その他のサル類
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霊長類

その他のサル類

カニクイザル・オマキザルなど(輸入禁止・施設飼養)

最重要:咬傷は致死的Bウイルスの恐れ。即洗浄・受診

基本情報

寿命
25〜40年(施設では40年超も)
体重
マカク3〜9kg、オマキザル2〜4kg
性格
高知能で序列意識が強い。成熟後は攻撃的
飼育難易度
極高(法規制・致死的感染症・寿命)
法規制
感染症法で輸入禁止・多くは特定動物(許可制)
最重要ポイント
咬傷は致死的Bウイルスの恐れ。即洗浄・受診

生態と特徴

体の特徴
体長40〜60cm。マカクは頬袋で食物を蓄え、オマキザルは尾で物をつかむ
原産地・分布
マカクは東南アジア・南アジア、オマキザルは中南米
野生での生息環境
熱帯〜温帯の森林・マングローブ・川辺、人里近くにも
活動時間・睡眠
昼行性。日中は採食と毛づくろい、夜は樹上で群れて眠る
社会性・人との関係
数十頭の群れで厳格な序列。飼育者も序列の対象と見る

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

結核

予兆慢性の咳・体重減少・元気消失・リンパ節の腫れ。無症状で進行することも

予防導入時と年1回のツベルクリン検査。飼育者も健診。咳の個体は即隔離

細菌性赤痢・腸炎

予兆粘血便・水様下痢・嘔吐・脱水・ぐったり。急速に重症化する

予防便の処理後は必ず手洗い。器具は個体ごと。下痢便は検査に出す

糖尿病(肥満)

予兆多飲多尿・食べるのに痩せる・毛づや低下・白内障。中高齢で多い

予防果物・菓子を与えない。体重を月1回記録し、運動場を広く確保

代謝性骨疾患

予兆手足の変形・歩き方の異常・骨折しやすい・けいれん・成長不良

予防ビタミンD3入りサル用ペレットを主食に。紫外線灯か日光浴を毎日

自傷・常同行動

予兆自分の腕を噛む・毛を抜く・同じ場所を往復・体を揺らし続ける

予防単独飼育を避け、採食に時間がかかる環境エンリッチメントを毎日変える

麻疹・インフルエンザ

予兆発熱・鼻水・咳・発疹・結膜炎。人から感染し群れ全体に広がる

予防風邪症状のある人は接触禁止。マスク・手洗い徹底。飼育者の予防接種

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

血便・水様下痢

個体を隔離し便を採取。世話は手袋・マスク。脱水はすぐ進むので当日中に受診。人の下痢も医師へ

口唇や口内の水疱

Bウイルスの疑い。素手で触らず隔離し、獣医師に連絡。接触した人は医療機関で相談

咳が続く・痩せる

結核の疑い。隔離し飼育者はN95マスク着用。獣医師と保健所に相談。他の個体も検査

けいれん・意識低下

低血糖・低カルシウムの恐れ。ケージ内を暗く静かにし触らない。収まっても即受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

闘争による咬傷

予防序列が不安定な時期(性成熟・新入り)は分離。隠れ場と餌場を複数設ける

応急処置興奮が収まるまで近づかない。出血が多ければ麻酔下処置が必要。当日受診

骨折・脱臼

予防金網や止まり木の隙間をなくす。代謝性骨疾患を予防し骨を丈夫に

応急処置足を引きずる・腫れは触らず狭いキャリーで安静。鎮痛剤を自己判断で与えず受診

指・尾の挟まれ

予防扉・スライド式仕切りの開閉は個体の位置を確認。網目は指が入らない大きさ

応急処置切断・変色は清潔なガーゼで圧迫し保冷剤を当てて急送。切断部は乾燥させず持参

熱傷・感電

予防ヒーターは金網カバー、コードは配管内に。器用な手で何でも分解する前提で設置

応急処置流水で10分冷やす。感電はブレーカーを落としてから触る。皮膚が白い・黒いは即受診

動物由来感染症(人にうつる病気)

Bウイルス病

感染経路マカク類の咬傷・引っかき・唾液・体液の粘膜接触

予防人には致死的。傷は15分以上洗浄し直ちに受診。防護具を必ず着用

結核

感染経路咳の飛沫・濃厚接触(人からサルへも)

予防年1回のツベルクリン検査。飼育者も健診。咳のある人は接触禁止

細菌性赤痢

感染経路便・汚れた手指・器具・床

予防手袋と手洗い。飼育区域での飲食禁止。下痢便は消毒して処理

サルレトロウイルス

感染経路咬傷・血液・体液との接触

予防採血や処置は防護具。針刺し・咬傷は必ず医師へ報告する

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

餌

  • 霊長類用ペレットを主食とし1日2回、体重に応じた量
  • 野菜・葉物を副食に。果物は少量を週数回まで
  • 昆虫・ゆで卵など動物性たんぱくを少量。給餌は採食時間を延ばす工夫を

水

  • 給水ボトルと器の両方。ボトルは詰まりを毎日確認
  • 器は毎日洗浄・消毒。排泄で汚れた水はすぐ交換

与えてはいけないもの

  • 人の菓子・ジュース(糖尿病・肥満)
  • チョコ・アボカド・玉ねぎ・ぶどう・生の豆
  • 飼育者の食べかけ・口移し(人の病気をうつす)

