観賞鶏 ケースメソッド 50問
状況を読み、飼い主として「最初に取るべき行動」を4択から選んでください。回答後に解説・課題・改善案が表示されます。マニュアルを見る
解答と解説・課題と改善案(全50問)
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Q1ポーリッシュが片目を閉じ冠羽が濡れている病気
6月の朝8時、庭の小屋。2歳のポーリッシュの雌が止まり木で片目を閉じたまま動かない。近づくと目の周りの羽が涙で濡れて固まり、まぶたがやや腫れている。昨日の雨で冠羽が濡れたまま目に垂れ下がっており、餌箱に向かうときも柵にぶつかる。もう片方の目は普通に開いている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 人用の抗菌目薬を1日3回さして様子を見る
- 人肌の生理食塩水で目の周りを洗い、冠羽を髪ゴムで目から離してまとめ、腫れが引かなければ当日中に受診する
- 冠羽が原因なので家庭用ハサミで冠羽を根元から短く切る
- 放っておけば乾くので運動場に出して日光に当てる
正解B.人肌の生理食塩水で目の周りを洗い、冠羽を髪ゴムで目から離してまとめ、腫れが引かなければ当日中に受診する
解説冠羽種は目にかかった羽が濡れたり汚れたりすると、羽が角膜をこすって結膜炎や角膜の傷を起こしやすい。まず人肌の生理食塩水で目の周りを優しく洗って汚れを落とし、冠羽を髪ゴムで軽くまとめて目に触れないようにする。腫れやまぶたが開かない状態が続く、目が白く濁るなら当日中に鳥を診る病院へ行く。人用の目薬は成分が鳥に適さないことがあり自己判断は危険。冠羽を根元から切ると羽軸の出血や皮膚の傷を起こし、見た目も戻らない。放置すると細菌感染が進み失明や片側の顔面の腫れに進むことがある。
課題雨で濡れた冠羽をそのままにし、冠羽種の目を毎日確認する習慣がなかった。冠羽が目を覆うことによる視野障害と感染のリスクを知らず、柵にぶつかる行動を見逃していた。目の異常の受診目安も決めていなかった。
改善案冠羽種は毎朝、両目の開き方と顔の羽の濡れを確認する。雨の日は小屋に入れ、濡れたらタオルで乾かす。冠羽が目にかかる場合は獣医師と相談して整え、髪ゴムでまとめる方法を覚える。片目を閉じたら当日受診の基準を家族で共有する。
Q2真冬の朝、セラマが震えてうずくまる病気
1月の朝6時、ベランダの小屋。体重300gほどの1歳のセラマの雌が、敷料の上で羽を膨らませうずくまり小刻みに震えている。とさかは青白く、足を触ると氷のように冷たい。昨夜の最低気温は氷点下2℃で、小屋の風除けは半分しか閉めていなかった。餌をちらつかせても顔を上げない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ドライヤーの温風を体に直接当てて一気に温める
- 日が出れば暖かくなるので小屋の扉を開けて日光に当てる
- 餌と温かい湯を無理にでも口に入れて体力をつける
- 30℃前後に保温した暗い箱に入れ、温めすぎに注意しながら30分見て反応が戻らなければ受診する
正解D.30℃前後に保温した暗い箱に入れ、温めすぎに注意しながら30分見て反応が戻らなければ受診する
解説セラマや小型チャボは体が小さく体温を保ちにくいため、氷点下の夜に風除けが不十分だと低体温症を起こす。羽を膨らませて震え、とさかが青白く足が冷たいのは典型的な症状。まず30℃前後に保温した暗く静かな箱に移し、カイロは直接当てず布で包む。30分ほどで動きや食欲が戻れば小屋の保温を見直し、反応が鈍いままなら保温したまま当日中に受診する。ドライヤーの温風を直接当てると急激な温度変化でショックを起こす。日光任せは寒さが続く間に体力を失う。意識が鈍い鶏に無理に餌や水を入れると誤嚥して肺炎になる。
課題セラマが寒さに弱い品種であることを軽視し、氷点下の夜に風除けを半分しか閉めていなかった。小型種を屋外の小屋で越冬させる判断自体が過酷で、保温小屋や室内への移動の準備がなかった。
改善案セラマ・小型チャボは5℃以下になる日は室内か保温小屋に移す。風除けを全面に設置し敷料を厚くし、温度計で小屋内を確認する。保温用の箱とカイロを冬前に用意し、震え・青白いとさかを見たら30分以内に保温と受診判断を行う。
Q3コーチンの脚の鱗が浮いて白い痂皮病気
10月の夕方、裏庭の小屋。3歳のコーチンの雄の脚を見ると、鱗が浮き上がり白く盛り上がった痂皮が指まで広がっている。脚毛が所々抜け、歩くとき片脚をかばう。先月、展示会で知り合いから譲り受けた若鶏を同じ小屋に入れたばかりで、その鶏の脚も少し白っぽかった気がする。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ぬるま湯で脚を洗って乾かし、痂皮は剥がさず他の鶏と隔離し、数日以内に獣医師に駆虫薬を処方してもらう
- ピンセットで白い痂皮をすべて剥がして消毒液を塗る
- 犬用のノミダニ滴下薬を脚に塗っておく
- 鱗の老化なので放置し、脚毛の抜けは換羽だと考える
正解A.ぬるま湯で脚を洗って乾かし、痂皮は剥がさず他の鶏と隔離し、数日以内に獣医師に駆虫薬を処方してもらう
解説鱗が浮き白い痂皮が盛り上がるのは鱗脚ダニ(トリアシヒゼンダニ)の典型で、脚毛種は羽の根元に寄生が広がりやすく跛行や脚の変形に進む。新しく入れた鶏からうつった可能性が高い。ぬるま湯で洗って乾かし痂皮を無理に剥がさず、感染を広げないよう隔離して数日以内に受診し、獣医師の駆虫薬で治療する。痂皮を剥がすと出血と二次感染を起こす。犬用の滴下薬は鶏への安全性や用量が確立しておらず中毒の危険がある。放置すると鱗が変形し歩行困難になり、同居鶏すべてに広がる。
課題新しく迎えた鶏の脚を確認せず隔離もせずに群れに合流させた。脚毛種は脚の異常が羽に隠れて発見が遅れることを知らず、月に一度の脚のチェックもしていなかった。
改善案新しい鶏は2週間以上隔離し、脚の鱗・顔・便を確認してから合流させる。脚毛種は月1回脚毛をかき分けて鱗の状態を見る。止まり木や小屋は定期的に熱湯消毒し、鱗の浮きを見つけたら数日以内に受診する基準を決める。
Q4オナガドリの尾羽の根元が赤く腫れ出血病気
4月の午前10時、納屋の止め箱。4歳のオナガドリの雄の尾羽を点検すると、長い尾羽の根元が赤く腫れ、1本の羽軸から血がにじんでいる。鶏は尾の付け根をしきりに気にしてつつく。止め箱の床は昨日の雨で湿っており、尾羽の先に糞と泥がついたまま地面に引きずった跡がある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 出血している羽を引き抜いて根元から新しい羽を生やす
- 消毒液を尾の付け根に吹きかけてそのまま止め箱に戻す
- 羽軸の根元を清潔なガーゼで圧迫し、折れた羽は抜かず、止め箱の床を乾かして当日中に受診する
- 尾羽をお湯で洗ってドライヤーで乾かし、2〜3日様子を見る
正解C.羽軸の根元を清潔なガーゼで圧迫し、折れた羽は抜かず、止め箱の床を乾かして当日中に受診する
解説オナガドリの尾羽は抜け替わらずに伸び続ける特殊な羽で、湿った床で汚れた羽を引きずると羽の根元に細菌が入り羽毛嚢炎を起こす。羽軸からの出血は血液が通う新しい羽の損傷で、まずガーゼで根元を圧迫して止血し、折れた羽は自分で抜かずに当日中に受診する。羽を引き抜くと羽嚢を傷つけ大量出血と、二度と良い尾羽が生えない原因になる。消毒液を吹きかけるだけでは腫れの原因である感染を治せず、鶏が傷をつつき続ける。洗ってドライヤーをかけるのは止血も感染も解決せず、数日の放置で腫れが広がる。
課題雨で止め箱の床が湿っているのに交換せず、尾羽が地面に触れる状態を放置した。尾羽の汚れを数日おきに落とす管理を怠り、羽の根元の異常を見つける点検も不十分だった。
改善案止め箱の床は毎日交換し雨の日は特に乾燥を確認する。尾羽が床につかない高さの止まり木を整え、数日おきに尾羽の汚れを落とす。羽の根元の赤み・出血を見たら当日受診とし、オナガドリを診られる病院を事前に探しておく。
Q5夏、大きなとさかに黒いかさぶたが点々病気
8月の夕方、庭の小屋。とさかの大きな2歳のミノルカの雄のとさかと肉垂に、黒いかさぶたとイボのような盛り上がりが点々とできている。数日前から食欲が落ち、口を開けると白い膜のようなものが見える。小屋の横には雨水のたまったバケツがあり、夕方は蚊が多く飛んでいる。同じ小屋にチャボ3羽がいる。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- かさぶたを剥がして消毒すれば治るので毎日こする
- 鶏痘を疑い、この鶏を隔離してバケツの水を捨て、蚊の侵入を防ぎ、当日〜翌日に受診する
- とさかの汚れなのでたわしで洗ってから運動場に出す
- 食欲がないのでパンや米を多めに与えて体力を回復させる
正解B.鶏痘を疑い、この鶏を隔離してバケツの水を捨て、蚊の侵入を防ぎ、当日〜翌日に受診する
解説とさか・肉垂の黒いかさぶたやイボと口内の白い偽膜は鶏痘の典型で、蚊が媒介する。とさかや肉垂が大きい品種は刺される面積が広く感染しやすい。まず発症鶏を隔離し、雨水のたまったバケツなど蚊の発生源を片付け、防蚊ネットで小屋への侵入を防ぐ。口内の偽膜は呼吸や食事を妨げて命に関わるため、当日〜翌日に受診して対処を相談する。かさぶたをこすって剥がすとウイルスを含んだ組織が広がり、他の鶏や自分の体に感染を広げる。たわしで洗うのも同じ。パンや米を多く与えても偽膜で食べられず、栄養の偏りで悪化する。
課題小屋の横に雨水のたまったバケツを放置し、蚊の発生源を作っていた。とさかの大きい品種が鶏痘にかかりやすいことを知らず、夏の防蚊対策を行っていなかった。食欲低下を数日放置した。
改善案夏は小屋に防蚊ネットを張り、雨水のたまる容器を毎週片付ける。とさかの大きい品種は毎日とさかの変化を見て、黒いかさぶたを見たら即隔離する。口内の偽膜は食事と呼吸を妨げるため当日〜翌日に受診する基準を決めておく。
Q6チャボのヒナが脚を開いて立てない病気
5月の午後、室内の育雛箱。孵化して10日目のチャボのヒナ1羽が両脚を横に開いたまま立てず、お腹をつけて移動している。箱の底は滑りやすいプラスチックのままで、餌は家にあった成鶏用の配合飼料を砕いて与えていた。他のヒナ4羽は元気に歩き回っている。関節が少し腫れているように見える。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 歩けないヒナは淘汰するものだと考えてそのままにする
- 脚を手で何度も閉じる運動を繰り返して矯正する
- 人用のカルシウム錠を砕いて水に溶かして飲ませる
- 床に滑らない敷料を敷いてヒナ用飼料に替え、脚を軽く固定する方法を含め当日〜翌日に受診して相談する
正解D.床に滑らない敷料を敷いてヒナ用飼料に替え、脚を軽く固定する方法を含め当日〜翌日に受診して相談する
解説孵化後に脚が横に開いて立てないのは、滑る床で脚が踏ん張れないことと、ヒナ用でない餌によるビタミン・ミネラル不足が重なって起きる脚弱や、くる病の初期であることが多い。まず床にタオルやもみ殻など滑らない敷料を敷き、ヒナ用飼料に替える。脚を正しい位置に保つ固定は方法を誤ると悪化するため、当日〜翌日に受診して正しいやり方と栄養補給を相談する。放置すると関節が固まり一生歩けない。手で無理に閉じる運動は関節を傷める。人用のカルシウム錠は量の調整が難しく、ビタミンの不足を補えないため根本解決にならない。
課題育雛箱の床が滑るプラスチックのままで、ヒナ用飼料を用意せず成鶏用で代用していた。チャボは小型で脚の弱いヒナが出やすいことを知らず、脚の開きを見つけてから対応を迷った。
改善案育雛箱には最初から滑らない敷料を敷き、ヒナ用飼料を孵化前に用意する。毎日ヒナの歩き方と関節を観察し、脚の開きを見つけたらその日のうちに床と餌を見直して受診する。チャボの交配では孵化率や脚弱の出やすさを理解しておく。
Q7ポーリッシュが餌場に近づけず痩せてきた病気
