基本情報
- 寿命
- 15〜20年(適切な飼育で25年以上も)
- 体重
- ゴシキセイガイ100〜160g、小型種70〜100g
- 性格
- 陽気で遊び好き、声が大きい。人懐こいが噛む力は強い
- 飼育難易度
- 高(専用ネクター・便の飛散・毎日の清掃・低血糖)
- 法規制
- 動物愛護管理法。多くがワシントン条約附属書Ⅱ
- 最重要ポイント
- 種子は不可。ネクターを切らすと数時間で低血糖
生態と特徴
- 体の特徴
- 体長25〜30cm。舌先がブラシ状で花粉や蜜をなめ取る。砂嚢が小さく種子をすりつぶせない
- 原産地・分布
- オーストラリア東部・ニューギニア・インドネシア東部の島々
- 野生での生息環境
- ユーカリ林・熱帯雨林・海岸林。花の咲く樹を渡り歩く
- 活動時間・睡眠
- 昼行性。朝夕に花を求めて活発に飛び、夜は樹上で眠る
- 社会性・人との関係
- 数十〜数百羽の群れで行動。飼い主を群れの仲間として慕う
特徴的な行動・習性
- 逆さまにぶら下がり、仰向けで遊ぶなど動きが多い
- 蜜食のため便は水様で量が多く、遠くまで飛ばす
- 水浴びが大好きで、水入れや霧吹きで全身を濡らす
かかりやすい病気と予兆の見方・予防
鉄貯蔵症
予兆元気消失、腹部の膨らみ、呼吸が荒い、食欲低下、急死することも
予防鉄分の多い餌(レーズン・ほうれん草・レバー)を避け低鉄ネクターを使う
カンジダ症
予兆口の中や舌に白い苔状の付着、食べにくそう、吐き戻し、そのうの膨らみ
予防ネクターを夏は3〜4時間、冬も半日で交換。器は毎回洗って乾かす
細菌性腸炎
予兆便の色が緑〜黒に変化、悪臭、血便、膨らんでじっとする
予防腐ったネクター・果物を与えない。器・ケージ底を毎日洗浄・消毒
低血糖
予兆急にふらつく、止まり木から落ちる、けいれん、ぐったりする
予防ネクターを切らさない。朝夕に残量確認し、外出前は必ず補充
オウム病
予兆緑〜黄色の便、目や鼻の分泌物、くしゃみ、羽を膨らませる
予防迎える時に検査。新しい鳥は隔離し、糞を乾かさず湿らせて掃除
PBFD
予兆羽が抜けて生え変わらない、嘴の変形、羽軸の異常
予防迎える前に遺伝子検査。感染鳥との接触を避け、器具を共有しない
病気の予兆チェックリスト
毎日1回チェック。1つでも当てはまれば早めに動物病院へ相談。
病気の応急処置
ふらつき・けいれん
低血糖を疑い、常温ネクターを嘴の端にスポイトで1滴ずつ。30℃に保温し即受診
便の色・臭いの異常
便を写真に撮り、ネクターを新しいものに交換。保温し当日中に受診。血便は即受診
口の中に白い付着
無理に取らない。食べやすいようネクターを濃く少量ずつ頻回に。当日中に受診
膨らんで動かない
30℃に保温し、ネクターを床の低い位置に置く。暗く静かにし当日中に受診
起こりやすい怪我と予防・応急処置
嘴・爪の出血
予防ケージに引っかかる隙間・ささくれをなくす。爪切りは出血しない長さで
応急処置止血剤か片栗粉を押し当て数分圧迫。止まらない時は圧迫しながら即受診
翼・脚の骨折
予防放鳥時は窓・鏡を覆い、天井の扇風機は止める。逆さま遊び中の落下に注意
応急処置翼や脚を触らず、小箱に入れて暗く保温。自分で固定せず当日中に受診
趾瘤症
予防止まり木は太さを変え天然木を使う。便で汚れた止まり木は毎日洗う
応急処置赤みや腫れを見つけたら止まり木を柔らかい素材に替え、数日以内に受診
火傷・熱傷
予防放鳥中は調理しない。熱い飲み物・鍋・アイロンを出したままにしない
応急処置患部を常温の水で数分冷やす。氷は不可。薬を塗らず当日中に受診