おもちゃ・遊び

  • 穴あきボールや木箱に餌を隠す採食パズル
  • ロープ・丸太・ホースで立体的な移動路を作る
  • 鏡・音の出る玩具は反応を見て短時間。誤飲できない大きさ

巣・寝床・隠れ家

  • 高所に木製の寝台・箱を設ける。寒冷期は毛布
  • 視線を遮る隠れ場を頭数以上。弱い個体の逃げ場に

床材・トイレ

  • 床はコンクリートや樹脂で水洗い可能に。排水勾配を
  • おがくず・わらは誤食しない範囲で。濡れたら即交換
  • 排泄は場所を覚えない。毎日高圧洗浄と消毒

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

溶接金網かステンレス。鍵は二重で施錠確認

大きさ・広さ

特定動物基準を満たす檻。高さ2m以上、運動場付き

配置・レイアウト

  • 止まり木・棚を複数の高さに配置し立体的に
  • 給餌口・保定用スライド扉で中に入らず世話できる構造
  • 二重扉の前室を設け、脱走防止と防護具の着脱場所に

設置場所の注意

  • 直射日光と風雨を避け、日陰と日向を選べる場所
  • 通行人や犬が近づかない位置。騒音は常同行動の原因

運動・部屋んぽ・散歩

  • 屋外散歩は不可。運動場で毎日数時間の立体運動
  • 採食・探索・毛づくろいの時間を確保し退屈を防ぐ
  • 成熟個体との接触は防護具とスライド扉越しが原則

温湿度管理

適温18〜28℃。10℃以下はヒーター、32℃以上は冷却が必要

適湿度40〜70%。結露・カビを避け換気を確保

夏・冬の対策

  • 夏:日陰・ミスト・凍らせた果実入りの氷。熱中症に注意
  • 冬:毛布と寝台の防風。給水器の凍結を毎朝確認

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

基本不要。伸びすぎは麻酔下の健診時に獣医師が切る。無理な保定は咬傷の元

ブラッシング・皮膚被毛ケア

ブラシ不要。群れの毛づくろいで保たれる。脱毛・かさぶたは皮膚病や自傷の兆候

その他のケア

年1回の健診で歯石除去・ツベルクリン・便検査・血液検査をまとめて実施

外敵からの保護

  • 野生のサル・ネズミ・野鳥が感染症を持ち込む。侵入防止
  • 犬・猫との接触禁止。蚊・ダニは網戸と防虫で防ぐ
  • 人の風邪・ヘルペス・結核は最大の脅威。体調不良者は立入禁止

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

ネジ・針金・電池・ビニールを器用に分解して飲む。設備は定期点検し、嘔吐・食欲不振・便が出ないは当日受診

踏みつけ

床の個体を踏むより、作業中に背後から飛びつかれる事故が多い。檻内作業は必ず二人以上、個体を移動させてから

挟まれ

スライド扉・給餌口に指や尾を挟む。開閉は個体の位置を声出し確認。挟んだら無理に引かずゆっくり開放

落下・転落

高所からの落下はまれだが、麻酔明け・高齢・衰弱個体は落ちる。回復室は低い構造にし床にマットを敷く

逸走・脱走

鍵開けの名人。施錠は二重と目視確認。逃げたら追わず、警察・自治体に通報し捕獲は専門家に。餌で誘導し檻へ

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 引き抜く・振り払う(傷が深くなり興奮させる)
  • 叩く・大声で叱る(連続攻撃を招く)

安全な引き離しの手順

  1. 動きを止め、目をそらして低い姿勢をとる
  2. 別の人が餌か水の噴射で注意をそらす
  3. 離れたらスライド扉を閉めて隔離する
  4. 直ちに傷を15分以上、石けんと流水で洗う

引き離した後の処置

どんな小傷でもその日のうちに医師へ。マカク類ならBウイルス曝露と伝える

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • ぐったりして反応がない・けいれん
  • 口を開けて呼吸・唇や舌が紫色
  • 大量出血・骨が見える咬傷・切断
  • 血便が続き立てない・激しい嘔吐

当日中に受診

  • 食欲ゼロが1日・頬袋に餌をためたまま
  • 下痢・咳・鼻水が始まった
  • 足を引きずる・腫れ・闘争後の傷

受診時に伝えること・持ち物

種・年齢・体重・最終の健診結果・便や吐物の写真。麻酔が必要な旨と絶食時刻を伝える

意識・呼吸・心拍の確認

  • 呼びかけ・檻越しに反応を見る。素手で触らない
  • 胸の動きで呼吸を数える。正常は1分に30〜50回
  • 心拍は正常1分120〜200回。胸に手を当て確認

蘇生の手順

  1. 麻酔下か完全な意識消失時のみ実施、手袋・ゴーグル着用
  2. 横に寝かせ、胸の最も高い所を片手で1分100〜120回圧迫
  3. 口への人工呼吸は感染の危険があり行わない。アンビューがあれば使用
  4. 2分ごとに呼吸・心拍を確認し、搬送しながら続ける

止血

  • 清潔なガーゼで5分以上強く圧迫。手袋必須
  • 四肢は心臓より高く上げる。止血帯は使わない
  • 血液は感染源。付着した衣類は消毒し素手で触らない

搬送方法

  • 施錠できる保定箱か輸送ケージ。毛布で保温し暗くする
  • 事前に受入可能な獣医師に連絡。二人以上で搬送

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

その他のサル類に起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

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