9月の朝、庭の鶏小屋。1歳のポーリッシュの雌が、この2週間で胸の骨が目立つほど痩せた。観察すると、冠羽が伸びて目を覆い、餌箱に近づくたびに他のチャボに横からつつかれて逃げ、柵にぶつかっている。餌は床にばらまく方式で、群れの中で最後まで餌にありつけていない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 冠羽を髪ゴムでまとめ、別の囲いで目の高さの餌箱から食べさせ、痩せ方が進むなら数日以内に受診する
- 痩せは寄生虫のせいなので市販の犬用駆虫薬を与える
- 強い鶏がいるのは自然なことなので群れの順位に任せる
- 栄養不足なので高カロリーのパンやご飯を床に多めにまく
正解A.冠羽を髪ゴムでまとめ、別の囲いで目の高さの餌箱から食べさせ、痩せ方が進むなら数日以内に受診する
解説冠羽種は目が覆われると視野が狭くなり、餌の場所や他の鶏の接近に気づけず、つつき順の下位に固定されて食事量が減る。まず冠羽を髪ゴムでまとめて視野を確保し、別の囲いで目の高さの餌箱から落ち着いて食べさせる。体重を毎日量り、回復しない・痩せが進む場合は寄生虫や内臓疾患の可能性もあるため数日以内に受診する。犬用の駆虫薬は鶏への安全性が確立しておらず危険。群れの順位に任せると冠羽種は餌を得られず衰弱し、頭部をつつかれる危険も続く。床に高カロリーの餌を多くまいても視野が狭い鶏は見つけられず、他の鶏が太るだけになる。
課題冠羽の伸びによる視野障害を見過ごし、床に餌をまく給餌方式が冠羽種に不利だと気づかなかった。群れ内で下位になる品種特性を知らず、2週間もの体重減少に気づくのが遅れた。
改善案冠羽種は冠羽が目にかかる前に整え、餌箱は目の高さに置く。気の強い鶏とは囲いを分け、週1回体重を記録する。胸の骨が目立つ・餌場に近づけない状態を見たら、環境を変えて数日で改善しなければ受診する。
Q8雨に濡れた縮れ羽チャボが動かない病気
11月の夕方5時、庭の運動場。縮れ羽(フリズル)の2歳のチャボが午後の冷たい雨に当たり、羽が肌まで濡れて体にはりついている。運動場の隅でうずくまり、呼びかけても動かず、触ると体が冷たい。縮れた羽は普通の羽より水をはじかず、乾きにくいことに今日初めて気づいた。気温は8℃で風もある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 小屋の中に入れて自然乾燥を待ち、翌朝の様子を見る
- 濡れたまま他の鶏と一緒にして体温を分けてもらう
- タオルで水気を取りドライヤーの弱風を離して当てて乾かし、30℃前後の保温箱で回復を待ち、反応が鈍ければ受診する
- お湯をかけて温めてから運動場に戻す
正解C.タオルで水気を取りドライヤーの弱風を離して当てて乾かし、30℃前後の保温箱で回復を待ち、反応が鈍ければ受診する
解説縮れ羽は羽が外向きに巻いているため空気の層を作れず、水をはじかず保温性も低い。冷たい雨に濡れると急速に体温を失う。まずタオルで水気を取り、ドライヤーの弱風を体から離して当てて乾かし、30℃前後の保温箱で静かに回復させる。1時間しても動きや食欲が戻らない、呼吸が速いなら当日中に受診する。濡れたまま小屋に入れて自然乾燥を待つと夜間の冷え込みで低体温症が進む。他の鶏に寄せても濡れた羽は温まらず、他の鶏まで濡れる。お湯をかけるのはさらに体を濡らし、急激な温度変化でショックを起こす。
課題縮れ羽の保温性の低さと水に弱い特性を知らず、雨の日に屋根のない運動場に出していた。夕方の冷え込みと風の影響を考えず、濡れた鶏を早く見つける見回りもなかった。
改善案縮れ羽や絹羽の品種は雨の日は屋根のある場所に限り、雨が降り出したら小屋に戻す。乾かすためのタオルとドライヤー、保温箱を常備する。秋冬は夕方の見回りを決め、濡れて動かない鶏は1時間以内に乾燥と保温を行う。
Q9止め箱暮らしのオナガドリの足裏が腫れた病気
2月の午前、納屋の止め箱。6歳のオナガドリの雄が片脚で立つ時間が増え、持ち上げて足裏を見ると中央が赤く腫れ、硬いかさぶたがある。止め箱は尾羽を守るために高さ1.6mで、鶏は細い角のある止まり木に一日中止まっている。運動に出すのは週に1回だけで、体重も以前より増えている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 尾羽が大切なので止め箱からは出さず、足裏に消毒液を塗って終わりにする
- 足裏を洗って清潔にし、止まり木を太く角のないものに替え、運動時間を増やして数日以内に受診する
- かさぶたをカッターで切り取って中の膿を出す
- 人用の痛み止めを砕いて餌に混ぜる
正解B.足裏を洗って清潔にし、止まり木を太く角のないものに替え、運動時間を増やして数日以内に受診する
解説足裏の腫れと硬いかさぶたは趾瘤症で、細く角のある止まり木に長時間止まる、運動不足、体重増加が重なるオナガドリの止め箱飼育で起こりやすい。まず足裏を洗って清潔にし、止まり木を太く角のないものに替えて柔らかい床を用意し、尾羽を持ち上げての運動を毎日短時間でも行う。感染が骨に及ぶと治りにくいため数日以内に受診し、必要な処置を受ける。消毒液を塗るだけでは原因の止まり木と運動不足が残り悪化する。かさぶたを自分で切ると出血と深部感染を招く。人用の痛み止めは鶏に中毒を起こすことがあり危険。
課題尾羽の保護を優先するあまり運動をほぼ止め、細い角のある止まり木を長年使っていた。体重増加に気づきながら対策をせず、足裏の確認も習慣になっていなかった。
改善案止め箱の止まり木は太く角を取ったものにし、床に柔らかい敷料を敷く。尾羽を持ち上げての運動を毎日取り入れ、体重を週1回量る。足裏は週1回確認し、赤み・腫れ・かさぶたを見つけたら数日以内に受診する。
Q10冠羽種の片目が白く濁って開かない病気
3月の夜8時、室内の小屋。3歳のホーダンの雌が昼過ぎから片目を閉じがちだったが、夜になって目を開けると角膜が白く濁り、まぶたが腫れて涙が流れている。冠羽の先が目に入っていた形跡があり、鶏は頭を振って目をこすろうとする。前にネットで見た人用の抗菌目薬が家にある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 家にある人用の抗菌目薬をさして朝まで待つ
- 白い濁りは老化なので放置する
- 目にお湯をかけて冠羽をふやかして取り除く
- 冠羽を目から離してまとめ、目をこすらせないよう暗い箱で安静にし、翌朝一番で受診する。夜間救急があれば相談する
正解D.冠羽を目から離してまとめ、目をこすらせないよう暗い箱で安静にし、翌朝一番で受診する。夜間救急があれば相談する
解説角膜の白い濁りは角膜潰瘍や角膜炎の可能性が高く、冠羽が目をこすることで起きる冠羽種に多い外傷性の病気である。進行すると穿孔や失明に至るため、冠羽を髪ゴムでまとめて目から離し、頭を振ってこすらないよう暗い箱で安静にし、翌朝一番で鳥を診る病院へ行く。夜間救急に相談できるならその判断も妥当。人用の抗菌目薬は鳥への適否が不明で、ステロイド入りは潰瘍を悪化させる危険がある。老化と決めつけて放置すると失明する。お湯をかけるのは熱傷と新たな刺激で悪化させる。
課題昼過ぎの片目を閉じる変化を見逃し、冠羽が目に入る状態を放置していた。人用の目薬を使おうと考えるなど、鳥の目の病気についての知識と受診先の情報が不足していた。
改善案冠羽種は毎朝両目を確認し、冠羽が目に入らないよう定期的に整える。目を閉じる・涙が出るを見たら当日受診の基準を決め、鳥を診る病院と夜間救急の連絡先を小屋に貼る。人用の薬は使わないと家族で決めておく。
Q11展示会から帰ったセブライトが鼻水と顔の腫れ病気
11月の午後、自宅の小屋。先週末の品評会に出したあと、群れに戻した2歳のセブライトの雄が、3日目から鼻水と目やにを出し、片側の顔が腫れてくしゃみをする。口を少し開けて呼吸し、食欲が落ちている。同じ小屋のチャボ2羽のうち1羽も今朝くしゃみをしていた。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 季節の変わり目の風邪なので暖かくして様子を見る
- 餌に人用の風邪薬を少量混ぜて与える
- 発症鶏を隔離して保温し、当日中に受診する。他の鶏も観察し、靴や手を消毒して小屋間の往来を分ける
- くしゃみをした鶏も含め全員を運動場に出して日光に当てる
正解C.発症鶏を隔離して保温し、当日中に受診する。他の鶏も観察し、靴や手を消毒して小屋間の往来を分ける
解説展示会では多くの鶏と近接するため呼吸器の感染症を持ち帰りやすく、鼻水・顔の腫れ・くしゃみ・開口呼吸は伝染性の呼吸器疾患を疑う症状である。まず発症鶏を隔離して保温し、当日中に受診して診断と同居鶏の対応を相談する。靴や手を消毒し小屋間の往来を分けて感染を広げない。顔の腫れとくしゃみを風邪と決めつけて放置すると群れ全体に広がり、観賞鶏は近親系統で抵抗力が弱いこともある。人用の風邪薬は鶏に有害な成分を含みうる。運動場に出すと症状のある鶏が他の鶏や野鳥に病原体をまく。
課題展示会から帰った鶏を隔離せずにすぐ群れへ戻した。展示会が感染症の持ち込み経路になることを知らず、帰宅後の靴・手・輸送箱の消毒もしていなかった。
改善案展示会に出した鶏は帰宅後2週間は別の小屋で隔離し、靴・手・輸送箱を消毒する。隔離中は毎日鼻・目・呼吸・便を観察し、異常があれば当日受診する。小屋ごとに作業の順番を決め、健康な群れから先に世話をする。
Q12チャボの卵が孵らず、ヒナの一部が死んでいた病気
4月、室内の孵卵器。短脚で姿の良いチャボ同士を交配し12個の有精卵を温めたが、孵化したのは6羽で、残りは殻の中で死んでいた。孵った6羽のうち2羽は脚が極端に短く、立てずに数日で弱った。孵卵器の温度と湿度は説明書通りで、親鶏も健康に見える。原因が分からず、次は温度を上げようと考えている。
次の繁殖に向けて最も適切な判断はどれか
- 短脚チャボ同士の交配では短脚遺伝子を2つ持つ卵が孵化しないため、短脚と普通脚の組み合わせにし、弱ったヒナは受診して相談する
- 孵卵器の温度を1℃上げて湿度を下げれば全部孵る
- 親の栄養不足が原因なので、親鶏に卵を多く食べさせる
- 死んだ卵は運が悪かっただけなので同じ組み合わせで繰り返す
正解A.短脚チャボ同士の交配では短脚遺伝子を2つ持つ卵が孵化しないため、短脚と普通脚の組み合わせにし、弱ったヒナは受診して相談する
解説チャボの短脚は、2つそろうと胚が孵化前に死ぬ遺伝子によって作られる。短脚同士を交配すると理論上およそ4分の1の卵が殻の中で死に、孵った中にも脚の弱いヒナが出ることがある。これは温度や湿度では防げない品種固有の遺伝の仕組みで、短脚と普通脚の組み合わせにすれば死籠りは減る。弱ったヒナは脚弱や栄養の問題も重なることがあるため受診して相談する。温度を上げると今度は正常な卵まで死ぬ。親に卵を食べさせるのは卵食いの癖をつけるだけで原因と無関係。同じ組み合わせを繰り返せば毎回同じ割合で死ぬ。
課題観賞品種の繁殖に特有の遺伝の知識がなく、孵化率の低さと脚の弱いヒナの原因を環境のせいだと考えた。交配計画を立てず、姿だけで親を選んでいた。
改善案繁殖前に品種の遺伝的特性を保存会や獣医師に相談し、交配の組み合わせを記録する。孵化率と死籠りの数を毎回記録して原因を分析する。弱いヒナは早期に受診し、無理な繁殖を避けて健康な系統を保つ。
Q13頭をつつかれたポーリッシュがふらつく怪我
7月の朝、庭の鶏小屋。新しく入れた気の強いチャボの雄に、2歳のポーリッシュの雌が頭をつつかれた。冠羽の根元に小さな出血があるだけだが、鶏は頭を片側に傾け、歩くと右に回り、時々目を閉じてふらつく。冠羽種は頭蓋に隙間があると聞いたことがあるが、傷は小さいので大したことはないと思った。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 傷が小さいので消毒して元の小屋に戻す
- 頭を冷やして一晩様子を見て、翌朝ふらつけば受診する
- 出血を軽く圧迫し、暗い箱で安静にして直ちに鳥を診る病院か夜間救急へ連れて行く
- 元気づけるために抱いて揺らし、水を飲ませる
