基本情報
- 寿命
- 7〜10年。肥満を防げば10年超も
- 体重
- 1.6〜2kg前後。ずんぐり体型で太りやすい
- 性格
- 穏やかで人懐こく抱っこに慣れやすい
- 飼育難易度
- 中〜高(足裏ケア・床材管理・体重管理)
- 法規制
- 動物愛護管理法の対象。終生飼養と適正飼育が義務
- 最重要ポイント
- 足裏の毛が薄く床材次第でソアホックになる
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長30cm前後。上毛と下毛が同じ長さのビロード被毛。ヒゲは短く縮れる
- 原産地・分布
- 仏で生まれたレッキス種を米国で小型化し1980年代に品種登録
- 野生での生息環境
- 野生種はいない家畜品種。祖先アナウサギは草原の巣穴で暮らす
- 活動時間・睡眠
- 薄明薄暮性で朝夕に活発。昼は静かに休み浅く眠る
- 社会性・人との関係
- 群れで暮らす祖先の性質を受け継ぎ社交的。穏やかで人に慣れやすい
特徴的な行動・習性
- 被毛が短く密で足裏の保護毛も薄いため、硬い床で足底を傷めやすい
- ずんぐり体型で運動量が少なめ。食事が多いとすぐ肥満になる
- 縮れたヒゲは障害物の感知力が弱く、狭い隙間に頭を突っ込み挟まりやすい
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
ソアホック(足底皮膚炎)
予兆かかとの毛が抜け赤い・かさぶた・出血・足を交互に浮かせる・座る時間が増える
予防金網やすのこを避け厚い柔らかマットに。尿で濡れた床を毎日交換。肥満と爪の伸びを防ぐ
足底の潰瘍・骨髄炎
予兆かかとに深い傷や膿・腫れ・足に体重をかけない・発熱・食欲低下
予防ソアホックの赤みの段階で受診し進行させない。傷のある足を湿った床に触れさせない
肥満
予兆肉垂が大きい・背骨を触れない・盲腸便を食べ残す・動きが鈍い・お尻が汚れる
予防ペレットは体重の1.5%以下に抑え牧草中心に。おやつは毎日与えない。月1回の体重測定
消化管うっ滞
予兆牧草を食べない・便が小さく少ない・お腹が張る・歯ぎしり・うずくまる
予防牧草食べ放題と毎日の運動。換毛期の抜け毛は手で優しく除去。12時間食べなければ受診
被毛の擦り切れ・湿性皮膚炎
予兆被毛が薄くなり地肌が見える・濡れた部分の皮膚が赤くただれる・臭い
予防硬いブラシや濡れた床で被毛が傷む。水浴び禁止、お尻や顎の濡れはすぐ乾かす
不正咬合
予兆よだれで顎が濡れる・硬い牧草を残す・目やに・顎の下にしこり
予防牧草中心で臼歯を摩耗させる。ペレット偏重にしない。顎と歯の定期チェック
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
かかとが赤く出血
床を厚い布やマットに替え乾いた状態にする。自己判断で軟膏や包帯を巻かない。出血・腫れ・歩き方が変なら当日中に受診
牧草を食べず便が減る
牧草と水を目の前に置き静かに保温。マッサージや強制給餌は自己判断で行わない。12時間食べなければ夜でも救急へ
お尻が汚れ皮膚が赤い
ぬるま湯で湿らせた布で拭き、ドライヤーの弱風で完全に乾かす。全身を濡らさない。赤みやただれがあれば当日受診
顎がよだれで濡れる
顎を優しく拭いて乾かし、濡れた被毛の下の皮膚を確認。牧草を食べているか記録し、数日以内に歯の診察を受ける
起こりやすい怪我と予防・応急処置
足裏の裂傷・潰瘍
予防すのこの隙間や段差で足を傷めやすい。全面に厚いマットを敷き、毎日足裏を見る
応急処置清潔なガーゼで押さえて止血。足を濡らさず乾いた布の上に置く。深い傷や膿は当日受診
背骨の骨折
