事は歯の病気の根本原因になる。

課題垂れ耳で顔周りの観察が難しいのに、顎やよだれを定期的に確認する習慣がなかった。硬い牧草を残す変化を好みの問題と考え、歯の異常と結びつけられなかった。

改善案週1回、顎の下と口の周りを触って濡れやしこりを確認する。牧草の茎まで食べているか毎日見る。ペレットは体重の1%程度にとどめ、牧草を主食にして歯を摩耗させる。年1回は歯のチェックを受ける。

Q13抱き上げた瞬間に蹴って背中が反った怪我

夜、3歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントを爪切りのため立ったまま抱き上げた。腕の中で後ろ足を強く蹴り、体が大きく反った直後に「ゴリッ」という感触があった。床に下ろすと後ろ足を引きずって前足だけで進もうとし、後ろ足をつねっても反応が鈍い。本人は痛がって歯ぎしりしているが、出血はない。

今すぐ取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 歩かせて回復を確認し、動けるようなら明日の受診にする
  2. 背骨を触って折れているか確認し、マッサージで足の感覚を戻す
  3. 体を平らに保ち硬い板やキャリーに乗せて揺らさず、夜間救急に即連絡する
  4. 痛みを和らげるためケージに戻して暗くし、翌朝まで安静にさせる

正解C.体を平らに保ち硬い板やキャリーに乗せて揺らさず、夜間救急に即連絡する

解説大型ウサギは体重に比べ背骨が細く、抱き上げ中の蹴りで腰椎を骨折・脱臼する事故が最も多く最も重い。後ろ足を引きずり、つねっても反応が鈍いのは脊髄損傷のサインで、時間とともに麻痺が固定するため夜間救急への即受診が必要である。体をひねらないよう平らに保ち、硬い板や大型キャリーに乗せ揺らさず運ぶ。歩かせると損傷が広がる。背骨を触ったりマッサージすれば骨片が神経を傷つける。翌朝まで待つと排尿障害や麻痺が進み、安楽死の判断を迫られることもある。

課題立ったまま抱き上げたことが根本的な原因で、大型種の抱き方の基本を守れていなかった。爪切りを一人で、しかも夜に行う計画自体に無理があった。蹴った時に床に下ろす判断もできなかった。

改善案抱き上げは必ず床に座り、胸とお尻を両腕で抱えて体に密着させる。爪切りは2人で行うか動物病院に依頼する。暴れたら即座に床に下ろす。移動はキャリーに自分で入るよう誘導し、抱いて運ぶ場面を減らす。

Q14立ったまま抱いた腕から落ちた怪我

来客があり、1歳・体重6kgのフレンチロップを見せようと立ったまま抱き上げた。驚いた本人が暴れ、腰の高さからフローリングに落ちた。落ちた直後は自分で走ってケージに逃げ込み、今は隅でじっとしている。出血はなく、見た目の変形もない。呼ぶと顔を向けるが出てこない。後ろ足は動かせているように見える。

この後の対応として最も適切なものはどれか

  1. 自分で走れたので無事と判断し、来客への対応を続ける
  2. 歩き方・後ろ足の動き・排尿を確認し、異常がなくても当日中に受診する
  3. すぐに抱き上げて全身を触り、痛がる場所を探して確認する
  4. 好物を与えて食べれば問題なしと判断し、翌日まで様子を見る

正解B.歩き方・後ろ足の動き・排尿を確認し、異常がなくても当日中に受診する

解説腰の高さからの落下は大型ウサギにとって重大で、直後に走れても背骨のひび、脱臼、内臓損傷が隠れていることがある。ウサギは被捕食動物のため痛みを隠して逃げるので、走れたことは無事の証明にならない。ケージの外から歩き方、後ろ足の動き、排尿の有無を観察し、異常があれば即受診、なくても当日中に受診してレントゲンで確認する。無事と判断して放置すると、数時間後に麻痺や排尿障害が現れることがある。抱き上げて触るのは再び暴れて損傷を広げる。好物を食べても骨折は除外できない。

課題来客に見せるために立ったまま抱き上げた。大型種は抱かれること自体を嫌がる個体が多く、人前での抱っこはさらに危険だった。落ちた後に逃げ込めたことで安心し、受診をためらった。

改善案来客には床に座って触れてもらい、抱き上げは家族でも行わない。大型種の抱き方を家族と来客に事前に説明する。落下後は必ず当日受診する基準を決め、夜間でも診てもらえる病院を調べておく。

Q15爪が根元から折れて出血が止まらない怪我

部屋んぽ中に2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントがカーペットで前足の爪を引っかけ、根元から爪が取れて出血している。床に血の跡が点々と続き、本人は足を振って血を飛ばしている。爪切りは3か月ほどしておらず、爪がかなり伸びていた。出血量は多く見え、慌ててしまった。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 清潔なガーゼで患部を5分間しっかり押さえ、止血剤か小麦粉を当てて当日受診する
  2. 出血を洗い流すため足を水に浸け、血が止まるまで待つ
  3. 人用の消毒液をかけてから絆創膏を貼り、様子を見る
  4. 大型種は血液量が多いので、自然に止まるまで放置する

正解A.清潔なガーゼで患部を5分間しっかり押さえ、止血剤か小麦粉を当てて当日受診する

解説大型ウサギは体重で爪に強い力がかかり、伸びた爪はカーペットに引っかかって根元から折れやすい。まず清潔なガーゼで5分間途中でめくらずしっかり押さえ、止まらなければ止血剤か小麦粉を当てる。爪が根元から取れた場合は爪床が露出し感染しやすいため当日中に受診する。水に浸けると血が固まらず、濡れた足は皮膚炎の原因になる。人用の消毒液は刺激が強く、絆創膏はウサギがかじって誤飲する。血液量が多くても放置すれば出血は続き、痛みでうっ滞に進む危険がある。

課題3か月間爪切りをしておらず、伸びた爪で毛足のあるカーペットを歩かせていた。大型種は爪への負荷が大きいことを理解せず、止血の準備もなかった。

改善案月1回の爪切りを予定に入れ、暴れるなら動物病院で切ってもらう。部屋んぽの床は毛足の短いマットにし、引っかかる布は避ける。止血剤・ガーゼ・小麦粉を救急セットに常備し、止血方法を家族で練習する。

Q16フローリングで滑って足を引きずる怪我

休日の昼、3歳・体重8kgのフレンチロップを初めてフローリングの廊下で遊ばせた。急に走り出して曲がろうとした時に後ろ足が滑って開脚し、鳴き声を上げた。その後、片方の後ろ足を引きずり、床に着けようとしない。足を見ると腫れており、触ろうとすると逃げる。前足と反対側の後ろ足は普通に動いている。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 足を引っ張って関節を元に戻し、冷やしてから様子を見る
  2. 患肢を触らず狭いキャリーで安静にし、当日中に受診する
  3. 自然に治るので、歩かせて回復を促す
  4. 人用の鎮痛剤を少量与えて痛みを和らげ、翌日受診する

正解B.患肢を触らず狭いキャリーで安静にし、当日中に受診する

解説大型ウサギが滑る床で開脚すると、体重の負荷で股関節脱臼や靭帯損傷、骨折を起こす。片足を着けず腫れている状態は脱臼や骨折の可能性が高く、患肢を触らず動けない程度の狭いキャリーで安静にし、当日中に受診してレントゲンで診断を受ける。自分で関節を戻そうとすると骨折を悪化させ神経を傷つける。歩かせると損傷が広がる。人用の鎮痛剤はウサギに中毒を起こす成分が多く、量の判断もできないため絶対に与えない。痛みで食欲が落ちればうっ滞も併発するので早期の鎮痛治療が必要である。

課題フローリングの廊下という滑る環境で大型種を走らせた。大型種は体重が重く、滑った時の関節への負荷が小型種の数倍になることへの認識がなかった。

改善案部屋んぽの範囲は全面に滑らないマットを敷いた場所に限定する。急な方向転換を誘う追いかけ遊びはしない。肥満を防いで関節の負荷を減らす。怪我の時に使う狭めのキャリーと、受診先を事前に用意する。

Q17同居ウサギに噛まれ深い傷ができた怪我

夕方、2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントのオス2頭を同じサークルに入れていたところ、突然取っ組み合いになった。引き離すと一方の耳の付け根と背中に深く裂けた噛み傷があり、血がにじんでいる。もう一方は鼻に傷がある。両方とも去勢していない。どちらも興奮して鼻息が荒く、ケージに戻しても柵越しに威嚇し合っている。

最初に取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 傷が浅ければ仲直りさせるため、少ししてから同じサークルに戻す
  2. 2頭を別の部屋に完全に分け、傷を流水で洗って圧迫し、当日中に受診する
  3. 傷口に人用の消毒液とかさぶた用の軟膏を塗り、ケージを隣に並べて様子を見る
  4. 噛んだ方を叱って離し、傷が自然に治るのを待つ

正解B.2頭を別の部屋に完全に分け、傷を流水で洗って圧迫し、当日中に受診する

解説大型ウサギの歯と顎の力は強く、噛み傷は皮膚の下まで深く達する。ウサギの皮膚は薄く、噛み傷は閉じて見えても皮下に膿瘍を作りやすいため、まず2頭を視界に入らない別の部屋に分け、傷を流水で洗い出血は圧迫し、当日中に受診して抗菌治療を受ける。未去勢のオス同士は成熟後に激しく争うので、同じサークルに戻すのは再発を招き、隣に並べても威嚇し合ってストレスが続く。人用の消毒液や軟膏は組織を傷め、ウサギがなめて中毒の危険がある。叱っても行動は変わらず、傷の放置は膿瘍で手術が必要になる。

