基本情報
- 寿命
- キジ類10〜15年、クジャク15〜20年以上
- 体重
- キンケイ0.6kg、キジ1kg、クジャク雄4〜6kg
- 性格
- 警戒心が強く驚くと垂直に飛び上がる。雄は闘争的
- 飼育難易度
- 高(広い禽舎・鳴き声・防疫・脱走対策)
- 法規制
- 家畜伝染病予防法の家きん。野生キジ捕獲は違法
- 最重要ポイント
- 天井は柔らかいネット、野鳥を入れない禽舎が命綱
生態と特徴
- 体の特徴
- クジャク雄は上尾筒が1.5m超、体重5kg前後。キジ類は脚力が強く蹴爪を持つ。視力が鋭い
- 原産地・分布
- インドクジャクはインド・スリランカ、キンケイは中国西部の山地
- 野生での生息環境
- 林縁や草地、河畔林。地上で採食し夜は高い樹上で眠る
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。早朝と夕方に活発に採食し、日没後は止まり木で眠る
- 社会性・人との関係
- 繁殖期は雄1羽が複数の雌を従える。雄同士は激しく争う
特徴的な行動・習性
- 驚くと真上に飛び上がる習性があり、硬い天井に激突しやすい
- クジャクは春〜夏に飾り羽を広げ大声で鳴く。夜明けと夕方が多い
- 砂浴びで羽の寄生虫を落とす。乾いた砂場が必須
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
鳥インフルエンザ
予兆急死、複数羽が同時に元気消失、顔や肉垂の腫れ、首を曲げるなどの神経症状、緑色下痢
予防野鳥が入らない屋根付き禽舎。飼育専用の靴と手洗い。疑えば家畜保健衛生所へ連絡し自己判断で動かさない
ヒストモナス症
予兆黄色い硫黄色の便、羽を膨らませうずくまる、顔が暗く変色、キジ類は急激に衰弱し死亡しやすい
予防ニワトリと同じ地面で飼わない。盲腸虫やミミズが媒介するため床の糞を毎日除去し乾いた状態を保つ
マレック病
予兆若鳥の片脚や翼の麻痺、脚を前後に開いて座る、体重減少、瞳孔の変形。クジャクは特に感受性が高い
予防ワクチン済みのヒナを選ぶ。新しい鳥は4週間隔離。ニワトリとの同居を避け、羽粉を掃除で減らす
回虫・毛細線虫症
予兆痩せる、下痢、首を振る・口を開ける、羽艶が悪い、貧血で顔色が悪い。ヒナは成長が止まる
予防床の糞を毎日除去し定期的に糞便検査を受ける。ミミズや昆虫を食べる土床は特に注意
卵詰まり(卵塞)
予兆巣に座り込みいきむ、お腹が膨らむ、脚を引きずる、便が出ない。初産や寒い時期に多い
予防牡蠣殻でカルシウムを補給。春の冷え込みを防ぎ、肥満を避ける。日光浴でビタミンDを作らせる
ワクモ・ハジラミ
予兆夜間に落ち着かない、羽をしきりにつつく、羽がボロボロになる、貧血で顔が白い、産卵低下
予防止まり木の隙間を減らし熱湯や日光で消毒。砂浴び場を常設。野鳥の巣を禽舎周辺から除去
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
複数羽が急に元気消失
鳥インフルを疑い他の鳥や人に触れさせない。禽舎に入る靴を分け、家畜保健衛生所へ電話。獣医師の指示に従う
硫黄色の便でうずくまる
ヒストモナス症を疑い即隔離。30℃前後で保温し便を写真に撮り当日中に受診。他の鳥の床を消毒
巣でいきみ続ける
暗く静かな30℃前後の箱へ移す。お腹を押さない。数時間で産まなければ当日中に受診
脚や翼の麻痺
低い床の隔離箱へ移し餌と水を口元に。マレック病や外傷の可能性があるため当日中に受診し同居鳥を観察
起こりやすい怪我と予防・応急処置
頭部外傷・頸部損傷