正解C.出血を軽く圧迫し、暗い箱で安静にして直ちに鳥を診る病院か夜間救急へ連れて行く
解説冠羽種のポーリッシュは冠羽の下の頭蓋骨が完全に閉じていない個体が多く、頭をつつかれると小さな傷でも脳が直接ダメージを受ける。頭の傾き、同じ方向に回る、目を閉じてふらつくのは脳損傷の神経症状で、時間とともに悪化し命に関わる。出血は軽く圧迫し、暗い箱で揺らさず安静にして直ちに受診する。傷の大きさで判断して戻すのは最も危険。一晩待つ間に脳の腫れが進む。抱いて揺らす・無理に水を飲ませるのは頭部への刺激と誤嚥の危険がある。
課題気の強い雄を仕切りなしで同居させ、頭部が弱い冠羽種をつつきの標的にしてしまった。頭蓋の隙間という品種の弱点を知りながら、傷の小ささで重症度を判断した。
改善案新しい鶏は仕切り越しに慣らし、冠羽種は気の強い鶏と同居させない。頭部の傷は大きさに関係なく神経症状を観察し、頭の傾き・旋回・ふらつきは直ちに受診する基準を決める。小屋の天井や角を低くせず頭をぶつけない構造にする。
Q14止め箱の扉にオナガドリの尾羽が挟まり折れた怪我
5月の夕方、納屋。止め箱の扉を閉めた際に5歳のオナガドリの雄の尾羽3本が挟まり、鶏が暴れた拍子に1本が途中で折れ曲がり、根元から血がにじんでいる。他の2本は曲がったままだが切れてはいない。鶏は興奮して尾を振り回し、折れた羽が床に当たっている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 折れた羽を根元から引き抜いて新しい羽が生えるのを待つ
- 鶏を落ち着かせて折れた羽の根元をガーゼで圧迫し、羽は抜かずに保護して当日中に受診する
- 折れた部分をハサミで切り落とし、瞬間接着剤でつなぐ
- 尾羽をテープで束ねて止め箱に戻し翌週の展示会まで様子を見る
正解B.鶏を落ち着かせて折れた羽の根元をガーゼで圧迫し、羽は抜かずに保護して当日中に受診する
解説オナガドリの長い尾羽は血液の通う羽軸を持ち、折れると出血し根元の羽嚢を傷めると二度と同じ羽が生えなくなる。まず鶏をタオルで包んで落ち着かせ、出血している根元をガーゼで圧迫し、羽は抜かずに丸めて保護して当日中に受診し、羽軸の処置を受ける。自分で引き抜くと大量出血と羽嚢の破壊につながる。折れた羽を接着剤でつなぐのは皮膚や羽への化学的刺激と感染の原因になる。テープで束ねて展示会まで放置すると出血と感染が続き、羽を振り回して悪化する。
課題扉を閉める前に尾羽の位置を確認する習慣がなく、長い尾羽が扉の可動範囲にかかる構造のまま使っていた。尾羽の損傷時の処置を知らず、展示会を優先して受診をためらった。
改善案止め箱の扉は尾羽が届かない位置に付け替えるか、閉める前に尾羽を確認する手順を決める。折れた羽は抜かず圧迫して当日受診を家族で共有する。オナガドリの羽の処置に慣れた獣医師を事前に見つけておく。
Q15氷点下の朝、大きなとさかが黒く変色怪我
1月の朝7時、庭の小屋。氷点下5℃まで冷えた翌朝、とさかの大きな3歳のレグホンの雄のとさかの先端が黒く変色し、肉垂も腫れて硬くなっている。鶏は痛そうに頭を振り、餌を食べようとして顔をしかめる。小屋は北風が直接当たる位置にあり、風除けを付けていなかった。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 黒くなった部分をお湯で温めてこすり血行を戻す
- 黒い部分はハサミで切り落として消毒する
- 黒くなっても自然に治るので小屋をそのままにする
- 急に温めず室温の場所で徐々に戻し、黒い部分はこすらず乾燥を保ち数日以内に受診する
正解D.急に温めず室温の場所で徐々に戻し、黒い部分はこすらず乾燥を保ち数日以内に受診する
解説とさかの先端の黒変は凍傷で、とさかや肉垂の大きい品種は氷点下の風に当たると起こしやすい。凍傷の組織は急に温めたりこすったりすると血管と組織がさらに壊れるため、室温の場所で徐々に戻し、乾燥を保って触らない。黒い部分は数日で壊死の範囲が決まるため数日以内に受診し、感染予防と痛みの対処を相談する。お湯でこするのは組織の損傷を広げる。自分で切り落とすと出血と感染を起こす。小屋の風除けをせず放置すれば翌晩も凍傷が進み、肉垂まで失う。
課題とさかの大きい品種の凍傷リスクを知らず、北風が直接当たる小屋に風除けを付けていなかった。氷点下の予報に対する前夜の対策と、朝の点検も不足していた。
改善案氷点下の予報が出たら小屋に風除けを付け、とさかの大きい鶏は夜に薄くワセリンを塗る。朝一番にとさか・肉垂の色を確認し、黒変を見たらこすらず数日以内に受診する。冬前に小屋の設置場所と風向きを見直す。
Q16コーチンの脚毛に泥団子、指が冷たい怪我
2月の夕方、裏庭。雨上がりのぬかるんだ運動場に出していた4歳のコーチンの雌の脚毛に、泥と糞が混じった大きな塊が固まり、指の間まで覆っている。鶏は歩きにくそうに脚を上げ、指の先を触ると冷たく、1本の指が紫色を帯びている。泥の塊は乾き始めて硬く、引っ張ると羽ごと抜けそうだ。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ぬるま湯で泥をふやかして少しずつ取り、無理に引っ張らず、指が黒い・冷たいままなら当日中に受診する
- 乾いてから手で泥団子を一気に引きはがす
- 泥がついた脚毛をハサミで根元から切り落とす
- 泥は自然に落ちるので運動場でそのまま歩かせる
正解A.ぬるま湯で泥をふやかして少しずつ取り、無理に引っ張らず、指が黒い・冷たいままなら当日中に受診する
解説脚毛種は羽が泥や糞を抱え込み、固まった泥団子が指を締め付けて血流を止める。指が冷たく紫色なのは血流障害の兆候で、放置すると指の壊死に至る。ぬるま湯で泥をふやかしながら少しずつ取り除き、羽を引っ張らず乾かす。指の色や温度が戻らない、黒くなるなら当日中に受診する。乾いた泥を一気に引きはがすと羽ごと皮膚が裂けて出血する。脚毛を根元から切ると羽軸から出血し、品種の特徴も失う。泥を放置すれば締め付けが続き指を失う。
課題脚毛種を雨上がりのぬかるんだ運動場に出し、脚毛を毎日確認する習慣がなかった。泥団子が血流を止めて指の壊死を起こすことを知らず、硬くなるまで気づかなかった。
改善案脚毛種は雨の日と雨上がりはぬかるみに出さず、運動場に砂利や乾いた敷料を敷く。毎日脚毛を見て泥や糞の付着を落とす。ぬるま湯とタオルを用意し、指の冷たさ・色の変化を見たら当日受診の基準を決めておく。
Q17猫にくわえられたセラマに小さな傷だけ怪我
6月の昼、庭の運動場。近所の猫が囲いを越えて入り込み、300gの1歳のセラマの雄をくわえて走った。追いかけて取り戻したが、背中の羽が抜けて小さな穴のような傷が2か所あるだけで、鶏は立って歩き、鳴き声も出す。出血はほとんどない。見た目は元気そうなので、小屋に戻して様子を見ようかと思っている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 歩けて鳴けるので小屋に戻して翌日まで様子を見る
- 傷口に消毒液をかけて絆創膏を貼る
- 傷が小さくても牙による内部の損傷と感染の危険があるため、暗い箱で保温し直ちに受診する
- 猫を追い払った後、鶏を水で洗って運動場に戻す
正解C.傷が小さくても牙による内部の損傷と感染の危険があるため、暗い箱で保温し直ちに受診する
解説猫の牙による傷は表面が小さくても深く、体が小さいセラマでは牙が内臓や気嚢に達している可能性が高い。さらに猫の口内細菌は鳥に重い感染症を起こし、数時間から1日で急死することがある。歩ける・鳴けるのは興奮状態での見かけの元気で判断の根拠にならない。暗い箱で保温して安静にし、直ちに鳥を診る病院へ行き、内部損傷の確認と感染への処置を受ける。様子見は最も多い失敗で翌朝死んでいることがある。消毒液と絆創膏では深部の損傷と感染を防げない。水で洗うと体温を奪い、ショックを悪化させる。
課題小型種が猫に狙われやすいことを知りながら、猫が越えられる囲いで昼間放していた。見た目の元気さで重症度を判断し、猫の咬傷が小鳥にとって致命的であるという知識がなかった。
改善案運動場は上部にもネットを張り、小型種は人が見守れる時間だけ出す。猫・イタチ・カラスの侵入経路を点検する。動物に襲われた鶏は傷の大きさに関係なく直ちに受診する基準を家族で共有し、保温箱と病院の連絡先を準備する。
Q18尾羽をつかんだら抜けて根元から出血怪我
8月の午後、納屋。オナガドリの雄を止め箱から出そうと、とっさに長い尾羽をつかんだところ、鶏が暴れて尾羽が2本抜け、抜けた根元から血が滴っている。鶏は興奮して走り回り、床に血の点が続く。抜けた羽の根元は太く、血の通った羽軸だったことが分かる。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 血は自然に止まるので止め箱に戻して放置する
- 鶏をタオルで包んで落ち着かせ、抜けた根元を清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ圧迫したまま受診する
- 抜けた羽を元の穴に差し込んで戻す
- 止血のために尾の付け根を強く縛る
正解B.鶏をタオルで包んで落ち着かせ、抜けた根元を清潔なガーゼで5分以上圧迫し、止まらなければ圧迫したまま受診する
解説伸びている途中の羽は血液が通っており、無理に抜くと羽嚢から出血が続く。まず鶏をタオルで包んで動きを止め、抜けた根元を清潔なガーゼで5分以上圧迫する。止血剤や片栗粉を少量使ってもよい。5分以上圧迫しても止まらない、血の量が多い、鶏がぐったりするなら圧迫したまま受診する。放置すると興奮して走り回るたびに出血が続き、小型の体では少量の出血でも貧血に陥る。抜けた羽を差し込むと感染と羽嚢の損傷を起こす。尾の付け根を縛るのは血流を止めて組織を壊し、羽嚢全体を傷める。
課題オナガドリを扱う際に尾羽を持ってはいけないという基本を知らず、慌てて尾をつかんだ。鶏の捕まえ方と、羽軸出血の止血方法・止血剤の備えがなかった。
改善案オナガドリは尾羽に触れず、両手で胸と腹を支え、尾を腕に沿わせて持つ練習をする。止め箱の近くにガーゼ・止血剤・タオルを常備する。羽軸の出血は5分圧迫し、止まらなければ受診する手順を小屋に貼る。
Q19金網の角で頭を切った冠羽種の出血怪我
10月の朝、庭の小屋。視野の狭い1歳のポーリッシュの雄が、小屋の出入口の金網の切りっぱなしの角に頭をぶつけ、冠羽の間から血が流れている。傷は1cmほどで浅く見える。鶏は驚いて走り回ったが、今は落ち着いて立っている。頭の傾きや目の異常は今のところ見られない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 傷が浅いので消毒だけしてすぐ小屋に戻し、金網はそのままにする
- 頭を強く圧迫して止血し、絆創膏を貼る
- 走れるので問題なしと判断して運動場に出す
- 軽くガーゼで押さえて止血し、金網の角を処理して、頭の傾き・ふらつき・けいれんが出れば直ちに受診する
正解D.軽くガーゼで押さえて止血し、金網の角を処理して、頭の傾き・ふらつき・けいれんが出れば直ちに受診する
解説冠羽種は上方や側方が見えにくく、金網の角など突起に頭をぶつけやすい。頭蓋に隙間のある個体が多いため、浅い傷でも脳への衝撃を考える必要がある。出血は軽くガーゼで押さえて止め、傷を清潔に保ち、原因となった金網の角を処理する。その後数日は頭の傾き・同じ方向に回る・ふらつき・けいれんなど神経症状を観察し、見られたら直ちに受診する。消毒だけで金網を放置すればまた同じ事故が起きる。頭を強く圧迫するのは頭蓋の隙間から脳を圧迫する危険があり、絆創膏は羽に貼れない。運動場に出すのは経過観察ができず悪化を見逃す。
課題小屋の金網の切りっぱなしの角を放置し、視野の狭い冠羽種に適した構造にしていなかった。頭部の傷の経過観察の重要性と、神経症状の見方を知らなかった。
改善案小屋の金網の角はすべて折り返すかカバーを付け、出入口の高さと幅を広くする。冠羽種は頭をぶつけた後3日間は神経症状を観察し、頭の傾き・旋回・けいれんは直ちに受診する基準を家族で共有する。