課題未去勢のオス同士を同居させた。成熟後のオス同士は基本的に同居不可で、大型種では争いの傷も重くなる。噛み合った時の引き離し方や隔離の準備もなかった。

改善案オス同士の同居は避け、別々のケージと部屋んぽ時間にする。去勢手術を獣医師と相談する。多頭飼育する場合は柵越しの対面から時間をかけ、必ず監視下で行う。噛み傷は小さくても当日受診する基準を決める。

Q18足裏を切り、血がにじみ続けている怪我

ベランダに出した鉢の破片が床に落ちていたのに気づかず、4歳・体重8kgのフレンチロップが部屋んぽ中に踏んだ。後ろ足の裏に2cmほどの切り傷があり、血がにじんで足跡が床に残る。本人は足を浮かせて三本足で歩き、傷を頻繁になめている。切り傷の深さは分からないが、皮膚がぱっくり開いているように見える。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. ガーゼで5分圧迫し、なめないよう見守りながら当日中に受診する
  2. 傷口を縫う必要はないので、絆創膏を貼って翌週まで様子を見る
  3. 傷に人用の消毒液を流し込み、包帯をきつく巻いて止血する
  4. なめて治るので傷には触れず、通常どおり部屋んぽを続ける

正解A.ガーゼで5分圧迫し、なめないよう見守りながら当日中に受診する

解説大型ウサギの足裏は全体重を支える場所で、切り傷があると傷口に体重がかかって開き、感染しやすく治りにくい。まず清潔なガーゼで5分圧迫して止血し、当日中に受診して傷の深さを確認し、必要なら縫合と足への負荷を減らす処置を受ける。足裏の傷はソアホックに移行しやすいため早期治療が重要である。絆創膏は歩くうちに剥がれ、かじって誤飲する。消毒液は組織を傷め、きつい包帯は血流を止める。なめ続けると傷が広がり細菌が入るので、部屋んぽは中止して清潔なケージで安静にする。

課題部屋んぽの前に床の安全確認をしていなかった。大型種は足裏の傷が全体重の負荷で悪化しやすいことへの認識が不足し、止血用品も準備していなかった。

改善案部屋んぽの前に床を手で触って確認する習慣をつける。ベランダや窓際の鉢・ガラス製品は部屋んぽ範囲から外す。ガーゼ・止血剤を常備し、足裏の傷は小さくても当日受診する基準を決める。

Q19子どもが抱き上げようとして落とした怪我

休日の午後、小学2年生の子どもが2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントを抱き上げようとして、持ち上げた直後に重さで支えきれず床に落とした。落ちた本人はその場で動かず、背中を丸めて小刻みに震えている。呼んでも動かず、後ろ足を伸ばそうとしない。鼻から少し血が出ている。子どもは泣いている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 子どもを叱って落ち着かせてから、ウサギを抱き上げて怪我を確認する
  2. ウサギに触れず硬い板かキャリーに平らに乗せ、揺らさず夜間でも救急へ向かう
  3. ショック状態なので毛布で包み、落ち着くまで暗い部屋で一人にする
  4. 水と好物を目の前に置き、食べたら無事と判断して翌日受診する

正解B.ウサギに触れず硬い板かキャリーに平らに乗せ、揺らさず夜間でも救急へ向かう

解説落下後に動かず、後ろ足を伸ばさない、鼻からの出血がある状態は、背骨骨折や頭部・胸部の損傷が強く疑われる。背骨をひねらないよう板やキャリーに平らに乗せ、揺らさず夜間でも救急へ向かう。鼻血は頭部の打撲や肺の損傷のサインでもあり、時間が命に関わる。抱き上げて確認すると損傷が広がる。毛布で包んで一人にすると、出血や呼吸の変化を見逃し、ショックが進行する。食べたかどうかは骨折の判断材料にならない。子どもへの対応は搬送後でよく、まず動物の救命を優先する。

課題7kgの大型種を小学生が抱けると考え、抱き上げを許していた。大型種は子どもには重すぎ、落下で致命的な怪我をすることを家族で共有できていなかった。

改善案子どもや慣れない人には抱き上げを禁止し、床に座って撫でるだけにする。家族全員に大型種の抱き方と落下の危険を説明する。移動はキャリーに自分で入るよう訓練し、抱いて運ぶ場面をなくす。救急病院の連絡先を見える場所に貼る。

Q20ソファから飛び降りて動かなくなった怪我

夜、家族が5歳・体重9kgのフレンチロップを膝に乗せてソファでテレビを見ていた。本人が突然ソファから床に飛び降り、着地で前足を滑らせて顎を打った。その後、床に伏せたまま動かず、口を少し開けて呼吸が速い。口の中を見ると下の前歯が1本折れて出血している。後ろ足は動いているが、立ち上がろうとしない。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 折れた歯はまた伸びるので、出血が止まれば翌日以降の受診でよい
  2. 口の出血をガーゼで軽く押さえ、体を平らにキャリーへ入れて当日中、できれば今すぐ受診する
  3. 顎を打っただけなので、冷やして翌朝まで様子を見る
  4. 痛みが引くまで抱っこで安心させ、食べ始めたら様子を見る

正解B.口の出血をガーゼで軽く押さえ、体を平らにキャリーへ入れて当日中、できれば今すぐ受診する

解説大型ウサギは体重があるため、ソファ程度の高さからの飛び降りでも着地の衝撃が大きく、前歯の破折や顎の骨折、胸部の打撲を起こす。立ち上がれず呼吸が速いのは痛みや胸部損傷の可能性があり、口の出血を軽く押さえ、体を平らにキャリーに入れて今すぐ受診する。折れた歯は根元が割れていると再生が異常になり、不正咬合や膿瘍の原因になるため、歯の評価と顎のレントゲンが必要である。冷やして翌朝まで待つと痛みで食べられずうっ滞を併発する。抱っこで安心させるのは再び暴れて落下する危険がある。

課題大型種をソファに乗せていた。ウサギは高い場所から自分で飛び降りる習性があり、体重が重い大型種ほど着地の衝撃で怪我をしやすいことへの認識が不足していた。

改善案ソファやベッドには乗せず、触れ合いは床に座って行う。部屋んぽ範囲に高さ10cmを超える台や段差を置かない。飛び降り後は動けていても当日受診する基準を決め、前歯と顎の状態を確認する。

Q21ケージの金網に耳が裂けて出血怪我

朝、3歳・体重8kgのフレンチロップのケージを見ると、長く垂れた耳の縁が金網の継ぎ目に引っかかって3cmほど裂け、ケージの壁と床に血が飛び散っていた。耳からはまだ血が滴っている。本人はパニックで頭を振り、血が周囲に飛ぶ。出血量が多く見えて動転している。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 出血が多いので止血は諦め、すぐ車に乗せて走り出す
  2. 落ち着いて耳を両側からガーゼで挟み5分圧迫し、止まらなければ圧迫したまま受診する
  3. 傷口を水で洗い流し、人用の消毒液をかけて自然に止まるのを待つ
  4. 頭を振らないよう耳をテープで頭に固定し、様子を見る

正解B.落ち着いて耳を両側からガーゼで挟み5分圧迫し、止まらなければ圧迫したまま受診する

解説ウサギの耳は血管が豊富で、裂けると出血量が多く見えるが、両側からガーゼで挟んで5分圧迫すれば多くは止まる。垂れ耳の大型種は耳が長く重いため、金網やすのこの隙間に引っかかる事故が起こりやすい。圧迫中は途中でめくらず、止まらなければ圧迫したまま受診する。止血せずに車に乗せると搬送中に出血が続き、パニックで暴れて背骨骨折の二次事故も起こる。水で洗うと血が固まらず、消毒液は組織を傷める。テープは皮膚を傷め、剥がす時に再出血する。裂傷が大きい場合は縫合が必要なので、止血後も当日中に受診する。

課題垂れ耳の大型種に対し、耳が引っかかる金網の継ぎ目や隙間をケージ内に残していた。止血の手順と道具の準備がなく、出血の多さに動転して判断が遅れた。

改善案ケージ内の金網の継ぎ目や突起をカバーで覆い、耳が入る隙間をなくす。ガーゼ・止血剤を救急セットに用意し、耳の止血方法を練習しておく。垂れ耳の縁は毎日観察し、小さな傷も早めに受診する。

Q22ヒーターの前で動かず皮膚が赤い怪我

冬の夜、6歳・体重9kgで関節炎のあるフレミッシュジャイアントのケージの外側に、電気ヒーターを近づけて置いていた。朝見ると、ヒーター側の脇腹の毛が薄くなり、皮膚が赤くただれて一部が硬くなっている。本人は関節炎で動きが鈍く、一晩中同じ場所で寝ていたようだ。触ると痛がって逃げようとする。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. 低温火傷と考えてヒーターを離し、患部を触らず濡らさず、当日中に受診する
  2. 赤みは一時的なので、氷で冷やしてからヒーターをそのまま使う
  3. 皮膚が硬い部分をはがし、人用の火傷薬を塗って様子を見る
  4. ヒーターを強くして体を温め、血行を良くして治りを早める

正解A.低温火傷と考えてヒーターを離し、患部を触らず濡らさず、当日中に受診する

解説関節炎などで動けない大型ウサギは、ヒーターから自分で離れられず、長時間同じ面が温められて低温火傷を起こす。毛が薄くなり皮膚が赤くただれて硬くなっているのは深い火傷のサインで、見た目より組織の損傷が深いことが多い。ヒーターを離し、患部を触らず濡らさず、当日中に受診して処置と鎮痛を受ける。氷で冷やすと体温が下がり皮膚の損傷も進む。硬い部分をはがすと感染の入口になり、人用の薬は中毒の危険がある。ヒーターを強めるのは火傷を広げる。動けない個体には温度管理の方法を根本から見直す必要がある。