予防天井は柔らかいナイロンネットにする。禽舎に急に入らず声をかけて近づく。犬や猫を近づけない
応急処置暗い箱に入れ安静・保温。首が傾く・ふらつく・出血があれば当日中に受診。無理に抱かない
尾羽・飾り羽の損傷
予防禽舎の奥行きを尾羽の長さの2倍以上確保。狭い扉や金網を避ける。雨で濡れた羽を踏まれない工夫
応急処置折れた羽軸から出血すれば根元を押さえ止血。血の止まらない羽は獣医師に抜いてもらう。自己判断で抜かない
趾の凍傷
予防冬は風雪を防ぐ囲いと幅広の木製止まり木。金属製止まり木は使わない。足元に乾いた敷料
応急処置急に温めず室温の部屋でゆっくり戻す。趾が黒変・腫れたら当日中に受診。こすらない
脚の骨折・網の絡まり
予防網目は脚が入らない細かさにする。脚輪は成長に合わせ交換。床の段差や穴をなくす
応急処置絡まった網は鳥を押さえて切る。脚を動かさず箱で安静にし当日中に受診。副木を自作しない
動物由来感染症(人にうつる病気)
鳥インフルエンザ
感染経路病鳥の糞・分泌物の吸入や接触
予防死亡鳥や病鳥は素手で触らない。マスク・手袋。疑いは家畜保健衛生所へ
サルモネラ症
感染経路糞に汚れた手・卵・飼育用具から経口
予防世話の後は石けんで手洗い。禽舎の靴は専用。卵は洗って十分加熱
オウム病
感染経路乾いた糞や羽粉の吸入
予防掃除は水で湿らせてからマスク着用。発熱と咳が出たら鳥の飼育を医師に伝える
カンピロバクター症
感染経路糞で汚れた水・手・肉を介して経口
予防給水器を毎日洗う。小児や高齢者は世話の後に特に念入りに手洗い
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- キジ用またはゲームバード用配合飼料を主食に朝夕2回
- 青菜・穀類・果実を少量。ヒナは高タンパク飼料
- 牡蠣殻と小石(グリット)を別容器で常備
水
- 清潔な水を毎日交換。冬は凍結を確認
- 複数羽では給水器を2か所以上に置く
与えてはいけないもの
- アボカド・チョコレート・ネギ類・生の豆
- カビた飼料や湿って古くなった餌
- 塩分の多い人の食べ物・パンの与え過ぎ
おもちゃ・遊び
- 吊るした青菜やキャベツ丸ごとで採食行動を促す
- 砂浴び用の乾いた砂場(直径60cm以上)
- 高さの違う止まり木と丸太で登り降りさせる
巣・寝床・隠れ家
- 夜用に地上1.5〜2m以上の太い止まり木
- 草むらを模した隠れ場所と雌用の産卵箱
床材・トイレ
- 土や砂の床は排水を良くし湿らせない
- 屋根下はもみ殻や藁を厚く敷き毎日糞を除去
- 雨水がたまる場所は砂利で埋める
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
柱は木か鉄、側面は細かい金網、天井は柔らかいネット
大きさ・広さ
キジ類は1ペア3×2m以上、クジャクは高さ2.5m以上
配置・レイアウト
- 雨風を防ぐ屋根付きの寝場所を奥に設置
- 止まり木は尾羽が地面に着かない高さに
- 給餌器と給水器は糞が入らない高さに置く
設置場所の注意
- 隣家から離す。クジャクの鳴き声は数百m届く
- 野鳥・ネズミ・イタチが侵入できる隙間をなくす
運動・部屋んぽ・散歩
- 放し飼いは屋根のある囲い内のみ。放すと樹上に逃げる
- 禽舎は走って逃げられる奥行きがあれば運動は十分
- 放鳥時は犬猫を遠ざけ必ず付き添う
温湿度管理
適温5〜30℃が目安。クジャクは氷点下で趾の凍傷に注意
適湿度乾燥気味を好む。湿った床は寄生虫と病気の元
夏・冬の対策
- 夏は日陰・風通し・冷たい水。日光直射の金網は避ける
- 冬は風除けの囲いと幅広の木製止まり木。水の凍結防止