予防抱き上げは胸とお尻を支え、暴れたら床に下ろす。高い所から飛び降りさせない
応急処置後ろ足が動かなければ触らず平らにキャリーへ。揺らさず即受診。排尿の有無も伝える
縮れヒゲによる挟まり傷
予防家具の隙間・ケージの格子間隔を狭く。頭が入る隙間は板でふさぐ
応急処置無理に引かず家具を動かして外す。顔や首のすり傷は洗わず、腫れや出血があれば受診
爪の折れ・出血
予防肥満で爪に体重がかかると折れやすい。月1回の爪切り。毛足の長い敷物を避ける
応急処置ガーゼで数分押さえ、止血剤か小麦粉を当てる。根元から取れたら当日受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
パスツレラ症
感染経路咬傷・ひっかき・鼻水や唾液の接触
予防傷は流水で洗う。顔を近づけ口移ししない。腫れたら受診
皮膚糸状菌症
感染経路感染ウサギの毛・皮膚との接触
予防脱毛やフケを見つけたら手袋で世話し手洗い。個体を隔離
ウサギツメダニ症
感染経路感染ウサギとの接触、寝具の共有
予防短毛でもフケが目立てば受診。人に発疹が出たら皮膚科へ
アレルギー(毛・牧草)
感染経路抜け毛・フケ・牧草の粉塵の吸入
予防換毛期は細かい毛が舞うためマスクと換気。牧草の粉を落とす
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- 主食はチモシー牧草を常に食べ放題。体の大きさ以上の量を
- ペレットは体重の1〜1.5%を1日2回に分け、太りやすい分少なめに
- 野菜は小松菜・チンゲン菜など少量。果物とおやつはごく少量
水
- 重い陶器皿か給水ボトルで毎日新しい水を
- 1日に体重1kgあたり100ml前後。減れば要注意
与えてはいけないもの
- ネギ類・じゃがいもの芽・アボカド・チョコレート
- パン・米・穀類・人の菓子・高糖質のおやつ(肥満)
- 観葉植物・アルファルファの与えすぎ(成体)
おもちゃ・遊び
- かじり木・ワラのマット・わらボール
- 紙袋や段ボールのトンネル(印刷面は避ける)
- 牧草を詰めた紙筒で探す遊び。運動不足と肥満を防ぐ
巣・寝床・隠れ家
- 木製や布製のハウスで身を隠せる場所を1つ
- 低いステップで昇り降りの運動を。飛び降りは高さ20cm以内に
床材・トイレ
- 金網・硬いすのこは不可。厚手の布マットや麻マットを全面に
- トイレはコーナー型に吸収力の高い木質ペレットやパルプ砂
- トイレは毎日交換。マットも濡れたら即交換し複数枚を洗い替え
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
金属製ワイヤーケージに引き出しトレー。かじれない素材
大きさ・広さ
幅80×奥行60×高さ60cm以上。伸び上がれる高さ
配置・レイアウト
- 床全面に厚手マット、濡れやすいトイレ周りは特に厚く
- トイレは角に置き、牧草入れをトイレの上に
- 水・餌・ハウスをトイレから離し、濡れない場所に
設置場所の注意
- 直射日光・エアコン直風・玄関や窓際の温度差を避ける
- 犬猫や大きな音から離れた静かな場所。床から少し上げる
運動・部屋んぽ・散歩
- 部屋んぽを毎日1〜2時間。運動不足は肥満とソアホックを招く
- フローリングは滑りマットを敷き、硬い床で長時間走らせない
- 跳んだり走れる広さを。囲いの外のコードと隙間をふさぐ
温湿度管理
適温18〜24℃。28℃以上は熱中症の危険、5℃以下は要保温
適湿度40〜60%。多湿は足裏の皮膚炎と被毛の傷みを招く
夏・冬の対策
- 夏はエアコン24時間運転、アルミ板や凍らせたペットボトルを
- 冬はケージを毛布で覆いヒーターを一部に。暖かすぎも避ける