課題動きの鈍い高齢の大型種に、自分で離れられない位置でヒーターを使った。大型種はケージの一部しか温まらないと長時間同じ面を当て続けることへの認識が不足していた。

改善案暖房はエアコンで部屋全体を16〜22℃に保ち、ヒーターはケージの一部のみ、ケージの外側から離して当てる。動けない個体は体の向きを変え、皮膚を毎日確認する。関節炎の治療を受け、動ける状態を維持する。

Q23ドアに後ろ足を挟んでしまった事故

夕方、2歳・体重7kgのフレンチロップの部屋んぽ中、家族がリビングのドアを閉めた瞬間、後をついてきていた本人の後ろ足がドアと枠の間に挟まった。悲鳴のような声を上げ、ドアを開けると足を引きずって逃げた。足首から先が不自然な方向に曲がって見え、触ろうとすると鋭く鳴いて嫌がる。出血はない。

最初に取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 足をまっすぐに引っ張って整え、添え木を当てて固定する
  2. 痛みで鳴いただけなので、落ち着くまで好物を与えて様子を見る
  3. 足に触れず狭いキャリーに静かに入れ、即受診する
  4. 冷やして腫れを抑え、翌朝一番で受診する

正解C.足に触れず狭いキャリーに静かに入れ、即受診する

解説足首が不自然な方向に曲がり触ると激痛を示すのは骨折か脱臼で、大型種は体重で骨折部に負荷がかかり続けるため早急な固定が必要である。自分で引っ張って整えると骨片が血管や神経を傷つける。添え木もウサギでは正しく固定できず、かじって外す。狭いキャリーで動けないよう安静にし、即受診する。痛みでうっ滞に進むのも早く、鎮痛治療を急ぐ必要がある。冷やして翌朝まで待つと痛みで食欲が落ち、骨折部もずれる。大型種は手術の判断にも体重と骨格の評価が必要で、早期の受診が治療の選択肢を広げる。

課題部屋んぽ中にドアを開閉し、後をついてくる習性を考慮していなかった。大型種は体が大きく足がドアの可動範囲に入りやすいのに、ドアストッパーなどの対策がなかった。

改善案部屋んぽ中はドアストッパーで全開に固定するか、完全に閉め切って開閉しない。家族全員に足元を確認してからドアを動かす習慣を徹底する。怪我用の狭いキャリーと救急病院の連絡先を準備する。

Q24電気コードをかじり口から煙の匂い事故

夜、1歳・体重6kgのフレミッシュジャイアントの部屋んぽ中、テレビの裏から「バチッ」という音がした。駆け寄ると本人が延長コードの近くで倒れ、口の周りの毛が焦げて口角が赤くただれている。すぐに起き上がって歩いたが、よだれが多く口を気にしている。呼吸は普通に見える。コードの被覆は噛み切られ、銅線が見えている。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. コンセントを抜いてから近づき、歩けても口の火傷と遅れて出る肺の異常のため当日中に受診する
  2. 歩けたので無事と判断し、コードを隠して通常どおり過ごす
  3. 口の火傷に氷を当てて冷やし、翌日食べなければ受診する
  4. すぐに抱き上げて口の中を指で確認し、焦げた部分を拭き取る

正解A.コンセントを抜いてから近づき、歩けても口の火傷と遅れて出る肺の異常のため当日中に受診する

解説感電では、まずコンセントを抜いて自分の安全を確保してから近づく。口の火傷は数日かけて組織が壊死して食べられなくなり、感電による肺水腫は数時間から1日遅れて呼吸困難として現れるため、歩けても当日中に受診する。大型種は体格から通電の影響が小型種と異なるが、重篤になる危険は同じである。無事と判断して放置すると夜間に呼吸困難で急変する。氷は体温低下を招き、火傷の深さの評価もできない。通電中に触れると自分も感電し、口の中を指で触ると噛まれ、焦げた組織を剥がすと出血する。

課題部屋んぽ範囲にテレビ裏のコードが露出していた。大型種は体が大きく届く範囲が広いのに、コードの管理が不十分だった。感電後に遅れて肺の症状が出ることも知らなかった。

改善案部屋んぽ範囲のコードはすべて配線カバーに入れるか、床から1m以上離す。家具の裏に入れないよう囲いで範囲を限定する。感電後は無症状でも当日受診する基準を決め、その夜は呼吸数を数回確認する。

Q25サークルを倒して玄関から外へ出た事故

夏の夕方、宅配の応対で玄関を開けた隙に、3歳・体重8kgのフレンチロップが固定していないサークルを体で押し倒し、廊下を抜けて玄関から外に出てしまった。追いかけると庭の植え込みの奥に逃げ込み、呼んでも出てこない。外は30℃近く、近所には野良猫が多い。暗くなり始めている。

この状況での対応として最も適切なものはどれか

  1. 植え込みに手を入れて無理に引きずり出し、抱きかかえて家に入れる
  2. 追い回さず植え込みの出口にキャリーと牧草・匂いのついたハウスを置き、静かに近くで待つ
  3. 一晩たてば戻るので、玄関を開けたままにして家で待つ
  4. 大声で名前を呼びながら植え込みの周りを走り回って探す

正解B.追い回さず植え込みの出口にキャリーと牧草・匂いのついたハウスを置き、静かに近くで待つ

解説逃げたウサギは追い回すほど恐怖で遠くに逃げ、暑さと野良猫の危険にさらされる。大型種は夏の屋外で短時間でも熱中症の危険があり、暗くなると発見が難しくなる。植え込みの出口に自分の匂いのついたハウスやキャリー、牧草を置き、静かに近くで待つと、薄明薄暮性のウサギは夕方以降に出てくることが多い。無理に引きずり出すと暴れて背骨を折る。玄関を開けたまま一晩待つのは猫やイタチの侵入と熱中症の危険があり、大声で走り回るのは恐怖を与えて逆効果である。出てきたら床で両手で抱え、落ち着いてキャリーに入れる。

課題8kgの大型種がサークルを体で押し倒せることを想定せず、固定していなかった。玄関を開ける際にウサギの位置を確認する習慣がなく、夏の夕方に外に出す危険への備えがなかった。

改善案サークルは家具や壁に固定するか、重量のある犬用ケージに替える。玄関と廊下の間に二重の扉や柵を設ける。宅配の応対前にウサギをケージに入れる習慣をつける。迷子札付きのハーネスやマイクロチップを検討する。

Q26暗い部屋で足を踏んでしまった事故

夜中にトイレに起きた際、部屋んぽ中だった2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントの前足を暗闇で踏んでしまった。悲鳴のような声を上げ、その後は前足を浮かせて三本足で歩いている。足を見ると腫れ始めているが、変形や出血はない。本人はケージに戻り、牧草を少し食べ始めた。時刻は深夜2時である。

この後の対応として最も適切なものはどれか

  1. 牧草を食べているので無事と判断し、通常どおり過ごす
  2. 腫れを引かせるため足を氷水に浸け、朝まで様子を見る
  3. 足を触って曲げ伸ばしし、痛がらなければ放置する
  4. 狭いケージで安静にし、朝一番で受診してレントゲンを撮る。足を着けない・食欲が落ちれば夜間救急へ

正解D.狭いケージで安静にし、朝一番で受診してレントゲンを撮る。足を着けない・食欲が落ちれば夜間救急へ

解説大型ウサギの前足は細く、人の体重で踏まれると骨折やひびが起こりやすい。足を浮かせて腫れている時点で骨の損傷を疑い、動ける範囲を狭めて安静にし、朝一番で受診してレントゲンで確認する。全く足を着けない、歯ぎしり、食欲が落ちるなど強い痛みのサインが出れば夜間救急に切り替える。牧草を食べることは骨折の除外にならない。氷水は体温を下げ、ウサギは濡れることを嫌がって暴れる。足を曲げ伸ばしして確認するのは骨折部をずらし、痛みで暴れて二次事故を起こす。

課題夜間に部屋んぽさせたまま照明を消し、ウサギが足元に来る習性を考慮していなかった。大型種は暗い色の個体が多く暗闇で見えにくいのに、動線の安全が確保されていなかった。

改善案部屋んぽは必ず見守れる時間帯に限定し、夜はケージに戻す。廊下や寝室への動線には足元灯を設置する。歩く時は足元を確認する習慣を家族で徹底し、ウサギの位置を把握してから動く。

Q27庭で近所の犬に襲われた事故

春の昼、庭でハーネスをつけて3歳・体重8kgのフレンチロップを散歩させていたところ、隣家の中型犬が柵を越えて飛びかかってきた。犬を追い払った後、本人は草むらで動かず、首の後ろと脇腹の毛が濡れて小さな穴のような傷が数か所ある。出血は少ない。呼吸が非常に速く、目を見開いたまま体が硬直している。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 出血が少なくても犬の牙は深く達するため、体を平らにキャリーへ入れて暗く覆い、即受診する
  2. 傷は小さいので洗って消毒し、落ち着くまで庭で休ませる
  3. ショックで動けないだけなので、抱き上げて撫でて安心させる
  4. 出血が止まっていれば、翌日かかりつけが開いてから受診する

正解A.出血が少なくても犬の牙は深く達するため、体を平らにキャリーへ入れて暗く覆い、即受診する

解説犬の咬傷は表面の穴が小さくても、牙が皮膚の下の筋肉や内臓まで達していることが多く、大型ウサギでも胸腔や腹腔に穴が開けば命に関わる。さらにウサギは捕食者に襲われた恐怖だけでショック死することがあり、呼吸が速く硬直している状態は危険である。体を平らにキャリーに入れて暗く覆い刺激を減らし、即受診して傷の深さと内臓の損傷を調べ、抗菌治療を受ける。庭で休ませたり翌日まで待つと、見えない内出血や感染で急変する。抱き上げて撫でるのは、恐怖で暴れて背骨を折る危険がある。

