小動物(哺乳類)

ハクビシン

傷病個体の保護・許可飼養(鳥獣保護管理法)

最重要:拾っても飼えない、まず都道府県へ連絡

基本情報

寿命
野生約10年、飼養下15〜20年
体重
3〜5kg(体長50〜75cm、尾40cm前後)
性格
警戒心が強く臆病、追い詰めると激しく咬む
飼育難易度
極めて高(法規制・咬傷・感染症・脱走)
法規制
鳥獣保護管理法で無許可の捕獲・飼養禁止
最重要ポイント
拾っても飼えない、まず都道府県へ連絡

生態と特徴

体の特徴
鼻筋の白線が特徴、長い尾で平衡を取り、指先の肉球で壁や電線も登る
原産地・分布
東南アジア〜中国南部原産、日本では本州・四国に定着
野生での生息環境
里山・農地・市街地の屋根裏や天井裏、樹洞や岩穴
活動時間・睡眠
夜行性、日中は屋根裏や樹洞で眠り日没後に採食
社会性・人との関係
基本単独、親子は数か月同居、屋根裏に家族群も

特徴的な行動・習性

かかりやすい病気と予兆の見方・予防

疥癬(ヒゼンダニ)

予兆激しいかゆみ、顔や四肢の脱毛、皮膚のひび割れと厚いかさぶた、やせ

予防保護時に必ず手袋、他個体と隔離、ケージ・器具は毎回消毒、獣医師の駆虫

ジステンパー

予兆目やに・鼻水、発熱、嘔吐・下痢、ふらつき・けいれん、昼間に徘徊

予防犬・フェレットと接触させない、収容前に隔離観察、施設の靴底消毒

寄生虫症

予兆下痢、便に虫や白い節、腹の膨らみ、やせ、毛づやの低下

予防収容直後に検便、糞は毎日手袋で除去し焼却か密閉廃棄、獣医師の駆虫

回帰熱・リケッチア

予兆発熱を繰り返す、元気消失、食欲不振、ダニの付着、貧血

予防収容時にマダニを除去、ケージ周囲の草刈り、飼養者も長袖で作業

栄養障害・肥満

予兆骨が曲がる、歯が折れる、活動低下、運動不足による過体重

予防果実偏重にせず動物性食材と野菜を組み合わせる、登り木で運動させる

歯周病・破折

予兆口臭、よだれ、片側で噛む、歯茎の出血、顔の腫れ、固い物を避ける

予防金網を噛ませない構造にする、硬すぎる骨を与えない、年1回口腔チェック

病気の予兆チェックリスト

毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。

病気の応急処置

激しい脱毛・かゆみ

疥癬を疑い手袋・長袖で扱い別室に隔離、触れた物を消毒、当日中に獣医師へ、人の皮膚症状も確認

けいれん・ふらつき

ジステンパー等を疑い暗く静かな箱に収容、他の動物から離す、手を入れず獣医師へ即連絡

下痢・血便

便を密閉容器に取り写真も撮る、電解質を含む水を置き保温、半日以内に受診、水を飲めなければ即受診

食欲不振が2日

体重を量り記録、好む果実を少量試す、口の中とよだれを確認、2日食べなければ受診、嘔吐があれば即受診

起こりやすい怪我と予防・応急処置

交通事故外傷

予防保護時は骨折・内出血を前提に扱う、搬送箱は暗く狭くし動かさない

応急処置段ボールに毛布を敷き厚手手袋で収容、出血部は清潔な布で圧迫、都道府県へ連絡し獣医師へ

罠・ワイヤー裂傷

予防捕獲器は許可者のみ、毎朝点検、ワイヤー類をケージ周囲に置かない

応急処置暴れさせず布で目を覆う、絡んだ部位は切らず獣医師へ、締め付け部より先の冷えに注意

金網による歯の破折

予防ケージは太い金属格子かパネル、噛む場所に木板を張る、ストレス源を減らす

応急処置出血は数分で止まることが多い、硬い餌をやめ柔らかい餌に、歯髄露出は当日受診

落下・爪の剥離

予防登り木や棚は固定しぐらつかせない、床に厚い敷材、高所に金網天井を置かない

応急処置爪の出血は清潔な布で圧迫、足を引きずれば箱で安静にし当日受診、尾の異常は骨折疑い

動物由来感染症(人にうつる病気)

SARS関連コロナ

感染経路糞尿・体液・飛沫、密な接触

予防手袋・マスク・ゴーグル着用、作業後は手洗いと着替え、口元に近づけない

疥癬(ヒゼンダニ)

感染経路直接接触、タオル・ケージの共用

予防手袋と長袖、専用の衣類、ケージは熱湯消毒、人にかゆみが出れば皮膚科

マダニ媒介感染症

感染経路個体に付いたマダニが人に移動

予防収容時に全身を点検、ダニは潰さずピンセットで除去、作業後に自分の体も確認

咬傷細菌感染症

感染経路咬傷・ひっかき傷

予防素手で触らない、咬まれたら流水で洗い当日受診、破傷風の予防接種歴を確認

飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材

餌

  • 果実(リンゴ・バナナ・柿)を主に1日1回夕方に給餌
  • 動物性(ゆで鶏肉・卵・昆虫)を全体の3割、骨なしで
  • サツマイモ・カボチャ等の野菜を加え、食べ残しは翌朝除去