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
土床で自然に削れる。伸び過ぎは獣医師か経験者に依頼し、蹴爪は無理に切らない
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラッシング不要。砂浴び場を整え、換羽期は羽の抜け方と皮膚の寄生虫を点検
その他のケア
風切り羽のクリッピングは片翼のみを獣医師に。嘴の過長や趾の汚れを定期確認
外敵からの保護
- イタチ・キツネ・タヌキ・猫は夜に侵入。金網は地中20cm以上埋める
- カラス・猛禽は上から襲う。天井ネットと屋根で防ぐ
- 蚊やダニは鶏痘や貧血の原因。防虫ネットと清掃
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
針金・釘・ビニール片・ネットの切れ端を床に落とさない。首を振る・食べない・そのう(首の袋)が膨らむときは当日中に受診
踏みつけ
禽舎内で足元に寄るヒナや雌を踏まないよう靴底を確認してから歩く。踏んだら動かさず箱に入れ受診
挟まれ
扉の開閉時に長い尾羽や脚を挟みやすい。閉める前に全身の位置を確認。挟んだら出血と骨折を確認し受診
落下・転落
驚いて垂直に飛び上がり天井や金網に激突する。急に入らず声をかけて近づく。ぶつかった後ふらつけば当日中に受診
逸走・脱走
飛翔力があり塀を越え樹上へ逃げる。二重扉にし風切り羽を管理。逃げたら夕方の止まり場を探し餌で誘導、警察と役所にも届ける
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 雄の蹴りを避けようと背を向けて逃げない
- 足や翼をつかんで振り払わない
安全な引き離しの手順
- つつかれたら腕で顔を守り、鳥の視線をさえぎる布を広げる
- 蹴り込みは背後から両翼を体に密着させて抱く
- 長い尾羽は折らないよう体と一緒に支える
- 暗い箱かキャリーに入れて落ち着かせる
引き離した後の処置
蹴爪の傷は深い。流水で洗い、腫れ・発熱があれば当日中に医療機関へ受診
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 複数羽の同時衰弱・急死(家保へ)
- 口を開け苦しそうに呼吸、首を伸ばす
- 出血が止まらない、頭を激しく打った
- けいれん、首が曲がったまま戻らない
当日中に受診
- 硫黄色・血混じりの便が続く
- 巣でいきみ続け産卵しない
- 脚や翼が垂れて動かせない
受診時に伝えること・持ち物
種類・年齢・飼育羽数・便の写真・同居鳥の状態・ワクチン歴・最近の新入り鳥の有無
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び布で触れて反応を見る。目が閉じたまま無反応は危険
- 胸の上下で呼吸を確認。安静時は1分に20〜40回
- 胸に手を当て心拍を感じる。安静時は1分に150〜300回
蘇生の手順
- 小鳥より大きいが胸骨圧迫は効果が乏しく骨折の危険がある
- まず口と鼻の粘液や餌を取り除き気道を確保
- 30℃前後に保温し暗く静かにして酸素を確保
- 数分以内に鳥を診られる病院へ電話し搬送
止血
- 羽の出血は根元を指で3分以上押さえる
- 趾や嘴の出血は清潔なガーゼで圧迫し止血剤を使う
- 止まらない・ぐったりは即受診。血は体重の1%で危険
搬送方法
- 暗い段ボール箱かキャリーに入れ尾羽を折らない
- 25〜30℃を保ち揺らさず静かに。車内は暗くする
ケースメソッドで学ぶ