課題屋外散歩は大型種には暑さと捕食者の危険が大きく推奨されないのに、庭で行っていた。隣家の犬が柵を越えられることを想定せず、襲われた時の避難手段も準備していなかった。

改善案散歩は室内の部屋んぽで代替し、屋外には出さない。屋外に出す場合は犬や猫が侵入できない囲いの中に限り、常に目を離さない。襲われた時は傷が小さくても即受診する基準を家族で共有し、キャリーをすぐ使える場所に置く。

Q28小型キャリーの底が抜けて落下した事故

健診のため、4歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントを小型犬用のソフトキャリーに入れて駅まで歩いていた。歩道で底の布が破れ、本人が30cmほど下のアスファルトに落ちた。すぐに抱き上げたところ暴れて後ろ足で強く蹴った。地面に下ろすと歩けるが、腰を引きずるように動き、お尻の周りに尿が漏れて濡れている。

この状況で取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 歩けるので予定どおり電車で病院に向かう
  2. 家に戻ってケージで休ませ、明日改めて受診する
  3. 抱いたまま歩いて病院へ急ぎ、途中で落ち着かせる
  4. 動かさず硬い板や段ボールに平らに乗せ、タクシーなどで即受診する。尿漏れは脊髄損傷のサイン

正解D.動かさず硬い板や段ボールに平らに乗せ、タクシーなどで即受診する。尿漏れは脊髄損傷のサイン

解説落下に加えて抱き上げた時の強い蹴りで、大型ウサギは腰椎を損傷しやすい。腰を引きずる歩き方と尿が勝手に漏れる状態は脊髄損傷による排尿障害のサインで、時間とともに麻痺が固定する。体をひねらないよう板や段ボールに平らに乗せ、揺らさずタクシーなどで即受診する。歩けても脊髄の損傷は進行し、電車の振動や家で休ませる間に悪化する。抱いたまま歩くと再び暴れて損傷を広げる。そもそも9kgの大型種に小型犬用のソフトキャリーは強度も広さも不足しており、搬送手段の選択自体が事故の原因だった。

課題大型種の体重に耐えられない小型犬用ソフトキャリーを使った。落下後に抱き上げて蹴らせ、損傷を広げた。大型種の搬送には車と2人の体制が必要という認識がなかった。

改善案搬送は大型犬用の硬いプラスチックキャリーを使い、底にタオルを敷いて体を平らに保つ。移動は車かタクシーで、できれば2人で運ぶ。落下後は抱き上げず、板やキャリーに誘導する。尿漏れや後ろ足の異常は即受診する基準を決める。

Q29浴槽に落ちて水に浸かった事故

冬の夜、2歳・体重7kgのフレンチロップが浴室のドアの隙間から入り込み、残り湯のある浴槽に落ちた。バシャバシャという音で気づいて引き上げたが、全身びしょ濡れで、湯は残り湯のためぬるい。本人は震えて耳が冷たく、呼吸が速い。口から水は出ていないが、鼻を鳴らしている。浴室は暖房がなく室温は10℃程度である。

引き上げた直後に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. タオルで水気をよく拭き取り、暖かい部屋でドライヤーの温風を離して当てながら乾かし、受診する
  2. そのまま毛布で包んでケージに戻し、自然に乾くのを待つ
  3. 体を温めるため熱いシャワーをかけてから拭く
  4. 逆さにして水を吐かせ、背中を強く叩く

正解A.タオルで水気をよく拭き取り、暖かい部屋でドライヤーの温風を離して当てながら乾かし、受診する

解説大型ウサギは毛量が多く、濡れると乾くまで長時間かかり体温が急激に下がる。冬の浴室で濡れたままだと低体温が命に関わるため、まずタオルで水気をできる限り拭き取り、暖かい部屋でドライヤーの温風を離して当てながら完全に乾かす。鼻を鳴らしているのは水を吸い込んだ可能性があり、誤嚥性肺炎を起こすことがあるので乾かした後に受診し、その後も数日は呼吸を観察する。毛布で包んでも濡れたままでは体温は戻らない。熱いシャワーは体温の急変とさらなる濡れを招く。逆さにして叩くのは背骨骨折の危険があり、ウサギでは行わない。

課題浴室のドアが閉まっておらず、残り湯を張ったままだった。大型種は体が重く浴槽の縁を越えると自力で出られないことへの認識がなかった。寒い季節に濡れた場合の低体温の危険も知らなかった。

改善案浴室・洗面所・キッチンは部屋んぽ範囲から完全に遮断し、ドアを閉める習慣を徹底する。浴槽の残り湯は抜くか蓋をする。濡れた時用の大判タオルとドライヤーを用意し、乾かし方を家族で確認しておく。

Q30同居のモルモットを踏んでしまった事故

日曜の午後、3歳・体重8kgのフレミッシュジャイアントと生後6か月のモルモットを同じサークルで遊ばせていた。ウサギが驚いて跳ねた拍子にモルモットの上に着地し、モルモットが悲鳴を上げた。モルモットは横になったまま呼吸が速く、口から少し血が出ている。ウサギは何事もなかったように牧草を食べている。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. ウサギが元気なので問題なく、モルモットは落ち着くまで様子を見る
  2. モルモットの体を触って骨折がないか確認し、折れていなければ元のサークルに戻す
  3. 二匹を仲良くさせるため、そのまま一緒に遊ばせて慣らす
  4. モルモットを動かさず小さな箱に平らに乗せて保温し、即受診する。以後は完全に別飼育にする

正解D.モルモットを動かさず小さな箱に平らに乗せて保温し、即受診する。以後は完全に別飼育にする

解説8kgの大型ウサギが数百グラムのモルモットの上に着地すれば、肋骨や内臓の損傷、肺の出血を起こす。口からの出血と速い呼吸は胸部の損傷のサインで、モルモットを動かさず小さな箱に平らに乗せて保温し、即受診する。ウサギとモルモットは食事内容も病気の感受性も異なり、ウサギが保菌する細菌がモルモットに肺炎を起こすこともあるため、体重差に関係なく同居は不適切である。大型種との同居は踏み潰し事故の危険がさらに大きい。モルモットの体を触って確認するのは損傷を広げ、元に戻すのは事故の再発を招く。

課題体重差が10倍以上ある動物を同じ空間で遊ばせていた。大型種は温厚でも、驚いて跳ねた時の着地の衝撃が小動物には致命的であることへの認識がなかった。異種同居の感染リスクも考慮していなかった。

改善案大型ウサギは他の小動物とケージも部屋んぽ時間も完全に分ける。異種を同居させない原則を守り、特に小型ウサギやモルモットとの接触は避ける。それぞれの動物の救急病院を調べ、小動物用の搬送箱も別に用意する。

Q31台所に落ちた玉ねぎを食べていた中毒・誤飲

夕食の準備中、2歳・体重7kgのフレンチロップが台所に入り込み、床に落ちた玉ねぎのスライスを食べているのを見つけた。どれだけ食べたか分からないが、半分ほどの玉ねぎが刻まれた皿が床に落ちていて、ほとんど残っていない。本人は今のところ元気に見え、牧草も食べている。時刻は夜7時である。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 今すぐ動物病院に連絡し、食べた量と時刻を伝えて指示を受け、受診する
  2. 元気で牧草も食べているので、翌朝の便と尿の色を見てから判断する
  3. 塩水を飲ませて吐かせ、残りの玉ねぎを吐き出させる
  4. 牛乳を飲ませて毒を薄め、様子を見る

正解A.今すぐ動物病院に連絡し、食べた量と時刻を伝えて指示を受け、受診する

解説ネギ類に含まれる成分は赤血球を壊し、ウサギでも溶血性貧血を起こす。症状は数日遅れて現れ、貧血・血尿・ぐったりが出てからでは重症である。食べた量が分からなくても今すぐ動物病院に連絡し、量と時刻を伝えて指示を受け、受診して経過観察と血液検査を受ける。元気に見えても中毒の初期は無症状で、翌朝まで待つと治療開始が遅れる。ウサギは胃の構造上、吐くことができないため、塩水で吐かせようとするのは無意味なうえ塩分中毒を起こす。牛乳は乳糖で消化不良を起こし、毒を薄める効果もない。

課題調理中に台所へウサギが入れる状態だった。大型種は体が大きく、床だけでなく低いテーブルにも届くことへの認識がなかった。ウサギが吐けない動物だという基本知識も不足していた。

改善案台所は柵で区切り、部屋んぽ中は調理をしないか、ウサギをケージに戻す。ネギ類・アボカド・チョコレートなど危険な食材のリストを冷蔵庫に貼る。中毒時は吐かせず即連絡する手順と、夜間対応の病院番号を準備する。

Q32カーペットをかじり繊維を食べている中毒・誤飲

換毛期の春、3歳・体重8kgのフレミッシュジャイアントの部屋んぽ範囲にある毛足の長いカーペットの角がほつれ、繊維が大量にちぎれている。本人の口元に繊維がついており、便には毛と繊維が混じって数珠つなぎになっている。ここ2日ほど便が小さくなり、牧草を食べる量も減ってきた。お腹を触るとやや張っている。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. 繊維を出すため、パイナップルジュースを大量に飲ませて様子を見る
  2. 便に繊維が出ているので排出できていると判断し、カーペットだけ片づける
  3. お腹を強く揉んで繊維の塊を動かし、便が出るのを待つ
  4. カーペットを撤去し、便の写真と繊維を持って当日中に受診する。食べなくなれば即受診