Q20止まり木から落ちたチャボの翼が垂れた怪我
3月の夜9時、室内の小屋。1歳の短脚チャボの雌が高さ60cmの止まり木から飛び降りて着地に失敗し、片方の翼が垂れ下がって持ち上げられない。翼を広げようとして痛そうに鳴き、歩けるが翼を引きずる。短脚のため普段から着地が苦手で、以前も段差で転んだことがある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 翼をタオルで体に沿わせて包み、暗い箱で安静にして当日〜翌朝一番で受診する
- 翼を広げて骨折の位置を手で確認し、自分で添え木を当てる
- 翼を元の位置に押し戻して止まり木に戻す
- 痛み止めとして人用の鎮痛薬を少量与える
正解A.翼をタオルで体に沿わせて包み、暗い箱で安静にして当日〜翌朝一番で受診する
解説翼が垂れて持ち上げられないのは骨折か脱臼の可能性が高い。翼を広げて確認すると骨折端がずれて神経や血管を傷つけるため、動かさずタオルで体に沿わせて軽く包み、暗い箱で安静にして当日の夜間か翌朝一番に受診する。短脚チャボは脚が短く着地の衝撃を吸収しにくいため、落下で翼や脚を折りやすい。素人の添え木は固定位置が誤り悪化させる。翼を押し戻して止まり木に戻すと再び落ちて骨折が複雑化する。人用の鎮痛薬は鶏に中毒を起こす可能性があり危険。
課題短脚チャボは着地が苦手だと知りながら60cmの高い止まり木を使い、以前の転倒を警告と受け止めなかった。翼の骨折時の包み方と受診の手順を準備していなかった。
改善案短脚チャボの止まり木は30cm以下にし、段差にはスロープを付ける。床に厚い敷料を敷いて着地の衝撃を減らす。翼を包むタオルと暗い箱を用意し、翼が垂れる・立てないは当日〜翌朝に受診する基準を決めておく。
Q21伸びた爪が折れて脚毛が血で染まる怪我
9月の午前、裏庭の小屋。脚毛で爪が削れにくい3歳のブラマの雌が、敷料に爪を引っかけて1本の爪を根元近くで折った。爪から血が流れ脚毛が赤く染まり、鶏は脚を引きずり敷料に血の跡を残す。見ると他の爪も長く巻いていて、しばらく爪を確認していなかった。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 血は少ないので放っておけば止まる
- 折れた爪を根元から抜いて消毒する
- 鶏を抑えて折れた爪の先に止血剤か片栗粉を押し当ててガーゼで圧迫し、止まらなければ受診する
- 脚を水に浸して血を洗い流し続ける
正解C.鶏を抑えて折れた爪の先に止血剤か片栗粉を押し当ててガーゼで圧迫し、止まらなければ受診する
解説爪の根元近くには血管が通っており、折れると出血が続く。鶏をタオルで包んで抑え、折れた爪先に止血剤か片栗粉を押し当ててガーゼで数分圧迫する。脚毛種は羽が血を吸って出血量が分かりにくいため、圧迫後も血がにじむ、鶏がぐったりするなら受診する。放置すると鶏が歩くたびに出血し、敷料の汚れから感染する。折れた爪を抜くのは血管ごと引き抜いてさらに出血する。水に浸すのは血が固まるのを妨げ、脚毛を濡らして体を冷やす。巻いた他の爪は後日獣医師に切ってもらう。
課題脚毛種は爪が地面で削れにくいと知らず、爪の点検を長期間していなかった。爪の出血に対する止血剤や片栗粉を備えておらず、脚毛に隠れた出血量の判断もできていなかった。
改善案脚毛種は月1回、脚毛をかき分けて爪の長さを確認し、伸びすぎは獣医師に切ってもらう。止血剤・片栗粉・ガーゼを小屋に常備する。敷料に爪が引っかかる荒い素材を避け、爪の出血は数分圧迫して止まらなければ受診する手順を決める。
Q22雄同士の闘いでけづめの深い傷怪我
4月の朝、庭の鶏小屋。繁殖期に入り、気の強い2歳の小型軍鶏系の雄と3歳のチャボの雄が小屋の仕切りの隙間から闘い、チャボの胸にけづめによる深い穴のような傷ができて血が流れている。チャボは息が荒く、小屋の隅でうずくまる。軍鶏系の雄はまだ興奮して仕切りに体当たりしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 両方を同じ小屋に入れて決着をつけさせ、上下関係を作る
- 傷ついたチャボを別の箱に隔離し、ガーゼで傷を圧迫止血して保温し、深い傷のため当日中に受診する
- 傷口に市販の消毒スプレーをかけて小屋に戻す
- 軍鶏系の雄を叩いて罰を与え、二度と闘わないようにする
正解B.傷ついたチャボを別の箱に隔離し、ガーゼで傷を圧迫止血して保温し、深い傷のため当日中に受診する
解説けづめによる傷は小さな穴に見えても深く、胸の傷は筋肉や気嚢に達することがある。まず傷ついた鶏を別の箱に隔離し、清潔なガーゼで圧迫して止血し保温する。息が荒い・うずくまるのは痛みとショックの兆候で、深い傷は感染と内部損傷の危険があるため当日中に受診する。同じ小屋で決着をつけさせると致命傷になり、闘鶏系の品種は相手が倒れるまで止まらない。消毒スプレーだけでは深部の汚染と内部損傷に対処できない。雄を叩いても闘争本能は消えず、人への攻撃性が増す。
課題繁殖期の雄同士を隙間のある仕切りで隣接させ、闘鶏系品種の攻撃性を軽視していた。けづめの傷の深さと危険性を知らず、隔離・止血・受診の準備もしていなかった。
改善案雄は品種ごとに視線が通らない板で仕切り、繁殖期は距離を離す。闘鶏系は単独で飼い、けづめの長さを獣医師に相談する。隔離用の箱・ガーゼ・保温具を常備し、けづめの傷は深さに関係なく当日受診する基準を決める。
Q23足元のセラマをうっかり踏んでしまった事故
5月の夕方、庭の運動場。餌を持って入った際、足元にまとわりついていた300gのセラマの雌を靴で踏んでしまった。鶏は甲高く鳴いて逃げたが、今は片脚を浮かせてよろめき、口を開けて速い呼吸をしている。胸を触ろうとすると嫌がって鳴く。すぐ抱き上げて落ち着かせようとした。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 抱きしめて落ち着かせ、歩けるようになるまで撫でる
- 脚を伸ばして骨折かどうか確認し、歩けるなら小屋に戻す
- 口を開けて呼吸しているので水を飲ませる
- 抱かずにタオルを敷いた箱へ静かに入れ、開口呼吸と歩けない状態があるため直ちに受診する
正解D.抱かずにタオルを敷いた箱へ静かに入れ、開口呼吸と歩けない状態があるため直ちに受診する
解説体重300gのセラマを人の体重で踏むと、脚の骨折だけでなく肋骨や内臓、気嚢の損傷が起きる。口を開けた速い呼吸は胸部の損傷や出血によるショックの兆候で、放置すると急変する。抱き上げると胸を圧迫して呼吸をさらに妨げるため、タオルを敷いた箱に静かに入れ、揺らさず保温して直ちに鳥を診る病院へ行く。脚を伸ばして確認するのは骨折端を動かして悪化させる。水を飲ませると呼吸困難の鶏は誤嚥する。撫でて落ち着かせている間に内出血が進む。
課題小型種が足元に寄ってくる習性を知りながら、足元を見ずに運動場に入った。踏みつけ事故後に抱き上げて胸を圧迫するなど、小型鳥の扱い方と呼吸困難のサインを知らなかった。
改善案運動場に入る前に鶏を餌で一か所に集め、足元を確認してから歩く。小型種は室内では踏まない動線を決める。踏んだ場合は抱かず箱に入れ、開口呼吸・歩けないは直ちに受診する基準と病院の連絡先を家族で共有する。
Q24止め箱の扉にオナガドリの脚が挟まった事故
6月の朝、納屋。止め箱の扉を閉めた瞬間に、4歳のオナガドリの雄の片脚が扉と枠の間に挟まった。鶏は激しく暴れて長い尾羽を振り回し、脚を引き抜こうとして扉がさらに締まる。扉はバネ式で勝手に閉まる構造になっており、鶏の脚は不自然な角度に曲がっているように見える。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 扉をゆっくり開けて脚を解放し、タオルで体と尾羽を包んで脚は触らず箱に入れ、当日中に受診する
- 鶏の脚を引っ張って扉から素早く抜く
- 脚が抜けたらすぐ立たせて歩けるか確かめ、歩ければ止め箱に戻す
- 暴れが収まるまで扉を閉めたまま待ってから開ける
正解A.扉をゆっくり開けて脚を解放し、タオルで体と尾羽を包んで脚は触らず箱に入れ、当日中に受診する
解説挟まれた脚は引っ張ると骨折や脱臼を悪化させるため、扉をゆっくり開けて圧迫を解き、鶏をタオルで包んで動きを止める。尾羽も一緒に包んで振り回しによる羽の損傷を防ぐ。脚は触らず、箱に入れて当日中に受診し、骨折や神経損傷の確認を受ける。脚を引っ張って抜くと骨折端が皮膚を突き破る。すぐ立たせて歩かせるのは骨折を複雑にし、歩けるからといって損傷がないとは言えない。扉を閉めたまま待つと圧迫で血流が止まり組織が壊死し、暴れによって尾羽も折れる。
課題バネで勝手に閉まる扉を止め箱に使い、鶏が扉の近くにいる時に閉める危険を考えていなかった。挟まれ事故時の解放手順と尾羽を一緒に包む扱いを知らなかった。
改善案止め箱の扉はバネ式をやめ、閉める前に鶏の位置と尾羽を確認する手順を決める。扉と枠の隙間は3cm以下にするか、隙間をふさぐ。タオルと箱を納屋に常備し、挟まれ後は脚を触らず当日受診の基準を共有する。
Q25段差から落ちたポーリッシュが立てない事故
10月の午後、庭。視野の狭い2歳のポーリッシュの雌が、運動場の端にある高さ80cmの石垣から足を踏み外して落下した。落ちた後、両脚を投げ出して立てず、翼で体を支えようとしている。冠羽が目を覆っており、石垣の端が見えていなかった。鶏は鳴き声を上げるが、首は動かしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 脚をさすって血行を良くし、立ち上がるまで励ます
- 落ちた場所から動かすと危険なのでそのまま夜まで様子を見る
- タオルを敷いた箱に静かに入れて安静にし、立てない状態が続くため当日中に受診する
- 水に入れて脚に負担をかけずに泳がせて確認する
正解C.タオルを敷いた箱に静かに入れて安静にし、立てない状態が続くため当日中に受診する
解説80cmからの落下で両脚を投げ出して立てないのは、脚や骨盤の骨折、脊椎損傷の可能性がある。脚をさすったり立たせようとするのは骨折や神経損傷を悪化させる。タオルを敷いた箱に静かに入れて動きを制限し、当日中に受診してレントゲンなどで損傷を確認する。屋外にそのまま置くと猫やカラスに狙われ、体温も下がる。鶏は泳ぎに向かず、水に入れると体温低下と溺水の危険がある。冠羽種は段差の端が見えないため落下が多く、環境側の対策が必要である。
課題冠羽が目を覆い段差が見えない状態で、80cmの石垣のある運動場に出していた。冠羽種の視野障害と落下の関係を理解せず、落下後の扱いも知らなかった。
改善案冠羽種の運動場は段差や石垣を柵で囲い、冠羽が目にかかる前に整える。落下後に立てない鶏は箱に入れて当日受診する基準を決める。タオル・箱・病院の連絡先を庭の近くに置き、放す時は見守る時間を決める。
Q26金網の隙間からセラマが脱走して見つからない事故
4月の午後3時、住宅地の庭。小屋の金網の継ぎ目に3cmほどの隙間があり、300gの1歳のセラマの雄がそこから抜け出して姿が見えない。隣家との間には生け垣と背の高い木があり、近所には猫が多い。小型種は意外と飛べると聞いたことがあるが、どこを探せばよいか分からず、夕方までには見つけたい。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 鶏は遠くへ行かないので放っておけば夜に戻ってくる
- まず近くの生け垣や物陰、木の枝の上を探し、仲間の鶏の声と餌で呼び、日没までに見つからなければ夕方に木の上を重点的に探す
- 大声を出して走り回り、見つけたら素早く追いかけて捕まえる
- 捕獲用のネットを隣家の庭に無断で仕掛ける
正解B.まず近くの生け垣や物陰、木の枝の上を探し、仲間の鶏の声と餌で呼び、日没までに見つからなければ夕方に木の上を重点的に探す