水

  • 重い陶器皿か固定ボトル、毎日交換
  • 登って倒すため皿は床面に固定、夏は2か所

与えてはいけないもの

  • チョコレート・ネギ類・ブドウの大量給餌
  • 生肉・生魚・加熱していない鶏卵
  • 人の菓子・味付け食品・アルコール

おもちゃ・遊び

  • 太い登り木・ロープ・固定した棚板
  • 餌を隠せる丸太や紙箱で探索行動を促す
  • 布製トンネルや浅い水容器、壊れる物は毎日点検

巣・寝床・隠れ家

  • 出入口の狭い木箱を高所に固定、中に干し草
  • 暗く狭い寝床を2か所以上、人の視線を遮る

床材・トイレ

  • 床はコンクリートか樹脂で水洗い可能に
  • ため糞の場所に砂かペットシーツを置き毎日交換
  • 寝床に干し草やタオル、週1回全交換

飼養環境:ケージ・運動・温湿度

ケージ・ハウスの素材

太さ2mm以上の金属格子かパネル、木や樹脂は噛み破る

大きさ・広さ

最低2×2×2m、登り木を入れられる高さを確保

配置・レイアウト

  • 高所に寝箱、中段に登り木と棚、床に餌場と水
  • ため糞場所は出入口から遠い隅に設定
  • 二重扉か前室を設け、開閉時の脱走を防ぐ

設置場所の注意

  • 犬・猫・フェレットの飼育場所から離す
  • 天井・隙間は3cm以下に、金具は外側から施錠

運動・部屋んぽ・散歩

  • 散歩・屋外運動は不可、ケージ内の登り木で運動
  • 夜間に活動するため夕方以降に餌を隠して探させる
  • 日中は寝かせ、掃除は短時間で静かに

温湿度管理

適温10〜28℃、30℃超は日よけと通風

適湿度40〜70%、湿気で寝床がカビないよう換気

夏・冬の対策

  • 夏は日陰と水容器を増やし凍らせたボトルを置く
  • 冬は寝箱に干し草を増やし風を遮る、暖房器具は噛めない位置

グルーミングと外敵からの保護

爪切り

登り木で自然に削れる、伸びすぎ・割れは鎮静下で獣医師が処置

ブラッシング・皮膚被毛ケア

ブラッシングは不要、脱毛・かさぶたを離れて観察し疥癬を早期発見

その他のケア

口臭と歯の状態を餌の食べ方で観察、肛門周囲の汚れは下痢のサイン

外敵からの保護

  • 犬・猫との接触はジステンパー等の感染源、完全分離
  • 野生のハクビシンがケージに寄るため周囲に餌を残さない
  • 蚊・マダニ対策に周囲の草刈りと網戸

飼養上の注意(事故防止)

異物誤飲

ビニール・ひも・釘を噛みちぎって飲み込む、ケージ内に置かない、嘔吐や排便停止があれば受診

踏みつけ

暗い施設内で足元に出てくる、扉の開閉時は足元を確認、踏んだら足を引きずるか見て当日受診

挟まれ

二重扉やケージ扉に尾や指を挟む、閉める前に体位を確認、挟んだら尾の腫れや変色を観察し受診

落下・転落

ぐらつく棚や金網天井からの落下、棚は固定、落下後に動かない・足を引きずれば箱で安静にし当日受診

逸走・脱走

数cmの隙間から脱走し捕獲困難、施錠と二重扉を徹底、逃げたら追わず都道府県へ連絡し捕獲器は許可者のみ

噛みついた時の安全な引き離し方

やってはいけないこと

  • 引き抜こうとする、叩く、素手で口をこじ開ける
  • 大声を出す、逃げ場をふさいで追い詰める

安全な引き離しの手順

  1. 厚手の革手袋と長袖を着け、相手を動かさず静止する
  2. 顔を布や上着で覆い視界を遮る
  3. 咬んだ部位を押し込む方向に動かし力を緩ませる
  4. 離れたら即ケージに戻し扉を施錠、人は退室する

引き離した後の処置

流水で5分以上洗い、当日中に受診して破傷風・抗菌薬を相談、個体の健康状態も獣医師へ

救命救急マニュアル

今すぐ夜間救急へ(命に関わる)

  • けいれん・意識がない・呼吸が荒い
  • 交通事故後に動けない・口や鼻から出血
  • 大量出血・開放骨折・内臓露出
  • ぐったりして体が冷たい・熱い

当日中に受診

  • 足を引きずる・尾が垂れたまま
  • 下痢や嘔吐が続く・水を飲まない
  • 顔や体に脱毛とかさぶたが広がる

受診時に伝えること・持ち物

許可証の写し、保護日時と場所、体重と食事量、便と皮膚の写真、他動物との接触の有無

意識・呼吸・心拍の確認

  • 名前を呼ばず箱を軽く叩き反応と呼吸の胸の動きを見る
  • 呼吸は安静時1分20〜40回、速い・開口呼吸は異常
  • 内腿の付け根で脈を取り、歯茎の色が白や紫なら危険

蘇生の手順

  1. 咬傷に備え手袋、意識がなければ横に寝かせ首を伸ばす
  2. 口と鼻の分泌物を布で拭き気道を確保する
  3. 肋骨の後ろ胸の側面を片手で1分100回圧迫
  4. 30回圧迫ごとに鼻から2回息を吹き込み獣医師へ搬送

止血

  • 清潔な布で5分以上圧迫、途中で外さない
  • 四肢の出血は心臓より高く保ちつつ圧迫
  • 布が血で染まったら上から重ねて圧迫を続ける

搬送方法

  • 段ボールか硬いキャリーに毛布を敷き暗くする
  • タオルで包み体温を保ち、揺らさず静かに運ぶ

ケースメソッドで学ぶ

ケースメソッド(状況予測シナリオ 50問)

ハクビシンに起こりうる病気・怪我・事故を想定した4択問題。解答・解説・課題と改善案付き。

問題を解く
QRコード
エキゾチックアニマルの救命救急法講座 開催地&日程
https://exoticpetsaver.com
実技で学びたい方は講座へ。QRコードをスマホで読み取ってください。