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
月1回、血管の手前で小動物用爪切りで切る。伸びた爪はかかと荷重を増やしソアホックの原因に
ブラッシング・皮膚被毛ケア
硬いブラシは被毛を切る。濡らした手やラバーブラシで撫でて抜け毛を取る。換毛期は毎日
その他のケア
水浴び厳禁。足裏・かかとを毎日目視。濡れた部分は拭いて乾かす。臼歯と顎は週1回確認
外敵からの保護
- 犬・猫・フェレットとは同じ部屋にしない。ケージには鍵を
- カラス・野良猫・イタチが来るため屋外飼育は避ける
- 夏は蚊やハエによるウジ症の危険があり網戸と清潔を
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
短い抜け毛を大量に飲み込み毛球によるうっ滞になりやすい。換毛期は手で毛を取る。布マットの糸・ゴム・コードは届く場所に置かない
踏みつけ
足元に来る癖があり、太りぎみで動きが遅く避けきれない。歩く時は下を確認。ソファやコタツの下に潜るので座る前に確認
挟まれ
縮れたヒゲは隙間の幅を測りにくく、家具の裏やドアに頭や足を挟みやすい。部屋んぽ中はドアストッパーを使い隙間をふさぐ
落下・転落
抱っこに慣れていても急に蹴って落下し背骨を折る。抱くのは床に座って短時間。重い体でソファから飛び降りると足裏も傷む
逸走・脱走
囲いは高さ80cm以上に。ベランダ・玄関は開けない。逃げたら好物と自分の匂いのついたハウスを置き、暗くなる時間に待つ
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振りほどく・引き抜く(歯が折れ傷が広がる)
- 叩く・怒鳴る・鼻を弾く
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、手を無理に引かず静止する
- 空いた手でウサギの背中を撫で落ち着かせる
- 口の脇に指を差し込まず、体を床に下ろして離れるのを待つ
- 離れたらそのままハウスへ入れ、しばらく構わない
引き離した後の処置
流水と石けんで洗い消毒。深い傷・腫れ・熱はパスツレラの危険があり人の医療機関へ
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- 12時間以上食べない・便が出ない
- ぐったり・呼吸が速い・口を開けて呼吸
- 後ろ足が動かない・引きずる
- けいれん・首が傾いて転がり続ける
当日中に受診
- かかとの出血・腫れ・足に体重をかけない
- 便が小さい・少ない・軟便
- よだれ・鼻水・お尻の皮膚の赤み
受診時に伝えること・持ち物
最後に食べた時刻・便の状態・床材の種類・体重の推移。便と足裏の写真を持参し、キャリーに牧草を入れる
意識・呼吸・心拍の確認
- 名前を呼び、耳や体に触れて反応を見る
- 胸の上下で呼吸確認。正常は1分間に約30〜60回
- 胸に手を当て心拍確認。正常は1分間に約130〜325回
蘇生の手順
- 横向きに寝かせ、口の中の異物を指で取り除く
- 胸骨の上を親指と指で挟み1分100〜120回のリズムで圧迫
- 圧迫は胸の厚み3分の1まで。背骨は非常に折れやすい
- 鼻を口で覆い軽く2回息を吹き込む。30回圧迫ごとに
止血
- 清潔なガーゼで3〜5分強めに押さえる。途中でめくらない
- 足裏の出血は乾いたガーゼで押さえ、床に触れさせない
- 爪の出血は止血剤か小麦粉を押し当てる
搬送方法
- キャリーに厚いタオルを敷き足裏を保護。暗く覆う
- 夏は保冷剤をタオルで包み隣に、冬はカイロを外側に
ケースメソッドで学ぶ