解説セラマや小型チャボは体が軽く飛翔力があり、驚くと生け垣や木の枝に飛び上がって隠れる。まず小屋周辺の物陰と生け垣、木の枝を静かに探し、同居鶏をケージに入れて鳴き声で呼び、餌の音で誘う。日没前後には鶏は高い枝で休む習性があるため、夕方に木の上を重点的に探す。放置すると猫やイタチに襲われ、小型種は一晩で命を落とす。大声で追いかけると驚いてさらに遠くへ飛び、捕まえにくくなる。隣家に無断でネットを仕掛けるのは法的な問題と近隣トラブルの原因になる。
課題金網の継ぎ目に3cmの隙間があるのを放置し、小型種が小さな隙間から抜けることを想定していなかった。小型種の飛翔力と、脱走時の探し方・呼び戻し方を知らなかった。
改善案小屋の金網は目の細かいものにし、継ぎ目や扉周りの隙間を1.5cm以下にする。小型種には上部ネットのある運動場を使う。普段から餌の音や声で呼ぶ習慣をつけ、脱走時は夕方に木の上を探す手順と近所への声かけを決めておく。
Q27水桶に頭を突っ込んだ冠羽種が溺れかけた事故
7月の昼、庭の運動場。暑さの中で1歳のポーリッシュの雌が深い水桶に頭を突っ込み、水を吸った冠羽が目と鼻孔を覆って顔を上げられず、翼をばたつかせていた。慌てて引き上げると冠羽が顔全体に張り付き、口を開けて苦しそうに呼吸し、くちばしから水が垂れている。体はぐったりして立てない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 逆さに持って強く振り、水をすべて出す
- そのまま日なたに置いて自然に乾かす
- 胸を強く圧迫して水を吐かせる
- 冠羽を顔と鼻孔から離し、頭をやや下に向けて口と鼻の水を拭き、タオルで乾かして保温し、呼吸が荒いままなら直ちに受診する
正解D.冠羽を顔と鼻孔から離し、頭をやや下に向けて口と鼻の水を拭き、タオルで乾かして保温し、呼吸が荒いままなら直ちに受診する
解説冠羽種は水を吸った冠羽が顔に張り付くと視界と鼻孔がふさがれ、深い水桶では顔を上げられずに溺れかける。まず冠羽を顔と鼻孔から離し、頭をやや下に向けて口と鼻の水を拭き取り気道を確保する。濡れた体をタオルで乾かし保温箱に入れ、開口呼吸が続く、ぐったりしているなら肺に水が入った可能性があるため直ちに受診する。逆さに振るのは内臓や首を傷め、吸い込んだ水は出ない。日なたに放置すると呼吸困難のまま熱中症も重なる。鶏の胸を強く圧迫すると骨折や内臓損傷を起こす。
課題冠羽種に深い水桶を使い、頭を突っ込んで冠羽が濡れる危険を考えていなかった。暑い日に水を求めて顔を突っ込む行動を予測せず、見守りもしていなかった。
改善案冠羽種の給水器は冠羽が浸からない細口か浅い容器にし、深い水桶は運動場から撤去する。夏は日陰に浅い水場を複数置く。溺水後は気道確保・乾燥・保温の手順を決め、開口呼吸が続く場合は直ちに受診する基準を共有する。
Q28カラスが急降下しポーリッシュに傷事故
5月の朝、屋根のない庭の運動場。上が見えにくい2歳のポーリッシュの雄にカラスが急降下し、背中をくちばしでつついて飛び去った。鶏は背中の羽が抜けて皮膚が裂け、血がにじんでいる。他のチャボたちは物陰に逃げたが、ポーリッシュだけ気づくのが遅れた。カラスはまだ電線にとまって様子を見ている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 鶏をすぐ小屋に収容してガーゼで傷を押さえ、カラスの傷は感染しやすいため当日中に受診し、運動場の上に防鳥ネットを張る
- 傷は浅いので消毒して運動場に戻し、カラスを石で追い払う
- カラスは追い払えば来ないので、鶏はそのままにしてカラスを見張る
- 傷口にアルコールをたっぷりかけて小屋に戻す
正解A.鶏をすぐ小屋に収容してガーゼで傷を押さえ、カラスの傷は感染しやすいため当日中に受診し、運動場の上に防鳥ネットを張る
解説冠羽種は上方の視野がほぼなく、猛禽やカラスの接近に気づけないため格好の標的になる。まず鶏を小屋に収容し、裂けた皮膚をガーゼで押さえて止血する。カラスのくちばしの傷は細菌が多く、鳥の皮膚は薄いため深部まで達していることがあるので当日中に受診する。再襲撃を防ぐために運動場の上に防鳥ネットを張る。消毒だけで戻すと再び襲われ、感染も進む。カラスを見張るだけでは鶏の傷の処置が遅れる。アルコールは組織を傷め、鶏が羽づくろいで舐めて中毒の原因になる。
課題屋根も防鳥ネットもない運動場に、上方が見えない冠羽種を放していた。カラスが鶏を襲う危険を軽視し、襲撃後の傷の危険性と防鳥対策の必要性を認識していなかった。
改善案運動場の上に防鳥ネットを張り、冠羽種や小型種は人が見守れる時間だけ出す。カラスの出没時間帯は小屋に入れる。動物に傷つけられた鶏は傷の大きさに関係なく当日受診する基準を決め、ガーゼと箱を庭に常備する。
Q29展示会の輸送中に箱の中でぐったり事故
8月の昼過ぎ、品評会からの帰りの車内。密閉に近い木箱に入れた3歳のチャボの雄が、高速道路で2時間走った後、箱を開けると口を開けて翼を広げ、ぐったりして首を伸ばしている。車内はエアコンが効いているが、箱は後部の荷室に置いていて通気口が小さく、箱の中は蒸し暑い。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 箱を閉めたまま急いで自宅まで走り、家で冷やす
- 冷たい水を体全体にかけて一気に冷やす
- すぐ箱から出して涼しい車内に移し、足と脇の下を濡らしたタオルで冷やし、水を少量飲ませて、回復しなければ最寄りの鳥を診る病院へ向かう
- 元気づけるために餌を与えて箱に戻す
正解C.すぐ箱から出して涼しい車内に移し、足と脇の下を濡らしたタオルで冷やし、水を少量飲ませて、回復しなければ最寄りの鳥を診る病院へ向かう
解説鶏は汗をかけず、通気の悪い箱の中では夏の荷室で短時間に熱中症になる。開口呼吸、翼を広げる、首を伸ばしてぐったりは重度の熱中症の兆候で、放置すると数十分で死に至る。まず箱から出して涼しい車内に移し、足や脇の下を濡らしたタオルで冷やし、飲めるなら水を少量ずつ与える。回復しない、立てないなら帰宅を待たず最寄りの鳥を診る病院へ向かう。箱を閉めたまま走ると体温が上がり続ける。冷水を全身にかけると急激な冷却で血管が収縮しショックを起こす。餌を与えても熱中症は改善せず、誤嚥の危険がある。
課題夏の輸送で通気口の小さい木箱を荷室に置き、箱の中の温度を考えていなかった。輸送中に鶏の状態を確認する休憩を取らず、熱中症の症状と冷却方法も知らなかった。
改善案夏の輸送は通気の良いキャリーを使い、エアコンの風が届く座席側に置く。1時間ごとに停車して鶏の呼吸を確認し、保冷剤をタオルで包んで箱の外側に置く。展示会のルートに鳥を診る病院を調べておき、開口呼吸とぐったりは直ちに受診する基準を決める。
Q30子どもが抱いたチャボを落として胸を打った事故
6月の夕方、自宅の縁側。小学生の子どもが1歳のチャボの雌を抱き上げたところ、鶏が暴れて腕から飛び出し、約1mの高さから硬いコンクリートの上に胸から落ちた。鶏は一瞬動かず、その後立ち上がったが口を開けて呼吸し、胸のあたりを気にして羽を膨らませている。子どもは泣いていて、鶏をもう一度抱こうとしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 子どもに抱かせて安心させ、鶏が落ち着くまで撫でさせる
- 抱かずにタオルを敷いた箱に静かに入れて安静にし、開口呼吸が続くなら当日中に受診する
- 立ち上がったので無事と判断し運動場に戻す
- 口を開けているので水を無理にでも飲ませる
正解B.抱かずにタオルを敷いた箱に静かに入れて安静にし、開口呼吸が続くなら当日中に受診する
解説胸から硬い地面に落ちると、鶏の胸の骨折や気嚢・肺の損傷が起きることがある。立ち上がれても開口呼吸は胸部の損傷や痛みのサインで、抱き上げると胸を圧迫して呼吸を悪化させる。タオルを敷いた箱に静かに入れて揺らさず安静にし、開口呼吸が続く、ぐったりする、羽を膨らませたままなら当日中に受診する。立ち上がったことを無事の根拠にするのは危険で、内出血は数時間後に悪化する。無理に水を飲ませると呼吸が苦しい鶏は誤嚥する。子どもへの対応は鶏を箱に入れてから行う。
課題子どもに鶏の正しい抱き方を教えず、硬いコンクリートの上で抱かせていた。チャボは暴れると腕から飛び出すことを想定せず、落下後に抱き上げて胸を圧迫する誤りを許していた。
改善案子どもが鶏を抱く時は座って膝の上に乗せ、翼を軽く押さえる持ち方を教える。抱く場所は芝生や敷料の上に限る。落下後は箱で安静にし開口呼吸は当日受診する基準を家族で共有し、タオルと箱を縁側の近くに置いておく。
Q31展示会の針金タグを飲み込み首を振る中毒・誤飲
11月の夜、自宅の小屋。品評会で脚に付けていた針金付きのタグが外れて床に落ちていたらしく、3歳のオナガドリの雄が首を伸ばして何度も振り、口を開け閉めして飲み込みにくそうにしている。床を探すとタグの台紙だけがあり、針金部分が見当たらない。餌を入れても食べず、そのう(首の付け根)を触ると硬いものがある気がする。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 口に指を入れて針金を探り、見えたら引き抜く
- 塩水を飲ませて吐かせる
- 吐かせず何も食べさせず、タグの残骸を持って直ちに鳥を診る病院へ行き、レントゲンで針金の位置を確認してもらう
- パンを多めに食べさせて針金を包んで便と一緒に出す
正解C.吐かせず何も食べさせず、タグの残骸を持って直ちに鳥を診る病院へ行き、レントゲンで針金の位置を確認してもらう
解説針金のような鋭い金属は、そのうや砂嚢の壁を突き破り、腹膜炎や出血を起こす。首を伸ばして振る、口を開け閉めする、食べないはそのうや食道に異物がある典型的なサインである。吐かせたり無理に食べさせたりせず、タグの残骸を持って直ちに受診し、レントゲンで位置を確認して摘出や経過方針を決める。指を口に入れて探ると針金が食道を傷つけ、鶏が暴れて深く刺さる。鶏に塩水を飲ませると塩中毒を起こし、吐かせる効果も安全性もない。パンで包んで出す方法は鋭い金属には通用せず、砂嚢で擦られて穿孔する。
課題展示会後に脚のタグを外さず、外れた針金が床に落ちる危険を考えていなかった。鶏が光る小物をつついて飲み込む習性と、鋭い異物の危険性を知らず、吐かせる方法を考えた。
改善案展示会から帰ったらタグや針金はすぐ外して回収し、小屋の床を毎日点検する。異物誤飲時は吐かせず直ちに受診する基準を家族で共有する。レントゲンができる鳥の病院を事前に調べ、飲み込んだ物の残骸を持参する習慣をつける。
Q32視野の狭いポーリッシュが糸くずを食べていた中毒・誤飲
3月の午後、室内の飼育部屋。1歳のポーリッシュの雌が、床に落ちていた裁縫の糸くずや毛糸の切れ端をついばんでいたのを見つけた。冠羽が目を覆っていて、餌と糸の区別がつかずに食べたらしい。止めた時にはくちばしから糸の端が数cm出ていて、引っ張ると鶏が嫌がって首を縮める。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 糸を引っ張らずにくちばしの外に出ている部分をハサミで短く切り、床の糸くずを片付けて当日中に受診する
- 出ている糸をゆっくり引っ張って全部取り出す
- 糸は消化されるので放っておき、いつも通り餌を与える
- 食用油を飲ませて糸を滑らせて出す
正解A.糸を引っ張らずにくちばしの外に出ている部分をハサミで短く切り、床の糸くずを片付けて当日中に受診する
解説糸や毛糸は消化されず、そのうや腸の中で絡まって腸閉塞や腸の壁を切る原因になる。くちばしから出ている糸を引っ張ると、腸に絡んだ糸が内臓を引き裂く危険があるため、絶対に引っ張らず、外に出ている部分をハサミで短く切る。床の糸くずを片付け、当日中に受診して摘出や経過観察の方針を決める。放置すると数日で食欲不振・便の減少・そのうの停滞を起こす。食用油は誤嚥性肺炎を起こし、糸の排出にも効果がない。冠羽種は視野が狭く地面の異物を餌と間違えるため、環境の管理が重要になる。
課題冠羽種が視野の狭さから地面の小物を餌と間違える特性を知らず、裁縫の糸くずが落ちた部屋で放していた。異物を引っ張る危険性と、糸の誤飲が腸閉塞につながることを知らなかった。