正解D.カーペットを撤去し、便の写真と繊維を持って当日中に受診する。食べなくなれば即受診

解説大型ウサギは換毛期に大量の毛を飲み込み、さらにカーペット繊維が加わると胃の中で塊になり、うっ滞や腸閉塞を起こす。便が小さくなり食欲が落ち、お腹が張っている状態はすでにうっ滞が始まっており、当日中に受診してレントゲンで閉塞の有無を確認し、治療を始める。全く食べなくなれば即受診に切り替える。パイナップルジュースで毛球が溶けるという根拠はなく、糖分で腸内環境を乱す。便に繊維が出ていても胃に残っている塊は分からない。強いマッサージは閉塞があると腸を傷つける危険がある。

課題換毛期に毛足の長いカーペットを部屋んぽ範囲に置いていた。大型種は換毛量も多く、ブラッシングの頻度が不足していた。便の変化が出た時点で2日放置し、受診が遅れた。

改善案部屋んぽ範囲の布製品は毛足の短いものにし、ほつれた布は撤去する。換毛期は毎日ブラッシングして抜け毛を取り除く。便の大きさと数を毎日確認し、小さくなった日に受診する基準を持つ。牧草を常に大量に置き繊維の排出を促す。

Q33観葉植物の葉を食べていた中毒・誤飲

休日の朝、1歳・体重6kgのフレンチロップが、床置きの鉢植えのポトスの葉を数枚かじって食べているのを発見した。葉の縁が噛み切られ、口の周りが濡れている。発見から30分後、本人はよだれを垂らし、口を気にして前足でこすり、顔を床にこすりつけている。牧草に口をつけようとしない。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 牧草を食べないのは口が痛いだけなので、痛みが引くまで待つ
  2. よだれは口内炎と考え、人用の口内用薬を塗って様子を見る
  3. 口を水で軽く拭い、食べた植物の名前と量を控えて、即受診する
  4. 吐かせるために塩を口に入れ、残った葉を出させる

正解C.口を水で軽く拭い、食べた植物の名前と量を控えて、即受診する

解説ポトスは口や喉の粘膜を強く刺激する植物で、ウサギが食べるとよだれ、口の痛み、喉の腫れによる呼吸困難を起こす。発見後30分で強いよだれと口の違和感が出ている状態は、粘膜の刺激が進んでおり、口を水で軽く拭って残った葉を取り除き、植物の名前と食べた量を控えて即受診する。食べないまま時間が経てばうっ滞も併発する。口の痛みが引くまで待つのは喉の腫れで窒息する危険を見逃す。人用の口内用薬はウサギに有害な成分を含む。ウサギは吐けないため塩を口に入れても意味がなく、塩分中毒と刺激の悪化を招く。

課題大型種が届く床置きの位置に観葉植物を置いていた。体が大きい分、低い台やサイドテーブルの上の植物にも届くことへの認識がなく、家の中の植物が有毒かどうかも確認していなかった。

改善案部屋んぽ範囲から観葉植物をすべて撤去するか、吊り鉢など絶対に届かない高さに移す。家にある植物の毒性を事前に調べる。中毒の可能性がある時は植物の写真と残りを持って受診し、吐かせない原則を家族で共有する。

Q34板チョコを一枚分食べてしまった中毒・誤飲

夜10時、テーブルに置いていた板チョコの包みが床に落ち、2歳・体重7kgのフレミッシュジャイアントが中身をほぼ一枚食べたことに気づいた。発見時は元気だったが、1時間後に落ち着きなく走り回り、心臓の鼓動が外から見えるほど速く、呼吸も荒い。体は7kgと大きいので大丈夫かもしれないと家族が言っている。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. 体が大きいので影響は少ないと判断し、朝まで様子を見る
  2. 牧草を大量に食べさせて薄め、興奮が収まるまで見守る
  3. 体を冷やして心拍を落ち着かせ、翌日受診する
  4. すでに中毒症状が出ているため、包装を持って夜間救急へ即受診する

正解D.すでに中毒症状が出ているため、包装を持って夜間救急へ即受診する

解説チョコレートの成分はウサギで興奮、頻脈、不整脈、けいれんを起こし、体重7kgの大型種でも板チョコ一枚は危険な量である。1時間後に落ち着きがなく心拍と呼吸が速いのはすでに中毒症状が出ている状態で、包装を持って夜間救急へ即受診し、心電図の監視と対症治療を受ける。大型種に多い心疾患が隠れていればさらに危険が増す。体が大きいから安全という判断は根拠がない。牧草では毒は薄まらず、興奮状態で食べることもできない。冷やしても心拍は下がらず、翌日まで待つと不整脈やけいれんで急変する危険がある。

課題ウサギが届くテーブルにチョコレートを置いていた。大型種は後ろ足で立つとテーブルの上に届くことへの認識がなく、体が大きければ中毒に強いという誤った思い込みもあった。

改善案食品はすべて蓋つき容器や戸棚に入れ、テーブルに放置しない。部屋んぽ範囲から食卓を外す。中毒は体の大きさに関係なく危険だと家族で共有し、包装を持って即受診する手順と夜間救急の番号を準備する。

Q35ビニール袋をかじって飲み込んだ中毒・誤飲

買い物袋を床に置いたまま離れた隙に、3歳・体重8kgのフレンチロップが袋の持ち手部分をかじり、10cmほどの帯状のビニールがなくなっていた。発見から数時間後、本人は牧草を食べず、便が全く出ていない。お腹を触ると張って硬く、時々歯ぎしりをする。夜11時で、かかりつけは閉まっている。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. ビニールが便と一緒に出るのを待つため、翌朝まで様子を見る
  2. お腹を強く揉んでビニールを押し出し、便が出るか確認する
  3. 食べた物の種類と量を伝えて夜間救急へ即受診し、閉塞の有無をレントゲンで確認する
  4. 油を飲ませて滑りを良くし、翌日かかりつけを受診する

正解C.食べた物の種類と量を伝えて夜間救急へ即受診し、閉塞の有無をレントゲンで確認する

解説ビニールなど消化されない異物は腸に詰まり、完全閉塞を起こすと数時間で腸が壊死して命に関わる。食べない・便が出ない・お腹が硬く張る・歯ぎしりは閉塞の典型的なサインで、夜間救急へ即受診し、レントゲンと超音波で閉塞の有無を確認する。閉塞があれば大型種でも緊急手術が必要になる。翌朝まで待つとその間に腸が壊死する。お腹を強く揉むと詰まった腸が破れる危険がある。油を飲ませても異物は動かず、誤嚥の危険があり、かかりつけが開くまでの時間が致命的になる。

課題買い物袋を床に放置し、大型種の行動範囲内にかじれる物があった。異物誤飲の初期サインである食欲低下と便の停止を数時間放置し、夜間救急の受診を迷った。

改善案買い物袋・ビニール・ゴムなどは部屋に入れた直後に片づける。部屋んぽ範囲を囲いで区切り、かじれる物を置かない。食べない・便が出ない・お腹が硬いは即受診と決め、夜間救急の場所と大型種を運べる車を準備しておく。

Q36エアコンが止まり部屋が蒸し暑い環境・災害

真夏の夕方、外出から帰ると、エアコンが停止していて室温が32℃を超えていた。4歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントはケージの床に体を伸ばして横たわり、耳が真っ赤で熱く、口を開けて速く浅い呼吸をしている。よだれで顎が濡れ、呼んでも反応が鈍い。水皿は空になっている。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 氷水に体を浸けて一気に冷やしてから病院に向かう
  2. 水を無理に口に流し込み、水分を補給してから休ませる
  3. 部屋を冷やして横で見守り、翌朝食べなければ受診する
  4. 涼しい部屋に移し、耳と体を濡れタオルで拭きながら風を当て、夜間救急へ即連絡する

正解D.涼しい部屋に移し、耳と体を濡れタオルで拭きながら風を当て、夜間救急へ即連絡する

解説大型ウサギは体に熱がこもりやすく、32℃の室内では重度の熱中症になる。耳が赤く熱い、口を開けて呼吸、反応が鈍いのは命に関わる段階で、涼しい部屋に移し、耳と体を濡れタオルで拭いて風を当てて体温を徐々に下げながら、夜間救急へ即連絡して受診する。氷水に浸けると血管が収縮して熱が逃げず、急激な体温変化でショックを起こす。意識が鈍い状態で水を流し込むと誤嚥する。熱中症は数時間後に臓器障害やけいれんが現れるため、見た目が落ち着いても受診が必要である。

課題エアコンの停止を検知する手段がなく、不在中の温度管理を一台のエアコンだけに頼っていた。大型種は25℃以上で熱中症の危険があるのに、水も1か所で空になっていた。

改善案外出時はスマートフォンで確認できる温度計を設置し、異常を通知させる。水皿を2か所以上に置き、凍らせたペットボトルやアルミ板を常備する。エアコンの故障に備えて予備の冷却手段を用意し、夏は帰宅時間を短くする。

Q37猛暑日の停電が3時間続いている環境・災害

8月の昼、落雷で停電し復旧の見通しが立たない。室温は上がり続けて29℃になった。3歳・体重8kgのフレンチロップはケージの隅で体を伸ばし、呼吸が少し速いが、呼びかけには反応して牧草を少し食べる。耳は温かいが熱くはない。冷凍庫には保冷剤が数個あり、車はエアコンが使える状態だ。

この時点で取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 凍らせた保冷剤をタオルで包んでケージに置き、濡れタオルで耳を拭き、改善しなければ車のエアコンで冷やしながら避難先を探す
  2. 保冷剤を直接体に当てて体温を急いで下げ、復旧を待つ
  3. 牧草を食べているので問題なく、停電が復旧するまで何もしない
  4. 窓を全開にして外気を入れ、ケージを日の当たるベランダに出す

