基本情報
- 寿命
- 15〜20年
- 体重
- オス4〜7kg超、全長1.2〜1.4m
- 性格
- 知能が高く人慣れしやすいが力が強い
- 飼育難易度
- 高(部屋サイズの飼育場・休眠管理)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。輸入はCITES付属書Ⅱ
- 最重要ポイント
- 成体1.2m超・冬季休眠を前提に設備を用意
生態と特徴
- 体の特徴
- 全長1.2〜1.4m。太い尾・強い顎と鋭い爪。二股の舌で匂いを探り嗅覚が鋭い
- 原産地・分布
- アルゼンチン・ブラジル南部・パラグアイ・ウルグアイ
- 野生での生息環境
- 草原・疎林・農地周辺の地上。自分で掘った巣穴に潜む
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。日光浴後に採食し、冬は数か月間休眠(ブルメーション)
- 社会性・人との関係
- 単独性で縄張りを持つ。飼育下では飼い主を識別し犬のように慣れる
特徴的な行動・習性
- 前肢で盛んに穴を掘り、床材に潜って眠る
- 威嚇時は体を膨らませ息を吐き、尾で叩いて噛みつく
- 繁殖期前の冬に食欲を落とし土中で休眠する
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
肥満・脂肪肝
予兆腹が床に垂れる、尾の付け根が太い、動かない、食欲低下、黄色っぽい尿酸
予防マウス・卵・脂肪の多い肉を控え、昆虫・野菜・果物を増やす。体重を月1回記録
痛風
予兆関節が腫れて痛がる、足を引きずる、口腔内の白い結節、食欲不振、飲水量低下
予防肉類・内臓の与え過ぎを避け、水を常に用意。脱水と低温を防ぐ
代謝性骨疾患
予兆顎が柔らかい・変形、四肢の震え、歩行異常、背骨の湾曲、骨折しやすい
予防UVB灯を半年ごとに交換。カルシウムを餌にまぶし、ビタミンD3を適量
休眠中の衰弱
予兆休眠中に体重が1〜2割以上減る、皮膚のしわ、目が落ちくぼむ、覚醒しない
予防休眠前に健診と駆虫を受け、月1回そっと体重を測り減りすぎたら受診
寄生虫症
予兆下痢、血便、粘液便、やせる、食欲の変動、便に虫体
予防迎えた時と年1回の糞便検査。ケージを清潔に保ち、野生の虫を与えない
脱皮不全・皮膚炎
予兆指先や尾先に古い皮が残り締め付ける、皮膚の赤み・ただれ・水ぶくれ
予防湿度60〜80%と水場を維持。湿らせた隠れ家を置き、床材を乾燥・汚染させない
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
関節の腫れ・跛行
痛風や骨折の可能性。無理に歩かせず温め、水を飲める場所に置き当日中に受診。鎮痛薬は与えない
口を開けて呼吸
温度を適温に戻し湿度を確認。粘液や泡があれば肺炎の疑いで当日中に受診。冷やさない
下痢・血便が続く
便を密閉して持参し当日中に受診。水を切らさず、生肉・果物を止めて保温する
休眠中に覚醒しない
体重が2割減、目のくぼみ、皮膚のしわがあれば室温を徐々に上げ当日中に受診。急に温めない
起こりやすい怪我と予防・応急処置
爪の損傷・出血
予防網やカーペットで爪を引っかけない床にする。岩や流木で自然に削れる環境を作る
応急処置清潔なガーゼで5分圧迫。止まらない、爪が根元から抜けた場合は当日中に受診
尾の損傷・自切
予防尾を掴んで持ち上げない。ドアや蓋で尾を挟まない。他個体と同居させない
応急処置切断面をガーゼで押さえ清潔に。出血が多い・骨が見える時は当日中に受診
火傷
予防ヒーターやライトは直接触れない位置に。保護カバーとサーモスタットを使う
応急処置患部を常温の水で冷やし、軟膏は塗らない。水ぶくれ・皮がむける時は当日中に受診
落下・骨折
予防高い台やソファから自由に歩かせない。抱く時は体の下を両手で支える
応急処置動かさず箱に入れて安静に。四肢の変形・動かない時は当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
サルモネラ症
感染経路糞・皮膚に触れた手から口へ。飼育水や床材
予防触れた後は石けんで手洗い。台所で洗わない。乳幼児・高齢者は接触を控える
咬傷の細菌感染
感染経路咬傷・爪による裂傷
予防傷は流水で洗い消毒。深い傷・腫れは受診し抗菌薬の処方を受ける
ダニ媒介感染症
感染経路外部寄生虫のダニが人を刺す
予防迎えた個体を検疫しダニを除去。ケージを定期的に熱湯消毒
クリプトスポリジウム
感染経路糞に汚染された器具・手
予防器具は専用にし、消毒後によく乾燥。糞便検査で感染を確認
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 幼体は毎日、成体は週2〜3回、雑食で肉・虫・野菜・果物
- 成体は野菜・果物4割、動物性6割を目安に
- 肉にカルシウム剤をまぶす。全卵・マウスは月数回まで
水
- 体が入る大きさの水容器を常設し毎日交換
- 飲水を見ない時は霧吹きや温浴で補給
与えてはいけないもの