改善案飼育部屋では裁縫道具・輪ゴム・ビニールを床に置かず、放す前に床を点検する。冠羽種は餌を目の高さの餌箱で与え、床にまかない。口から出ている異物は引っ張らず切って当日受診する手順を家族で共有する。
Q33羽色を良くするサプリを与えたら下痢中毒・誤飲
9月の朝、庭の小屋。展示会に向けて羽色を鮮やかにしたいと、ネットで見た成分不明の海外製サプリを3日前から4歳のオナガドリの雄の餌に混ぜていた。今朝から緑色の水様便が続き、羽を膨らませてうずくまり、餌を食べない。パッケージには英語で用量が書かれているが、鶏用かどうかは分からない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 量を半分にして続け、便が戻るか様子を見る
- 下痢止めとして人用の整腸薬を与える
- サプリの効果が出る過程なので展示会まで続ける
- サプリを直ちに中止し、保温して便の写真を撮り、サプリの容器を持って当日中に受診する
正解D.サプリを直ちに中止し、保温して便の写真を撮り、サプリの容器を持って当日中に受診する
解説成分不明のサプリは重金属や鶏に有害な添加物を含むことがあり、緑色の水様便・うずくまり・食欲廃絶は中毒や肝障害の可能性がある。まずサプリを中止し、保温して脱水を防ぎ、便の写真とサプリの容器を持って当日中に受診する。獣医師が成分を確認できることが診断と治療につながる。量を減らして続けるのは中毒を長引かせる。人用の整腸薬は鶏に適さない成分を含むことがあり、原因物質の排出も妨げる。展示会のために続ければ命に関わる。観賞鶏の羽色は栄養バランスの良い餌と健康管理で保つのが基本である。
課題展示会での見栄えを優先し、成分不明の製品を獣医師に相談せず与えた。鶏用でない製品の危険性と、水様便・食欲廃絶が中毒のサインであることを知らなかった。
改善案餌やサプリは獣医師か品種の保存会に相談してから使い、成分表示のない製品は使わない。羽色は配合飼料と青菜で保つ。新しい餌を試す時は少量から始め便を観察し、水様便・食欲廃絶は当日中に中止して受診する基準を決める。
Q34消石灰をまいた小屋に戻した脚毛種の足が赤い中毒・誤飲
12月の午後、裏庭の小屋。衛生対策として小屋の床に消石灰を厚くまき、乾くのを待たずに2歳のコーチンの雌を戻した。1時間後、脚毛が白い粉と湿気で固まり、足裏と指の間が赤くただれ、鶏は脚をしきりにつついて粉を口に入れている。くちばしの周りも白くなっている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 粉は乾けば落ちるので脚毛をそのままにして様子を見る
- 鶏を小屋から出し、脚とくちばしをたっぷりの水で洗い流して乾かし、ただれと口内の異常があるため当日中に受診する
- お酢で中和してから脚毛をこする
- 消石灰は殺菌になるので脚のただれも治ると考えて続ける
正解B.鶏を小屋から出し、脚とくちばしをたっぷりの水で洗い流して乾かし、ただれと口内の異常があるため当日中に受診する
解説消石灰は強いアルカリ性で、水分と反応して皮膚を化学的に傷める。脚毛種は羽が粉を抱え込んで湿気と混ざり、足裏や指の間にアルカリ熱傷を起こす。鶏が粉をつついて口に入れると口内や食道も傷つく。まず鶏を小屋から出し、脚とくちばしをたっぷりの水で洗い流して乾かし、当日中に受診して皮膚と口内の処置を受ける。放置すると熱傷が進み、脚毛の下で潰瘍になる。お酢で中和するのは反応熱でさらに傷め、こすると皮膚が剥がれる。消石灰の殺菌効果は鶏が触れない状態で使うのが前提で、ただれには有害である。
課題消石灰の強アルカリ性と皮膚への危険を知らず、乾く前に鶏を戻した。脚毛種は粉や湿気を羽に抱え込みやすいことを考えず、鶏が粉をつつく行動も想定していなかった。
改善案消毒剤は鶏を別の場所に移し、完全に乾いて粉が舞わなくなってから戻す。消石灰の代わりに鶏が触れても安全な方法を獣医師に相談する。脚毛種は消毒後に脚を確認し、ただれ・くちばしの異常は当日受診の基準を決めておく。
Q35小屋で殺虫スプレーを使った後チャボがふらつく中毒・誤飲
7月の夕方、窓を閉め切った小屋。蚊が多いため鶏痘を心配し、鶏を中に入れたまま市販の殺虫スプレーを小屋全体に大量に噴霧した。30分後、2歳のチャボの雌が首を揺らしてふらつき、よだれを垂らして震え、呼吸が速い。他の2羽もおとなしく、羽を膨らませている。小屋の中はまだ薬剤のにおいが強い。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 薬剤が効いてくれば蚊が減るので鶏はそのままにする
- 水をたくさん飲ませて薬を薄める
- 鶏全員をすぐ新鮮な空気の場所に出し、羽や脚についた薬剤を湿らせたタオルで拭き、スプレーの容器を持って直ちに受診する
- ふらつく鶏だけ箱に入れ、他の鶏は小屋に残して窓を開ける
正解C.鶏全員をすぐ新鮮な空気の場所に出し、羽や脚についた薬剤を湿らせたタオルで拭き、スプレーの容器を持って直ちに受診する
解説鳥は呼吸器が敏感で、閉め切った小屋での殺虫剤の大量噴霧は神経症状を起こす中毒につながる。首を揺らす・よだれ・震え・速い呼吸は中毒の兆候である。まず鶏全員を新鮮な空気の場所へ出し、羽や脚についた薬剤を湿らせたタオルで拭き取り、鶏が羽づくろいで舐めないようにする。スプレーの容器を持って直ちに受診し、成分を伝える。そのままにすると呼吸不全で死に至る。水を飲ませても吸入した薬剤は薄まらず、けいれんがあれば誤嚥する。症状のない鶏も同じ空気を吸っており、小屋に残すと遅れて発症する。
課題蚊対策として鶏がいる状態で殺虫剤を大量噴霧し、鳥の呼吸器の敏感さを知らなかった。鶏痘の防蚊は物理的な対策が基本であることを理解せず、薬剤の安全な使い方も確認していなかった。
改善案小屋の蚊対策は防蚊ネットと水たまりの除去を基本にし、薬剤は鶏を出して換気後に戻す。使う薬剤は鶏に使えるか獣医師に確認する。中毒の症状と、全員を外に出して容器を持って受診する手順を家族で共有する。
Q36猛暑日に冠羽種が開口呼吸で翼を広げる環境・災害
8月の午後2時、日陰の少ない庭の小屋。気温36℃の中、2歳のポーリッシュの雌が口を大きく開けて速い呼吸をし、翼を体から離して広げ、地面にうずくまっている。冠羽が顔を覆って熱がこもり、とさかの周りが赤黒い。水入れは日なたでお湯のようになっている。他のチャボは日陰の隅で同じ姿勢をしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 全員を日陰か涼しい室内に移し、足と脇の下を濡れタオルで冷やし、冷たい新鮮な水を用意して、改善しなければ当日中に受診する
- 氷水を張ったたらいに体ごと浸けて急速に冷やす
- 暑さに慣れさせるためにそのまま運動場に置く
- 扇風機の強風を顔に直接当て続ける
正解A.全員を日陰か涼しい室内に移し、足と脇の下を濡れタオルで冷やし、冷たい新鮮な水を用意して、改善しなければ当日中に受診する
解説鶏は汗をかけず、開口呼吸と翼を広げる姿勢は体温を逃がそうとする熱中症のサインである。冠羽種は顔周りの羽で熱がこもりやすく、水がお湯のようになっていれば飲んで冷やすこともできない。まず全員を日陰か涼しい室内に移し、足や脇の下を濡れタオルで冷やし、冷たい新鮮な水を用意する。30分以内に呼吸が落ち着かない、立てない、けいれんがあれば当日中に受診する。氷水に浸けると急激な冷却で血管が収縮してショックを起こす。そのままにすれば死に至る。扇風機の強風を顔に当て続けるのは冠羽が乱れ目を傷め、脱水も進む。
課題日陰の少ない小屋で猛暑日に鶏を放し、水入れが日なたで温まるのを放置した。冠羽種は顔周りに熱がこもりやすいことを知らず、熱中症のサインと冷却方法も準備していなかった。
改善案夏は小屋に遮光ネットを張り、水入れは日陰に複数置いて1日2回交換する。30℃を超える日は午後の最も暑い時間に室内か涼しい場所へ移す。濡れタオルと保冷剤を用意し、開口呼吸と翼を広げる姿勢を見たら即冷却、改善しなければ受診する基準を決める。
Q37停電でセラマの保温が切れた真冬の夜環境・災害
1月の夜11時、自宅の飼育部屋。外は氷点下4℃で、大雪による停電でヒーターとパネルヒーターが止まった。室温は1時間で12℃まで下がり、300gの2歳のセラマの雌と雄が羽を膨らませて震えている。復旧の見込みは不明で、家には使い捨てカイロ、湯たんぽ、毛布、段ボール箱がある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 鶏を毛布でぐるぐる巻きにして体温を閉じ込める
- 車のエンジンをかけて車内に鶏を置き、エアコンをつけて一晩過ごさせる
- カイロを鶏の体に直接貼って温める
- 段ボール箱にタオルを敷き、布で包んだ湯たんぽやカイロを箱の側面に置き、毛布で箱を覆って温度計で25〜30℃を保ち、朝まで様子を見る
正解D.段ボール箱にタオルを敷き、布で包んだ湯たんぽやカイロを箱の側面に置き、毛布で箱を覆って温度計で25〜30℃を保ち、朝まで様子を見る
解説セラマは体が小さく熱を失いやすく、12℃以下の室温が続くと低体温症に陥る。停電時は段ボール箱にタオルを敷き、布で包んだ湯たんぽやカイロを箱の側面に置き、毛布で箱全体を覆って熱を逃がさない。温度計で25〜30℃を確認し、鶏が熱源から離れられる空間を残す。毛布でぐるぐる巻きにすると動けず呼吸が妨げられ、熱がこもりすぎる危険もある。密閉した車内でエンジンをかけ続けるのは排気ガスと火災の危険がある。カイロを体に直接貼ると低温やけどを起こし、鶏は逃げられない。朝になって震えが続く、動きが鈍ければ受診する。
課題小型種を電気の保温器具だけに頼って飼い、停電時の代替手段を事前に準備していなかった。大雪の予報が出ていたのに、湯たんぽの準備や温度計の設置を考えていなかった。
改善案冬前に停電時用の湯たんぽ・カイロ・温度計・段ボール箱を用意し、保温箱の作り方を家族で練習する。大雪や台風の予報時は事前に湯を沸かしておく。保温中は温度計で25〜30℃を確認し、熱源から離れられる空間を残す手順を決めておく。
Q38台風で止め箱が浸水しオナガドリの尾羽が泥に環境・災害
9月の朝、台風通過後の納屋。雨水が床から浸入して止め箱の下部が5cm浸水し、5歳のオナガドリの雄の長い尾羽が泥水に浸かって重く垂れ下がっている。鶏は濡れた尾羽を引きずり、体も半分濡れて震えている。納屋の電気は止まり、外気温は20℃だが風がまだ強い。尾羽の先には泥と糞が固まり始めている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 尾羽を守るために先に泥を洗い落とし、鶏の体は後回しにする
- 鶏を乾いた室内に移してタオルで体を拭き保温し、落ち着いてから尾羽をぬるま湯で泥を落として乾かし、羽の根元に異常がないか確認する
- 濡れた尾羽は邪魔なので根元から切り落として保温する
- 止め箱の水が引くまで鶏をそのまま置いて見守る
正解B.鶏を乾いた室内に移してタオルで体を拭き保温し、落ち着いてから尾羽をぬるま湯で泥を落として乾かし、羽の根元に異常がないか確認する
解説災害時の優先順位はまず鶏の命で、濡れて震える体を乾いた室内に移してタオルで拭き保温する。体が落ち着いてから、尾羽をぬるま湯で優しく洗い泥と糞を落とし、タオルで押さえて乾かし、羽の根元の赤みや出血を確認する。尾羽の汚れを放置すると羽毛嚢炎や羽折れの原因になるが、体より先に尾羽を洗うのは低体温症を進める。尾羽を切り落とすと数年かけて伸びた羽が失われ、羽軸から出血する。浸水した止め箱に置き続けると体温と体力を失い、泥が固まって羽を傷める。乾くまでは尾羽が床につかない高い止まり木を用意する。
課題台風前に浸水しやすい納屋の止め箱を高い場所に移す準備をしていなかった。災害時の避難先と乾いた予備の止まり木を用意せず、体の保温と尾羽の手入れの優先順位も決めていなかった。