正解A.凍らせた保冷剤をタオルで包んでケージに置き、濡れタオルで耳を拭き、改善しなければ車のエアコンで冷やしながら避難先を探す

解説大型ウサギは25℃を超えると熱中症の危険が高まり、29℃で呼吸が速くなっているのは初期サインである。まずタオルで包んだ保冷剤を体の近くに置き、アルミ板など冷たい面を用意し、耳を濡れタオルで拭いて放熱を助ける。改善しなければ、エアコンの使える車に大型キャリーで移し、冷房のある親族宅や動物病院など避難先を探す。保冷剤を直接当てると凍傷と急激な体温変化を起こす。食べているから安全ではなく、室温は上がり続ける。猛暑日の外気は室内より熱く、ベランダの直射日光は数十分で致命的になる。

課題夏の停電への備えがなく、保冷剤の数も不足していた。大型種を移動させる車や避難先を事前に決めておらず、判断に時間がかかった。熱中症の初期サインと対処法の知識も不足していた。

改善案夏は保冷剤と凍らせたペットボトルを常に複数用意し、アルミ板を常備する。停電時の避難先と移動手段を家族で決め、大型キャリーを車にすぐ積める場所に置く。耳の温度と呼吸数の観察を習慣にする。

Q38大地震が起き避難を迫られている環境・災害

夜、震度6の地震が起きた。家具が倒れたが、5歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントは無事でケージの隅で固まっている。自治体から避難指示が出て、近くの避難所へ行くよう言われた。大型犬用の硬いキャリーはあるが、牧草は数日分しかなく、避難所がペットを受け入れるかは分からない。余震が続き、本人は鼻息が荒く震えている。

この状況での対応として最も適切なものはどれか

  1. ウサギは置いていき、落ち着いてから戻って様子を見る
  2. 抱きかかえたまま急いで避難所へ走る
  3. ケージごと玄関に出し、自分だけ避難して翌日戻る
  4. キャリーにタオルと牧草を入れて自分から入るよう誘導し、牧草・水・便の記録を持って同行避難し、避難所で飼育場所を確認する

正解D.キャリーにタオルと牧草を入れて自分から入るよう誘導し、牧草・水・便の記録を持って同行避難し、避難所で飼育場所を確認する

解説災害時はペットとの同行避難が原則で、大型ウサギは体格があり置き去りにされやすいが、家に残せば余震による落下物や暑さ寒さ、牧草不足で命に関わる。キャリーにタオルと牧草を入れ、抱かずに自分から入るよう誘導し、牧草・水・慢性疾患の薬・便の記録を持って避難する。避難所では飼育場所を確認し、受け入れがなければ車中や親族宅など代替先を探す。抱きかかえて走ると恐怖で暴れて背骨を折り、落下の危険もある。玄関に置いて自分だけ避難するのは、余震や暑さでの死亡、逸走の危険がある。

課題避難所のペット受け入れ状況や代替先を事前に調べておらず、牧草の備蓄も数日分しかなかった。地震の恐怖で暴れる大型種をキャリーに誘導する訓練もしていなかった。

改善案牧草とペレットは2週間分以上を常備し、避難用袋にタオル・水・便の記録・慢性疾患の薬をまとめる。普段からキャリーを部屋に置いて自分から入る習慣をつける。自治体のペット同行避難の方針と、大型ケージを置ける親族宅などの避難先を調べておく。

Q39梅雨で足裏が湿り皮膚が赤い環境・災害

梅雨の6月、湿度が80%を超える日が続き、4歳・体重8.5kgのフレンチロップのケージのマットがいつも湿っている。足裏のかかとは毛が薄くなり、皮膚が赤く柔らかくふやけている。お尻の毛も湿って臭う。牧草も湿気を吸って柔らかくなり、食べる量が減った。室温は24℃で、エアコンは使っていない。

この環境への対応として最も適切なものはどれか

  1. 除湿機かエアコンの除湿で湿度を60%以下に保ち、マットを1日2回交換し、牧草は密閉保存して足裏を受診する
  2. 湿気は季節のものなので、マットを厚くして梅雨明けまで待つ
  3. 足裏を乾かすためドライヤーの温風を毎日当て、マットは週1回交換する
  4. 湿った牧草はカビの心配がないので、食べなければ水で濡らして柔らかくする

正解A.除湿機かエアコンの除湿で湿度を60%以下に保ち、マットを1日2回交換し、牧草は密閉保存して足裏を受診する

解説大型ウサギは体重が重く足裏の負担が大きいため、高湿度で皮膚がふやけるとソアホックが急速に進行する。除湿機やエアコンの除湿で湿度を40〜60%に保ち、マットは1日2回確認して湿ったら交換し、足裏の赤みは受診して初期のうちに処置する。湿った牧草はカビが生えやすく、食べると腸の不調やうっ滞を招くため、密閉容器で乾燥保存し、湿ったものは捨てる。マットを厚くしても湿気は溜まる。ドライヤーの温風は皮膚を乾燥させすぎて傷め、週1回の交換では不衛生である。カビの危険を無視して牧草を濡らすのは最も危険である。

課題湿度が大型種の足裏と皮膚に与える影響を理解せず、梅雨の環境管理を怠っていた。マットの交換頻度が低く、牧草の保存方法も不適切で、食欲低下の原因を作っていた。

改善案温湿度計を設置し、湿度60%を超えたら除湿機を使う。予備のマットを複数用意し、1日2回交換する。牧草は乾燥剤入りの密閉容器に小分けして保存する。梅雨と夏は週2回足裏とお尻を確認する。

Q40大雪で停電し室温が下がり続ける環境・災害

1月の夜、大雪で停電し暖房が止まった。室温は8℃まで下がり、6歳・体重9kgで関節炎のあるフレミッシュジャイアントはケージの隅で体を丸めて動かない。耳が冷たく、触ると震えている。牧草は食べているが量は少ない。使い捨てカイロと毛布、段ボールがある。復旧は朝になる見込みだ。

この状況での対応として最も適切なものはどれか

  1. 毛布で包んで抱きしめ、人の体温で一晩温め続ける
  2. カイロを直接体に貼り、一晩中温め続ける
  3. ケージを段ボールと毛布で囲い、タオルで包んだカイロを体に触れない位置に置き、牧草を多めにして朝に食べ方を確認する
  4. 大型種は寒さに強いので、何もせず復旧を待つ

正解C.ケージを段ボールと毛布で囲い、タオルで包んだカイロを体に触れない位置に置き、牧草を多めにして朝に食べ方を確認する

解説大型ウサギは寒さに比較的強いが、高齢で関節炎があり動けない個体は体温を保ちにくく、8℃は低体温と関節痛の悪化を招く。ケージを段ボールと毛布で囲って保温し、タオルで包んだカイロを体に触れない位置に置き、牧草を多めにして食べることで熱を作らせる。朝に食べ方と便を確認し、食べなければ受診する。カイロを直接貼ると低温火傷を起こし、動けない個体はさらに危険である。一晩抱きしめるのはストレスと、寝ている間の落下や圧迫の危険がある。何もしないのは、高齢で痛みのある個体では低体温が命に関わる。

課題冬の停電時の保温手段を準備しておらず、高齢で関節炎のある個体が寒さに弱いことへの備えが不足していた。カイロの安全な使い方も知らず、低温火傷の危険があった。

改善案冬は停電に備え、段ボール・毛布・カイロ・湯たんぽを常備し、体に触れない設置方法を確認しておく。ケージの下に断熱マットを敷き、床の冷えを防ぐ。関節炎の治療を続け、寒い季節は痛みの悪化に注意して食欲と動きを毎日観察する。

Q41背中のフケがひどく、自分の腕に発疹感染症・衛生

5歳・体重9kgのフレンチロップの背中とお尻に白いフケが大量に出て、毛が束になって抜ける。本人は体をひねれないため背中をかけず、お尻をなめられない。世話をしている自分の腕と首に、赤くかゆい小さな発疹が出てきた。フケをよく見ると、動いているように見える点がある。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. 乾燥によるフケなので、保湿スプレーを背中にかけて様子を見る
  2. 人の発疹は別の原因なので、ウサギのフケだけ毎日ブラシで落とす
  3. ウサギツメダニの疑いがあるため、手袋で世話し、ウサギを受診させ、自分は皮膚科を受診する
  4. 市販の犬猫用ノミ取り薬を背中にかけて駆除する

正解C.ウサギツメダニの疑いがあるため、手袋で世話し、ウサギを受診させ、自分は皮膚科を受診する

解説大量のフケと動く点、自分の皮膚の発疹は、ウサギツメダニの典型的な症状である。大型ウサギは体をひねれず背中やお尻の毛づくろいができないためダニが増えやすく、垂れ耳の長毛種ではさらに目立つ。ウサギを受診させて検査と駆虫を受け、ケージと寝具を熱湯消毒する。人にも一時的に寄生して発疹を起こすため、手袋で世話し、自分は皮膚科を受診する。保湿スプレーでは駆除できない。ブラシで落とすだけではダニは残り、人への感染も続く。犬猫用のノミ取り薬にはウサギに致死的な成分を含む製品があり、自己判断での使用は危険である。

課題大型種が自分で毛づくろいできない部位にダニが増えやすいことを知らず、ブラッシングの頻度が不足していた。フケと脱毛を乾燥と誤解し、人の発疹をウサギと結びつけるのが遅れた。

改善案週2〜3回、背中とお尻を中心にブラッシングし、フケと脱毛を確認する。異常があれば自己判断で薬を使わず受診する。多頭飼育なら発症個体を隔離し、全頭を検査する。世話の後の手洗いを習慣にする。