- アボカド・玉ねぎ・ニラ・ルバーブ
- 生の豚肉・加工肉・味付けした人の食べ物
- 野外で捕った昆虫や小動物(寄生虫・農薬)
おもちゃ・遊び
- 掘れる深い床材(30cm以上)
- 大きな流木・岩で登り降りや爪研ぎ
- 匂い付きの餌探しで知能を刺激
巣・寝床・隠れ家
- 体がすっぽり入る大きな隠れ家を暖側と涼側に
- 湿らせた水苔入りの隠れ家(湿度確保・休眠用)
床材・トイレ
- サイプレスマルチ・土と水苔の混合など保湿床材
- 乾いた新聞・砂は不可(脱皮不全・鼻づまり)
- 糞は毎日、床材は全交換を月1回
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
木製・ガラス前面の自作ケージか部屋ごと飼育。噛んで壊れない強度
大きさ・広さ
成体は最低2.4×1.2m。高さ60cm以上、床材深さ30cm
配置・レイアウト
- 暖側にバスキング岩、涼側に水容器と隠れ家
- 床材を深く敷き潜れるように
- UVB灯はバスキングと同じ側、距離30〜40cm
設置場所の注意
- 床の補強。6kg超の個体と湿った床材は重い
- 脱走防止の鍵付き扉。窓際は過熱と直射に注意
運動・部屋んぽ・散歩
- 室内での散歩は毎日30分以上、人の目を離さない
- 屋外はハーネスを着け、暖かい日のみ。放逐厳禁
- 休眠期は動かさず、起きている時だけ運動
温湿度管理
適温バスキング40〜45℃、暖側30℃、涼側24〜26℃、夜間22℃以上
適湿度60〜80%。乾燥は脱皮不全の原因
夏・冬の対策
- 夏は室温30℃超なら換気・エアコン。水場を大きく
- 冬は休眠させるなら15〜18℃に徐々に下げ、しない時は保温維持
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
伸びすぎたら先端のみ切る。血管が太いので深追いせず、暴れる時は2人で保定し病院に依頼
ブラッシング・皮膚被毛ケア
脱皮期は温浴(30〜32℃、15分)で皮を軟らかくし、指先・尾先に残った皮は無理に剥がさない
その他のケア
週1回の温浴で水分補給と排泄促進。歯石・口腔内のチェックを月1回。体重を月1回記録
外敵からの保護
- 犬・猫との同居は不可。尾打ちと咬傷で互いに大怪我
- 屋外散歩中のカラス・野良犬・逃走に注意
- 幼体はネズミ・カラスに狙われる。屋外飼育は避ける
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
床材・ビニール・小さな玩具を誤飲しやすい。餌皿は別にして床材の上で給餌しない。嘔吐・便が出ない時は受診
踏みつけ
床で寝ていると踏みやすい。室内散歩中は家族に声をかけ、足元を確認して歩く。骨折したら動かさず受診
挟まれ
ドアや重い蓋で尾・指を挟みやすい。扉はゆっくり閉め、ケージ蓋は軽いものに。腫れや出血は当日受診
落下・転落
ソファや台から落ちると骨折する。高い場所に登らせない。抱く時は胸と腹を両手で支え、暴れたら床に下ろす
逸走・脱走
力が強く扉や蓋を押し開ける。鍵付きケージにし、屋外はハーネス必須。逃げたら暖かい場所・穴を探し、絶対に放逐しない
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 引っ張って外さない(裂傷が深くなる)
- 叩く・殴る(興奮して離さなくなる)
安全な引き離しの手順
- 動きを止めて落ち着く。叫ばない
- 噛まれた部位を押し込むように相手側へ動かす
- 口元にアルコールや酢を少量垂らすと離すことがある
- 離れたらタオルで頭を覆いケージに戻す
引き離した後の処置
流水で5分以上洗い消毒。深い傷・腫れ・発熱は当日に病院へ。破傷風の確認
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 口から泡・血、呼吸が止まりそう
- 四肢・尾の大量出血が止まらない
- 意識がなく舌も出さない
- 腹が異常に膨らみ苦しそう
当日中に受診
- 関節の腫れ・跛行・骨の変形
- 休眠中の急な体重減少・目のくぼみ
- 口を開けて呼吸・鼻から粘液
受診時に伝えること・持ち物
体重の推移、餌の内容と回数、温度・湿度、休眠の有無、便の写真。爬虫類を診る病院を事前に確認
意識・呼吸・心拍の確認
- 舌の出し入れ・刺激への反応で意識を確認
- 呼吸は胸の動きで数える。正常は1分に数回〜10回
- 心拍は胸の下側に手を当てる。冷えると著しく遅い
蘇生の手順
- 反応がなければまず28〜30℃にゆっくり温める
- 口内の粘液・異物を指で取り、頭を低くして排出
- 胸の下側を1秒に1回軽く押し、鼻に息を吹き込む
- 5分続けても反応がなければ搬送を優先する
止血
- ガーゼで5分以上圧迫。止まらなければ継続
- 爪・尾先は止血剤や片栗粉で押さえる
- 大量出血は圧迫したまま搬送する
搬送方法
- 保温した箱かキャリーにタオルを敷き暗くする
- 尾を折り曲げない大きさの箱で揺らさず運ぶ
ケースメソッドで学ぶ