改善案台風や大雨の予報時は止め箱を床から上げるか室内に移す。室内の避難用の高い止まり木とタオル・保温具を準備する。災害後は体の保温を優先し、その後に尾羽を洗って乾かす手順を決め、羽の根元の異常があれば受診する基準を共有する。
Q39地震で避難、オナガドリとチャボをどう運ぶか環境・災害
3月の深夜、震度6の地震で自宅が損傷し、避難所へ移動する必要が出た。納屋の止め箱に4歳のオナガドリの雄、庭の小屋にチャボ3羽がいる。余震が続き、家族は懐中電灯と段ボール、タオル、ペット用の水を持っている。車で移動する予定で、長い尾羽をどう扱うか、避難所に鶏を連れていけるかも分からない。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 鶏は置いていって落ち着いてから戻り、尾羽は切らずにそのままにする
- オナガドリの尾羽を持ち上げて抱え、チャボは全員まとめて1つの袋に入れて運ぶ
- タオルを敷いた段ボール箱に1羽ずつ入れ、オナガドリは尾羽を折らず緩く丸めて収め、暗く保温して運び、避難所の動物受け入れを確認する
- 尾羽を根元から切ってから小さな箱に入れ、避難所の中に無断で持ち込む
正解C.タオルを敷いた段ボール箱に1羽ずつ入れ、オナガドリは尾羽を折らず緩く丸めて収め、暗く保温して運び、避難所の動物受け入れを確認する
解説災害時は1羽ずつ段ボール箱に入れると落ち着き、互いのつつきや圧迫を防げる。オナガドリは尾羽を折らず緩く丸めて箱に収め、暗く静かにして保温することで、ストレスと羽の損傷を最小限にする。避難所によって動物の受け入れ場所やルールが異なるため、到着前に確認し、同行避難の指示に従う。鶏を置いていくと余震や倒壊、動物の襲撃で命を落とす。チャボをまとめて袋に入れると圧迫と窒息、暴れによる怪我が起きる。尾羽を切るのは羽軸からの出血と数年の羽を失う行為で、無断持ち込みはトラブルの原因になる。
課題災害時の鶏の避難方法を事前に考えておらず、オナガドリの尾羽の扱いやチャボの運び方、避難所の動物受け入れルールも調べていなかった。避難用の箱や記録の準備がなかった。
改善案各鶏用の段ボール箱かキャリーを用意し、オナガドリの尾羽を丸めて収める練習をしておく。自治体の避難所のペット受け入れ方針を確認し、品種名・年齢・写真の記録をスマホと紙で保管する。家族で避難時の役割と鶏の運び方を決めておく。
Q40氷点下予報、とさかの大きい鶏の凍傷を防ぐには環境・災害
12月の夕方、庭の小屋。天気予報で今夜は氷点下6℃、北風が強いと出た。小屋にはとさかと肉垂が大きい3歳のミノルカの雄と、小型チャボ2羽がいる。小屋は北側が金網のままで風が吹き抜ける。昨年は別の鶏がとさかの先を凍傷で失った。家には防風シート、ワセリン、電気ストーブ、厚い敷料がある。
今夜の対策として最も適切なものはどれか
- 小屋の北側に防風シートを張って風を遮り、敷料を厚くし、とさかと肉垂に薄くワセリンを塗り、小型チャボは室内の保温箱へ移す
- 電気ストーブを小屋の中に置いて扉を閉め切り、朝まで点けっぱなしにする
- とさかが凍らないようにお湯で温めてから小屋に入れる
- 鶏は羽があるので何もしなくても平気だと考える
正解A.小屋の北側に防風シートを張って風を遮り、敷料を厚くし、とさかと肉垂に薄くワセリンを塗り、小型チャボは室内の保温箱へ移す
解説とさかや肉垂の大きい品種は血流が末端まで届きにくく、氷点下の風に当たると凍傷になる。小型チャボは体温保持が苦手で氷点下では命に関わる。対策は風を遮ること、敷料を厚くして足元を冷やさないこと、とさかと肉垂に薄くワセリンを塗って湿気と風から守ること、小型種を室内の保温箱に移すことである。電気ストーブを閉め切った小屋に置くと火災と一酸化炭素の危険があり、敷料は燃えやすい。お湯で温めると濡れた部分が蒸発で冷え、かえって凍傷を進める。昨年の凍傷の教訓を踏まえ、羽があっても末端は守れないと理解する。
課題昨年の凍傷の経験があるのに小屋の北側が金網のまま冬を迎え、氷点下の夜の対策を当日まで考えていなかった。品種ごとの寒さへの弱さと、安全な保温方法の知識が不足していた。
改善案冬前に小屋の風向きを確認し、北側に防風シートを常設する。氷点下の予報時はとさかにワセリンを塗り、小型種は室内に移す手順を決める。火を使う暖房は小屋に置かず、朝一番にとさかと足の確認をして黒変があれば受診する。
Q41展示会から帰った鶏をすぐ群れに戻す?感染症・衛生
10月の夕方、自宅の庭。品評会に2日間出していた3歳のチャボの雄を連れ帰った。会場では多くの鶏と近い距離で並び、他の飼い主も触っていた。見た目は元気で食欲もある。家には同じ小屋にチャボ4羽とポーリッシュ1羽がいて、空いている予備の小屋が離れた場所にある。会場で使った靴のまま庭に入ろうとしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 元気なので元の小屋にすぐ戻し、翌日から普段通り世話をする
- 離れた予備の小屋で2週間隔離し、会場で使った靴と輸送箱を消毒し、隔離鶏の世話は健康な群れの後に行う
- 群れに戻す前に水で体を洗い流してから入れる
- 予備の小屋に1日だけ入れ、翌朝元気なら群れに戻す
正解B.離れた予備の小屋で2週間隔離し、会場で使った靴と輸送箱を消毒し、隔離鶏の世話は健康な群れの後に行う
解説展示会は多くの鶏が集まり、呼吸器の感染症や寄生虫、鳥インフルエンザを含む病原体が持ち込まれやすい場である。感染していても数日から2週間は症状が出ないため、見た目の元気さは安全の根拠にならない。帰宅した鶏は離れた予備の小屋で2週間隔離し、靴と輸送箱を消毒し、世話の順番は健康な群れを先にして隔離鶏を最後にする。すぐ戻すと群れ全体に広がり、観賞鶏は近親系統で抵抗力が弱いこともある。水で洗っても体内の病原体は除けず、体を冷やす。1日の隔離では潜伏期間をカバーできない。
課題展示会が感染症の持ち込み経路であることを理解せず、帰宅後の隔離と消毒の手順を決めていなかった。会場で使った靴で庭に入ろうとするなど、衛生管理の意識が不足していた。
改善案展示会に出す前に予備の小屋を隔離用に整え、帰宅後2週間の隔離をルールにする。会場用の靴と服は庭に入る前に脱ぎ、輸送箱は洗って消毒する。隔離中は毎日鼻・目・便・脚を観察し、異常があれば当日受診する。
Q42とさかの白い粉状の痂皮と飼い主の腕の発疹感染症・衛生
11月の朝、庭の小屋。2歳のセブライトの雄のとさかと顔に、白い粉をふいたような痂皮が広がり、周囲の羽が抜けている。数日前から素手でとさかを触って手入れしていた飼い主の腕に、縁が盛り上がった輪状のかゆい発疹が出てきた。同じ小屋の他の鶏のとさかにも小さな白い斑点がある気がする。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 白い粉は乾燥なので保湿クリームを素手で塗る
- 鶏の痂皮をこすり落として消毒液をかける
- 人の発疹は虫刺されなので市販のかゆみ止めを塗って終わりにする
- 発症鶏を隔離し手袋で扱って受診し、飼い主も皮膚科を受診して鶏と接触したことを伝え、器具を共用せず手洗いを徹底する
正解D.発症鶏を隔離し手袋で扱って受診し、飼い主も皮膚科を受診して鶏と接触したことを伝え、器具を共用せず手洗いを徹底する
解説とさかの白い粉状の痂皮と羽の脱落は、鶏の白癬(頭部白癬)と呼ばれる真菌の感染で、素手で触ると人の皮膚にうつり輪状の発疹を起こす。発症鶏を隔離し、手袋で扱って鳥を診る病院で診断と治療を受ける。飼い主は皮膚科を受診して鶏との接触を伝え、適切な治療を受ける。器具やタオルの共用をやめ、作業後は手洗いを徹底する。保湿クリームを素手で塗るのは感染を広げる。痂皮をこすると真菌を含んだ粉が舞い、他の鶏や人にうつる。人の発疹を虫刺されと決めつけると治療が遅れ、家族にも広がる。
課題とさかの異常を素手で触り、人にうつる皮膚病の可能性を考えなかった。鶏の皮膚の病気を乾燥と判断し、同居鶏への広がりも見逃していた。鶏の世話後の手洗いや手袋の習慣がなかった。
改善案とさかや皮膚の異常がある鶏は手袋で扱い、作業後に手洗いする。白い痂皮や羽の脱落は数日以内に受診する基準を決め、同居鶏も確認する。人の皮膚に異常が出たら鶏との接触を医師に伝える。器具は鶏ごとに分けて消毒する。
Q43止め箱の隙間に赤いダニ、作業後に腕がかゆい感染症・衛生
6月の夜、納屋。オナガドリの止め箱を掃除していると、木の隙間から小さな赤い虫が多数動き出し、腕に這い上がってきた。翌朝、腕と首に赤い刺し跡が並んでかゆい。4歳のオナガドリの雄は夜間に落ち着かず、とさかの色が以前より白っぽい。作業着は家の中に持ち込み、居間に置いてあった。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- ダニは鶏だけの問題なので人のかゆみは放っておく
- 家庭用の殺虫剤を止め箱の中に鶏を入れたまま噴霧する
- 鶏を別の場所に移して止め箱の隙間を熱湯で消毒し、作業着は室内に持ち込まず洗濯し、鶏の貧血を獣医師に相談して刺し跡が続けば皮膚科を受診する
- 止め箱を捨てて新しいものに替えれば解決する
正解C.鶏を別の場所に移して止め箱の隙間を熱湯で消毒し、作業着は室内に持ち込まず洗濯し、鶏の貧血を獣医師に相談して刺し跡が続けば皮膚科を受診する
解説木の隙間に潜む赤い虫はワクモで、夜に鶏から吸血し、とさかが白っぽくなる貧血と落ち着きのなさを起こす。人の皮膚も刺して皮膚炎になり、作業着で室内に持ち込むと家中に広がる。鶏を別の場所に移し、止め箱の隙間を熱湯や日光で消毒し、作業着は室内に持ち込まず洗濯する。貧血のある鶏は獣医師に相談して適切な駆除薬を使い、人の刺し跡が続くなら皮膚科を受診する。人のかゆみを放置すると家族に広がる。鶏を入れたまま殺虫剤を噴霧すると中毒を起こす。止め箱を替えても鶏の体と周囲に残ったダニで再発する。
課題止め箱の隙間を定期的に消毒せず、ワクモが人を刺すことを知らずに作業着を室内に持ち込んだ。夜間の落ち着きのなさと、とさかの色の変化を貧血のサインと結びつけられなかった。
改善案止め箱と産卵箱の隙間は月1回熱湯か日光で消毒し、隙間をパテで減らす。作業着と靴は小屋専用にし室内に持ち込まない。夜間の様子ととさかの色を観察し、赤いダニを見つけたら獣医師に駆除方法を相談する手順を決める。
Q44朝、観賞鶏が2羽急死し他もぐったり感染症・衛生
2月の朝7時、庭の小屋。昨日まで元気だった3歳のチャボと2歳のポーリッシュが死んでおり、残りのセブライト2羽も羽を膨らませてぐったりし、とさかが紫色で顔が腫れている。小屋の餌箱には野鳥の糞があり、先週から近くの池で野鳥が死んでいたという話を聞いていた。素手で死んだ鶏を片付けようとしている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 死んだ鶏や生きている鶏に素手で触らず、手袋とマスクを着けて小屋を閉め、直ちに家畜保健衛生所に連絡して指示に従う
- 死んだ鶏を庭に埋め、残りの鶏を保温して様子を見る
- 残りの鶏を抱いて車で遠くの病院に連れて行く
- 死因を調べるため知人の飼い主に鶏を見せに行く
正解A.死んだ鶏や生きている鶏に素手で触らず、手袋とマスクを着けて小屋を閉め、直ちに家畜保健衛生所に連絡して指示に従う
解説複数羽の急死、とさかの紫変色、顔の腫れが同時に起こり、野鳥の糞や近隣での野鳥の死があれば、鳥インフルエンザを疑う状況である。観賞鶏であっても鶏は家畜伝染病予防法の家禽であり、異常を見つけた飼養者には届出義務がある。素手で触らず、手袋とマスクを着けて小屋を閉め、人や物の出入りを止め、直ちに家畜保健衛生所に連絡して指示に従う。死体を埋めると病原体が広がり、法的にも問題になる。鶏を抱いて車で運ぶと人や他の場所に広げ、病院も受け入れられない。知人に見せに行くのは病原体を持ち出す行為で最も危険である。
課題野鳥が餌箱に入る構造の小屋で、近隣の野鳥の死の情報を聞きながら防鳥対策を取らなかった。観賞鶏も家畜伝染病予防法の対象であり、急死時に家畜保健衛生所へ届け出る義務があることを知らなかった。