Q42顔の毛が円形に抜け、子どもの腕に輪状の赤み感染症・衛生

1歳・体重6kgのフレミッシュジャイアントの鼻の周りと耳の付け根の毛が円形に抜け、皮膚がカサカサして赤い。迎えてから2か月で、最近は子どもが毎日顔を近づけて撫でている。その子どもの腕に、縁が赤く輪になった発疹が出てかゆがっている。ウサギ自身はかゆがる様子はなく食欲も普通だ。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 円形脱毛はストレスが原因なので、環境を静かにして様子を見る
  2. かゆがらないので病気ではなく、毛が生えるまで待つ
  3. 脱毛部に人用の水虫薬を塗って治す
  4. 皮膚糸状菌症の疑いがあるため、子どもとの接触を止めてウサギを受診させ、子どもは皮膚科へ。ケージと布製品を消毒する

正解D.皮膚糸状菌症の疑いがあるため、子どもとの接触を止めてウサギを受診させ、子どもは皮膚科へ。ケージと布製品を消毒する

解説円形の脱毛と皮膚のカサつき、接触した人の輪状の発疹は、皮膚糸状菌症(カビによる皮膚病)の典型的な組み合わせである。迎えて間もない若い個体はストレスで免疫が落ち発症しやすく、人にうつる。子どもとの接触を止め、ウサギを受診させて検査と治療を受け、子どもは皮膚科を受診する。胞子は環境に長く残るため、ケージ・布製品・ブラシを消毒し、世話は手袋で行う。ストレスと決めつけたり、生えるのを待つと人への感染が広がる。人用の水虫薬はウサギがなめて中毒を起こす危険がある。

課題迎えたばかりの個体の皮膚を確認する習慣がなく、子どもが顔を近づけて接触することのリスクを考えていなかった。人の発疹とウサギの脱毛を関連づけるのが遅れた。

改善案新しく迎えた個体は2週間ほど健康状態を観察し、早めに健診を受ける。子どもには顔を近づけない・触った後は手を洗うことを教える。皮膚の脱毛や赤みは自己判断で薬を使わず、受診して原因を確定する。ブラシや布製品は定期的に消毒する。

Q43噛まれた手が翌日腫れて熱を持っている感染症・衛生

爪切り中に3歳・体重8kgのフレンチロップに人差し指を深く噛まれ、軽く洗って絆創膏を貼っておいた。翌日、指が倍近くに腫れて赤く熱を持ち、ズキズキ痛む。手の甲まで赤みが広がり、腕の付け根が重い感じがする。微熱もある。ウサギ自身は元気で、鼻水やくしゃみはない。

この状況への対応として最も適切なものはどれか

  1. パスツレラ感染の疑いがあるため、今日中に医療機関を受診し、ウサギに噛まれたことを伝える
  2. 腫れは自然に引くので、絆創膏を替えて数日様子を見る
  3. 市販の抗菌軟膏を塗り、腫れが引かなければ来週受診する
  4. ウサギが病気を持っているので、ウサギを隔離して消毒薬で体を拭く

正解A.パスツレラ感染の疑いがあるため、今日中に医療機関を受診し、ウサギに噛まれたことを伝える

解説大型ウサギの噛み傷は歯が深く達し、口の中に常在するパスツレラ菌が傷の奥に入りやすい。翌日に腫れ・熱感・赤みの広がり・微熱が出ているのは感染が進行しているサインで、放置すると骨や関節の感染、リンパ管炎に進む。今日中に医療機関を受診し、ウサギに噛まれたと伝えて適切な治療を受ける。赤みが広がる段階で様子を見たり、市販の軟膏で済ませるのは危険である。パスツレラはウサギの口に普通にいる菌で、ウサギ自身は健康であり、隔離や消毒薬で拭く必要はなく、むしろ消毒薬は皮膚を傷める。

課題噛まれた直後の洗浄が不十分で、絆創膏で密閉したため菌が傷の奥に留まった。大型種の噛み傷の深さと、パスツレラ感染の危険を知らず、腫れてからの受診も迷った。

改善案噛まれたら流水と石けんで5分以上洗い、密閉せず清潔なガーゼで覆う。深い傷は当日中に受診する。爪切りは2人で行うか動物病院に依頼し、噛まれる状況を減らす。腫れ・熱・赤みの広がりは即受診する基準を家族で共有する。

Q44庭に出した後、耳にダニがついていた感染症・衛生

春、庭の草地で1時間ほど遊ばせた4歳・体重8kgのフレミッシュジャイアントの耳の内側に、小豆大に膨らんだダニが食いついているのを翌日見つけた。周囲には野ウサギの糞のようなものが落ちていた。本人は元気だが、ダニを取ろうと指でつまんだところ、体の一部がちぎれて皮膚に残った。自分の指にもダニの体液がついた。

この後の対応として最も適切なものはどれか

  1. 残った部分は自然に取れるので、そのまま様子を見る
  2. 残った部分をピンセットで強く掘り出し、自分の指は水で流すだけでよい
  3. 残った部分を触らず、自分の手を石けんで洗い、ダニを密閉して当日中に受診する。今後屋外には出さない
  4. ダニのいた耳をアルコールで拭き、犬用のダニ駆除薬をかける

正解C.残った部分を触らず、自分の手を石けんで洗い、ダニを密閉して当日中に受診する。今後屋外には出さない

解説野外のマダニは野兎病などの感染症を媒介し、野ウサギの糞がある草地は特に危険である。ダニを素手でつぶしたりちぎると、体液から人にも感染する可能性があるため、まず手を石けんでよく洗い、ちぎれたダニは密閉して受診時に持参する。皮膚に残った部分は無理に取らず、当日中に受診して除去と感染症の相談をする。自分に発熱や腫れが出れば医療機関へ。残った部分を放置すると感染や化膿を起こし、強く掘り出すと皮膚を傷める。犬用のダニ駆除薬にはウサギに有害なものがあり自己判断で使わない。大型種は暑さと野生動物の危険から屋外散歩を避ける。

課題野ウサギの痕跡がある草地に大型種を出した。マダニの危険と野兎病の存在を知らず、素手でダニを取ろうとして自分の感染リスクも高めた。

改善案屋外散歩は行わず、運動は室内の部屋んぽで確保する。屋外に出した時は帰宅後に耳・顔・足の付け根を確認する。ダニを見つけたら素手で触らず受診し、自分に発熱などが出たら医療機関に動物との接触を伝える。

Q45ぐったりして動かない、呼吸と心拍を確かめたい救命救急

夏の夜、5歳・体重9kgのフレンチロップがケージの中で横に倒れ、呼んでも耳が動かない。体を軽く触っても反応がなく、口が少し開いている。家族が「死んでいるのでは」と言うが、確証はない。室温は27℃で、昼間からエアコンの設定が弱かった。夜間救急までは車で30分かかる。

最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか

  1. 胸の上下を10秒数えて呼吸を確認し、胸の左側に手を当てて心拍を確かめ、あれば直ちに保冷と搬送、なければ心肺蘇生を始める
  2. まず病院に電話して指示を待ち、電話がつながるまで何もしない
  3. 抱き上げて強く揺すり、名前を大声で呼んで反応を待つ
  4. 鏡を口元に当てて曇りを確認し、曇らなければ諦める

正解A.胸の上下を10秒数えて呼吸を確認し、胸の左側に手を当てて心拍を確かめ、あれば直ちに保冷と搬送、なければ心肺蘇生を始める

解説反応がないウサギは、まず胸の上下を10秒数えて呼吸の有無を確認し、胸の左側、前足の付け根の後ろに手を当てて心拍を確かめる。大型種は胸が厚いため手のひら全体で感じ取る。正常は呼吸が1分に30〜60回、心拍は130〜250回程度である。呼吸と心拍があれば、熱中症の可能性が高いため耳と体を濡れタオルで冷やしながら直ちに搬送する。なければ心肺蘇生を始めつつ病院に連絡する。電話がつながるまで何もしないのは救命の時間を失う。抱き上げて揺するのは、意識があれば暴れて背骨を折り、なくても損傷を広げる。鏡の曇りは不確実で、大型種の呼吸は胸の動きで十分確認できる。

課題夏の夜に室温27℃で大型種を過ごさせており、熱中症の危険が高い環境だった。倒れた時に呼吸と心拍を確認する手順を知らず、家族が慌てて判断できなかった。

改善案普段から胸の上下で呼吸数を、胸に手を当てて心拍を数える練習をし、正常値を記録しておく。夏はエアコンを22℃以下に固定する。夜間救急の連絡先と大型種を運ぶ車の手配を家族で共有し、搬送用キャリーを準備する。

Q46心拍が止まり呼吸もない、蘇生を試みる救命救急

深夜、心疾患の治療中だった6歳・体重9.5kgのフレミッシュジャイアントが突然倒れ、呼吸が止まった。胸に手を当てても心拍を感じない。口の中を見ると牧草が奥に詰まっている。病院には電話がつながり、蘇生しながら向かうよう言われた。家族2人が搬送の準備をしている。

この状況で行う心肺蘇生として最も適切なものはどれか

  1. 仰向けにして胸の中央を片手の指2本で速く押す
  2. 心臓マッサージは危険なので行わず、鼻に息を吹き込むだけ繰り返す
  3. 背中を強く叩いて牧草を出し、立たせて呼吸を促す
  4. 横向きに寝かせ口の牧草を指で取り、胸の最も厚い部分を両手で挟み1分100〜120回圧迫、30回ごとに鼻から2回息を吹き込みながら搬送する

正解D.横向きに寝かせ口の牧草を指で取り、胸の最も厚い部分を両手で挟み1分100〜120回圧迫、30回ごとに鼻から2回息を吹き込みながら搬送する

解説大型ウサギの心肺蘇生は、横向きに寝かせて口の中の異物を指で取り除き、気道を確保することから始める。胸が厚いため小型種のような指での圧迫では不十分で、胸の最も厚い部分を両手で挟むように1分100〜120回のリズムで、胸の厚みの3分の1まで圧迫する。背骨をひねらないよう体をまっすぐに保ち、30回圧迫ごとに鼻を口で覆って軽く2回息を吹き込む。家族が搬送準備をし、圧迫を続けながら病院へ向かう。仰向けにして指2本では大型種の心臓に届かない。息を吹き込むだけでは血液が循環しない。背中を叩いたり立たせるのは、背骨を傷め気道を確保できない。

課題心疾患と診断されていたのに、急変時の心肺蘇生の方法を確認しておらず、大型種に合った圧迫の仕方を知らなかった。搬送の役割分担も決まっておらず、初動が遅れる危険があった。

改善案心疾患など急変しやすい病気がある場合は、かかりつけに蘇生の方法と急変時の受診手順を事前に確認する。大型種の圧迫方法を家族で練習し、搬送役と蘇生役の分担を決める。夜間救急の連絡先を電話に登録し、キャリーを常に用意する。

Q47大きな裂傷から出血が止まらない救命救急

部屋んぽ中、3歳・体重8kgのフレンチロップが倒れた棚の金属の角で脇腹を5cmほど裂き、皮膚がめくれて出血している。床に血だまりができ、本人はパニックで走り回るため血が飛び散る。家にはガーゼ、清潔なタオル、止血剤がある。夜9時で、夜間救急までは車で20分かかる。

取るべき対応として最も適切なものはどれか

  1. 走り回らないよう捕まえて床に座り、清潔なガーゼで傷を5分以上強く押さえ続け、押さえたままキャリーに入れて搬送する
  2. 傷を水道水で洗い流して汚れを落としてから、乾くまで待つ
  3. 走り回って自然に止まるのを待ち、落ち着いたら傷を消毒する
  4. 止血剤を傷全体に大量にふりかけ、押さえずに様子を見る

正解A.走り回らないよう捕まえて床に座り、清潔なガーゼで傷を5分以上強く押さえ続け、押さえたままキャリーに入れて搬送する

解説大きな裂傷は圧迫止血が最も有効で、まず走り回らないよう捕まえて床に座り、清潔なガーゼかタオルで傷を5分以上、途中でめくらず強く押さえ続ける。血が染み出したら上に重ねて押さえる。止血後も縫合が必要な大きさなので、押さえたままキャリーに入れ、大型種は2人で運んで夜間救急へ向かう。走り回ると出血が増え、血圧の低下でショックに進む。水で洗うと血が固まらず、乾くまで待つ間に出血が続く。止血剤は爪や小さな傷には有効だが、大きな裂傷では圧迫が優先で、ふりかけるだけでは止まらない。搬送中も圧迫を続け、途中で確認のためにめくらない。

課題部屋んぽ範囲に倒れる棚と金属の角があり、環境の安全確認が不十分だった。止血用品はあったが、大出血時の圧迫の手順と、パニック状態の大型種を安全に捕まえる方法を知らなかった。

改善案部屋んぽ範囲の家具は固定し、金属の角にはカバーをつける。圧迫止血の手順を家族で練習し、ガーゼ・タオル・止血剤を1か所にまとめる。搬送は2人で行い、1人が圧迫しもう1人が運転する体制を決めておく。

Q48動けない大型ウサギを病院へ運ぶ救命救急

4歳・体重9kgのフレミッシュジャイアントが後ろ足を引きずり、立ち上がれなくなった。夜間救急へ運ぶ必要があるが、家にあるのは小型のソフトキャリーと大型犬用の硬いキャリーで、車で30分かかる。冬で外気温は3℃。家族は自分と配偶者の2人で、ウサギは痛みで触ると鳴く。

搬送方法として最も適切なものはどれか

  1. ソフトキャリーに入れて膝に乗せ、揺れを吸収しながら運ぶ
  2. 毛布にくるんで腕に抱いて運び、車内で撫でて安心させる
  3. ケージごと車に積んで、そのまま運ぶ
  4. 大型犬用の硬いキャリーにタオルを敷き、2人で体を平らに保ったまま移し、暗く覆いカイロを外側に貼って車の床に固定する

正解D.大型犬用の硬いキャリーにタオルを敷き、2人で体を平らに保ったまま移し、暗く覆いカイロを外側に貼って車の床に固定する

解説後ろ足を引きずり立てない状態は背骨の損傷が疑われ、搬送中に体がひねられると麻痺が悪化する。大型種は重く1人では平らに保てないため、2人で頭側とお尻側から支えて、大型犬用の硬いキャリーにタオルを敷いて平らに移す。暗く覆って刺激を減らし、冬はカイロをキャリーの外側に貼って冷えを防ぐ。キャリーは車の床に固定して揺れを減らす。ソフトキャリーは底が柔らかく体が曲がり、膝の上では揺れが伝わる。毛布で抱くのは背骨を支えられず暴れると落下する。ケージごとでは広すぎて体が動き、固定もできず危険である。

課題大型種の搬送に必要な硬いキャリーはあったが、平らに移す手順と2人での役割を決めていなかった。冬の搬送時の保温方法も知らず、痛みで鳴く個体への接し方に迷っていた。

改善案大型犬用の硬いキャリーを普段から部屋に置き、自分から入る習慣をつける。2人での移し方と、タオルや板を使った平らな移動を練習する。季節ごとの保温・保冷用品をキャリーと一緒に保管し、車への固定方法も確認しておく。

Q49熱中症から回復したように見えるが受診すべきか救命救急

夏の午後、エアコンの効きが悪い部屋で3歳・体重8kgのフレンチロップが口を開けて速く呼吸し、耳が熱くなっていた。涼しい部屋に移して濡れタオルで耳を拭いたところ、30分で呼吸が落ち着き、牧草を少し食べ始めた。見た目は普通に戻ったように感じる。かかりつけは閉まっており、夜間救急は車で40分かかる。

この後の判断として最も適切なものはどれか

  1. 回復したので受診は不要とし、明日まで普通に過ごす
  2. 念のため冷やし続け、明日かかりつけが開いたら受診する
  3. 見た目が回復しても臓器障害が遅れて出るため、当日中に夜間救急へ連絡して受診する
  4. 回復したので運動不足を補うため、部屋んぽで走らせる

正解C.見た目が回復しても臓器障害が遅れて出るため、当日中に夜間救急へ連絡して受診する

解説熱中症は体温が下がって見た目が回復しても、数時間から翌日にかけて腎臓や肝臓の障害、血液の凝固異常、けいれんが現れることがある。大型ウサギは体に熱がこもりやすく、口を開けて呼吸するほどの重度の状態だった以上、当日中に夜間救急へ連絡し受診して血液検査と点滴などの評価を受ける。明日まで待つと夜間に急変する危険がある。冷やし続けるのは体温を下げすぎて逆に危険で、受診の代わりにはならない。回復直後に走らせるのは心臓と体温に負担をかけ、再発を招く。食べ始めたことは安心材料だが、受診不要の根拠にはならない。

課題エアコンの効きが悪い部屋に大型種を置き、熱中症を起こさせた。見た目の回復で受診を迷い、熱中症が遅れて臓器障害を起こすことを知らなかった。夜間救急までの距離も判断を鈍らせた。

改善案夏は室温が22℃以下に保てる部屋で飼育し、温度計で確認する。熱中症を起こしたら回復しても当日受診する基準を決める。夜間救急の場所と所要時間を事前に調べ、迷った時は電話で相談する習慣をつける。

Q50倒れて反応がなく心拍も触れない時の判断救命救急

朝、5歳・体重9kgで心疾患を治療中のフレンチロップが床に倒れて反応がない。胸の上下は10秒数えても見えず、胸に手を当てても心拍を感じない。体はまだ温かく、瞳孔は開いているか分からない。病院は開院の30分前で、電話はつながった。家族は自分1人で、車の運転はできる。

この状況での対応として最も適切なものはどれか

  1. 病院の判断を待たず、何もせずに開院まで待って連れて行く
  2. 気道確保と胸の圧迫を開始しつつ病院に状況を伝え、指示に従って蘇生を続けるか、搬送しながら続けるかを決める
  3. 蘇生は諦め、体を温めて安静にし、自然に戻るのを待つ
  4. 鼻に息を吹き込むだけを続け、胸は触らず様子を見る

正解B.気道確保と胸の圧迫を開始しつつ病院に状況を伝え、指示に従って蘇生を続けるか、搬送しながら続けるかを決める

解説呼吸も心拍も止まった直後で体が温かい状態は、蘇生で回復の可能性がある時間帯である。まず横向きに寝かせて口の中を確認し気道を確保し、胸の最も厚い部分を両手で挟んで圧迫を始め、電話で状況を伝えて指示を仰ぐ。1人の場合、蘇生と搬送を同時に行うのは難しいため、病院の指示で蘇生を続けるか、搬送しながら可能な範囲で続けるかを決める。何もせずに待つと蘇生の機会を失う。温めて待つのは意味がなく、鼻に息を吹き込むだけでは血液が循環しない。心疾患の治療中に急変した場合は、回復しても再発リスクが高く、搬送後の集中治療が必要である。

課題心疾患の治療中で急変の危険が高かったのに、1人の時の蘇生と搬送の手順を決めておらず、判断に迷う状況だった。大型種の圧迫方法の練習もしていなかった。

改善案心疾患の個体は、かかりつけに急変時の対応手順と蘇生の判断基準を事前に相談する。1人の時の手順(気道確保・圧迫・電話・搬送)を紙に書いて貼る。大型種の圧迫方法を家族全員で練習し、搬送用キャリーと車のキーを一緒に置く。

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