改善案小屋全体に防鳥ネットを張り、餌と水を野鳥が触れない場所に置く。家畜保健衛生所の連絡先を小屋に貼り、観賞鶏も飼養の報告義務があることを確認する。急死や複数羽の異常は触らず連絡する手順を家族で共有し、手袋とマスクを常備する。
Q45呼びかけに反応しないセラマ、心拍の確認は救命救急
2月の深夜1時、室内の保温箱。日中から元気のなかった2歳のセラマの雌が、箱の中で横倒しになり、声をかけても冠羽に触れても反応しない。体はやや冷たく、胸の動きが見えにくい。家族は心臓マッサージをすべきか迷い、スマホで調べ始めた。鳥を診る夜間救急は車で40分の場所にある。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 犬猫と同じように胸を強く圧迫して心臓マッサージを始める
- 胸に耳を当てて心拍を確認し、首を伸ばして気道を確保して30℃前後で保温し、呼吸や心拍が弱くてもあれば保温したまま直ちに夜間救急へ向かう
- スマホで調べ終わるまで触らずに待つ
- 水を口に入れて反応を見る
正解B.胸に耳を当てて心拍を確認し、首を伸ばして気道を確保して30℃前後で保温し、呼吸や心拍が弱くてもあれば保温したまま直ちに夜間救急へ向かう
解説鶏は胸部圧迫による心肺蘇生が骨折や内臓損傷の危険から推奨されず、小型のセラマでは特に危険である。まず胸に耳を当てて心拍を確認し、首を伸ばして気道を確保し、口の中に冠羽や異物がないか見る。30℃前後で保温して暗く静かにし、呼吸や心拍が弱くてもあれば保温したまま直ちに夜間救急へ向かう。意識が戻るのを待って夜を越すのは危険で、低体温と低血糖が進む。犬猫式の強い圧迫は体重300gの鶏の胸骨を折る。スマホで調べる間に時間を失う。意識のない鶏に水を入れると誤嚥する。
課題日中から元気がなかったのに夜間まで受診を先延ばしにした。鶏に心臓マッサージが適さないことと、気道確保・保温・搬送という鳥の救命の基本を知らず、夜間救急の判断も準備していなかった。
改善案元気がない小型種は当日中に受診する基準を決める。鳥の心拍と呼吸の確認方法、気道確保と保温の手順を家族で練習する。鳥を診る夜間救急の連絡先と所要時間を保温箱の近くに貼り、搬送用のカイロとタオルを常備する。
Q46衰弱したオナガドリを病院へ運ぶ方法救命救急
12月の朝、納屋。5歳のオナガドリの雄が止まり木から降りて床でうずくまり、餌を食べず羽を膨らませている。鳥を診る病院へ車で1時間かけて運ぶ必要がある。長い尾羽をどう収めるか、どんな箱で運ぶか迷っている。家には大きな段ボール箱、タオル、使い捨てカイロ、小型のキャリーがある。外気温は5℃。
搬送方法として最も適切なものはどれか
- 尾羽が収まらないので鶏を膝の上に抱いて運転する
- 小型のキャリーに尾羽を折り曲げて無理に押し込む
- 箱に入れず後部座席に置いて自由にさせる
- 大きな段ボール箱にタオルを敷き、尾羽を折らず緩く丸めて入れ、布で包んだカイロで保温し、暗くして揺らさず運ぶ
正解D.大きな段ボール箱にタオルを敷き、尾羽を折らず緩く丸めて入れ、布で包んだカイロで保温し、暗くして揺らさず運ぶ
解説衰弱した鶏は暗く静かな箱で安静にし、体温を保ちながら揺らさず運ぶことが基本である。オナガドリは尾羽が長いため大きな段ボール箱にタオルを敷き、尾羽を折らず緩く丸めて収める。布で包んだカイロを箱の側面に置き、5℃の外気から体を守る。膝の上で抱くと運転が危険で、鶏が暴れて尾羽が折れ、冷えた体を温められない。小型のキャリーに尾羽を押し込むと羽軸が折れて出血し、羽嚢を傷める。後部座席で自由にすると急停車で怪我をし、暗くできないためストレスで悪化する。受診時には品種名と尾羽の状態も伝える。
課題オナガドリに合った大きさの搬送箱を準備しておらず、尾羽を守りながら運ぶ方法を知らなかった。衰弱の前兆を見逃し、搬送前の保温と暗所の重要性も理解していなかった。
改善案オナガドリ用に尾羽を丸めて入れられる大きな搬送箱を用意し、尾羽を丸める練習をしておく。カイロ・タオル・温度計を常備し、搬送中は箱を暗くして揺らさない。鳥を診る病院へ事前連絡し、品種名と尾羽の扱いを伝える習慣をつける。
Q47羽軸の出血、5分圧迫しても止まらない救命救急
5月の夕方、納屋。オナガドリの雄の伸びかけの尾羽が止め箱の角で折れ、根元から出血している。タオルで包んでガーゼで根元を5分以上押さえたが、離すとまた血がにじみ、ガーゼは赤く染まる。鶏はまだ立っているが、とさかの色がやや薄くなってきた気がする。家には止血剤と片栗粉がある。
次に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 出血は時間が経てば止まるので圧迫をやめて止め箱に戻す
- 出血している羽を根元から引き抜いて止血する
- 止血剤か片栗粉を出血部に押し当ててガーゼで圧迫し、圧迫を続けたまま保温して直ちに受診する
- 尾の付け根をひもで強く縛って血を止める
正解C.止血剤か片栗粉を出血部に押し当ててガーゼで圧迫し、圧迫を続けたまま保温して直ちに受診する
解説伸びかけの羽は羽軸に血液が通っており、5分以上の圧迫で止まらない出血は家庭での処置の限界を超えている。とさかの色が薄くなるのは失血による貧血の兆候で、小型の鶏では少量でも命に関わる。止血剤か片栗粉を出血部に押し当ててガーゼで圧迫し、圧迫を続けたまま保温して直ちに受診し、羽軸の処置を受ける。圧迫をやめて戻すと出血が続き貧血が進む。羽を引き抜くと羽嚢からの出血がさらに増え、良い羽が二度と生えない。尾の付け根を縛るのは血流を止めて組織を壊し、効果もない。
課題止め箱の角で伸びかけの羽が折れる構造を放置していた。5分圧迫しても止まらない出血の次の手順を知らず、貧血のサインであるとさかの色の変化を見ても受診の判断が遅れた。
改善案止め箱の角にカバーを付け、伸びかけの羽がある時期は止め箱の点検を増やす。止血剤・片栗粉・ガーゼを納屋に常備し、5分圧迫で止まらない出血は圧迫したまま即受診する手順を貼っておく。とさかの色の変化を貧血の目安として覚える。
Q48夜中に冠羽種がけいれん、救急に行くべきか救命救急
9月の夜11時、室内の小屋。2歳のポーリッシュの雄が、昼間に小屋の天井に頭をぶつけてから元気がなく、今になって首をのけぞらせて翼をばたつかせるけいれんを数十秒繰り返している。発作の合間はぐったりして反応が鈍い。鳥を診る夜間救急は車で50分の場所にある。朝まで待つべきか迷っている。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさず保温して直ちに夜間救急へ電話し、指示に従って向かう
- けいれんが止まったら朝まで様子を見て、朝一番で受診する
- けいれん中に体を押さえつけて動きを止める
- けいれんの動画を撮り続けて朝に獣医師に見せる
正解A.暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさず保温して直ちに夜間救急へ電話し、指示に従って向かう
解説冠羽種は頭蓋に隙間のある個体が多く、頭をぶつけた後のけいれんは脳の損傷や腫れによる重篤な神経症状である。発作が繰り返される状態は時間とともに悪化し、朝まで待つと命を落とすか後遺症が残る。暗い箱にタオルを敷いて入れ、揺らさず保温し、直ちに夜間救急へ電話して指示に従って向かう。昼間の頭部打撲の経緯も伝える。発作中に体を押さえると骨折や怪我の原因になり、発作も止まらない。動画は短く1本あれば十分で、撮り続けて受診を遅らせてはならない。頭部の打撲後は数時間から数日後に症状が出ることがある。
課題昼間に頭をぶつけた時点で冠羽種の頭部外傷の危険を認識せず、元気のなさを放置した。頭蓋の隙間という品種の弱点と、けいれんが夜間救急に該当する緊急症状であることを知らなかった。
改善案冠羽種の小屋は天井を高くし、頭をぶつける突起をなくす。頭部打撲後は3日間神経症状を観察し、頭の傾き・旋回・けいれんは直ちに受診する基準を決める。鳥を診る夜間救急の連絡先と所要時間を小屋に貼り、搬送用の箱とカイロを常備する。
Q49口を開けたまま苦しむポーリッシュ、気道確保は救命救急
4月の昼、庭の小屋。1歳のポーリッシュの雌が、餌を急いで食べた直後に口を開けたまま首を伸ばし、ゼーゼーと音を立てて苦しそうにしている。口の中をのぞくと、濡れた冠羽の先が口の中に入り込み、その奥に餌の塊が見える。鶏は首を振って吐き出そうとするが出ない。顔色が悪くなってきた。
最初に取るべき行動として最も適切なものはどれか
- 逆さに吊るして背中を強く叩き、餌を落とす
- 冠羽を口から離して髪ゴムでまとめ、首を伸ばして気道を確保し、見える餌の塊だけ綿棒で優しく取り除き、改善しなければ直ちに受診する
- 水を口に流し込んで餌を押し流す
- そのまま吐き出すのを待ち、動画を撮っておく
正解B.冠羽を口から離して髪ゴムでまとめ、首を伸ばして気道を確保し、見える餌の塊だけ綿棒で優しく取り除き、改善しなければ直ちに受診する
解説冠羽種は濡れた冠羽が口や鼻孔に入り込み、餌の塊と重なって気道をふさぐことがある。まず冠羽を口から離して髪ゴムでまとめ、首を伸ばして気道をまっすぐにし、口の奥の見える範囲の餌の塊だけを綿棒で優しく取り除く。見えない奥まで探ると粘膜を傷つけるため行わない。呼吸音や開口呼吸が続く、顔色が戻らないなら直ちに受診する。逆さに吊るして叩くと誤嚥と首の損傷を起こす。水を流し込むと気道に入って窒息や肺炎になる。待っている間に窒息が進み、動画を撮るのは処置の遅れになる。
課題冠羽が濡れたまま餌を与え、冠羽が口に入り込む危険を考えていなかった。早食いを防ぐ給餌方法や、気道確保の手順と見える範囲だけ除去する原則を知らなかった。
改善案冠羽種は給餌前に冠羽を乾かし、必要なら髪ゴムでまとめる。餌は目の高さの餌箱で少量ずつ与え早食いを防ぐ。首を伸ばす・冠羽を口から離す・見える異物だけ除くという気道確保の手順を家族で共有し、改善しなければ直ちに受診する。
Q50初めての鳥の病院、観賞鶏で何を伝える救命救急
10月の朝、自宅。4歳のオナガドリの雄が2日前から食欲が落ち、緑色の便が続いている。先週、品評会に出したばかりで、同じ小屋にはチャボ2羽がいる。初めて鳥を診る病院へ行くことになり、電話で事前連絡をしたところ、受付で持ち物と伝えることを聞かれた。何を準備すればよいか迷っている。
受診時の準備と伝える情報として最も適切なものはどれか
- 鶏を箱に入れるだけで、品種や経緯は聞かれてから答える
- 尾羽を切って小さな箱に入れ、便は捨ててきれいにしてから行く
- 鶏と一緒に同居のチャボ2羽も全員連れて行き待合室で放す
- 品種名・年齢・冠羽や脚毛の有無・品評会への参加歴・便の写真・餌と床材・同居鶏の様子をまとめ、尾羽を丸めて箱で保温して運ぶ
正解D.品種名・年齢・冠羽や脚毛の有無・品評会への参加歴・便の写真・餌と床材・同居鶏の様子をまとめ、尾羽を丸めて箱で保温して運ぶ
解説観賞鶏の診察では、品種特有の体のつくりや管理が診断の手がかりになる。品種名・年齢・冠羽や脚毛の有無・品評会への参加歴は、感染症の持ち込みや品種特有の病気を考える上で重要な情報である。便の写真、餌と床材、同居鶏の様子も伝える。鶏は尾羽を折らず丸めて箱に入れ、保温して運ぶ。品種や経緯を準備しないと診察が遅れ、聞かれても答えられないことが多い。尾羽を切る必要はなく、便は診断に役立つため写真か現物を持参する。同居鶏を待合室で放すのは他の動物への感染と逃走の危険がある。
課題初めての受診に備えて、品種の特性や管理の記録、便の写真などの情報をまとめていなかった。品評会の参加歴が感染症の診断に関わることを知らず、受診時の準備と搬送方法も決めていなかった。
改善案品種名・年齢・特徴・餌・床材・産卵や換羽の記録を1枚にまとめて保管する。異常を見つけたら便の写真を撮る習慣をつける。品評会の参加日と場所を記録し、受診時に伝える。鳥を診る病院へ事前連絡し、搬送箱と保温具を常備する。

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