動物由来感染症(人にうつる病気)
オウム病
感染経路乾いた糞や羽粉の吸入、口移し
予防掃除前に霧吹きで湿らせる。口移しをしない。風邪様症状が続けば受診
サルモネラ症
感染経路糞に汚れた手・器具から経口
予防世話の後は手洗い。飛び散った便はすぐ拭く。食品と器を分ける
カンピロバクター症
感染経路糞に汚れた手・器具から経口
予防ネクター器を台所の食器と分けて洗う。幼児に世話をさせない
鳥関連過敏性肺炎
感染経路羽粉・乾いた糞の粉塵を長期吸入
予防毎日の掃除と換気。空気清浄機を使う。咳が続けば医師に鳥の飼育を伝える
飼養条件:餌・水・おもちゃ・巣・床材
餌
- ロリキート専用ネクター(粉末を溶く)を主食に
- 低鉄ペレットや花粉粉末を補助に。1日2〜3回新しく調合
- 果物はりんご・梨・ぶどう・メロンを少量、ハイビスカスなどの花も
水
- ネクターとは別に新鮮な水を常備、1日2回交換
- 水浴び用の水は飲み水と分け、汚れたらすぐ交換
与えてはいけないもの
- 種子・ナッツ(消化できず嘴や消化管を傷める)
- レーズン・ほうれん草・レバーなど鉄の多い食品
- アボカド・チョコ・ネギ類・砂糖水だけのネクター
おもちゃ・遊び
- ブランコ・ロープ・ぶら下がれるリング
- 紙や柔らかい木をかじれる破壊系おもちゃ
- フォージング用に花や果物を隠せるおもちゃ
巣・寝床・隠れ家
- 巣箱は発情を促すため通常は入れない
- 夜は暗く静かにし、ケージカバーで10〜12時間休ませる
床材・トイレ
- ケージ底は新聞紙かペットシーツで毎日交換
- 周囲の壁・床は透明ガードや防水シートで便の飛散を防ぐ
- 床に砂や木くずは使わない(カビ・誤食の原因)
飼養環境:ケージ・運動・温湿度
ケージ・ハウスの素材
ステンレスか安全塗装の金属。亜鉛めっき・錆びたものは不可
大きさ・広さ
幅60×奥行45×高さ60cm以上。放鳥しない日は更に広く
配置・レイアウト
- 止まり木は太さ違いで複数、便が落ちない位置に器を置く
- ネクター器は止まり木の上、水浴び器は別に設置
- ぶら下がれるロープやブランコを上部に
設置場所の注意
- 台所から離す(フッ素樹脂加工のフライパンの煙は致死的)
- 直射日光・エアコンの風を避け、家族が見える明るい場所に
運動・部屋んぽ・散歩
- 放鳥は1日1〜2時間、窓・鏡・水場・調理器具を覆ってから
- 放鳥中は目を離さない。便が飛ぶので家具はカバー
- 飛ぶ・登る・ぶら下がる遊びで運動と頭の刺激を
温湿度管理
適温22〜28℃。15℃以下や急な冷え込みは体調を崩す
適湿度50〜60%。乾燥期は加湿、水浴びで補う
夏・冬の対策
- 夏:ネクターは3〜4時間で交換、腐敗臭や濁りは即廃棄
- 冬:ペットヒーター+温度計、夜はカバーで保温
グルーミングと外敵からの保護
爪切り
天然木の止まり木で自然に削れる。伸びすぎは病院で切る。自宅なら血管の手前のみ
ブラッシング・皮膚被毛ケア
ブラッシング不要。週数回の水浴びと霧吹きで羽を清潔に。換羽期は栄養を強化
その他のケア
嘴の伸びすぎや欠けは受診。舌の白い付着は毎日確認。水浴び後は保温し風邪を防ぐ
外敵からの保護
- 犬・猫のいる部屋では放鳥しない。猫の唾液は致死的
- ベランダに出さない。カラス・猛禽が狙う
- 窓や網戸を閉め、蚊や蝿が入らないようにする
飼養上の注意(事故防止)
異物誤飲
金属片・ボタン電池・糸くずをかじり飲み込む。放鳥前に床を片付ける。ぐったり・緑黒便なら金属中毒を疑い即受診
踏みつけ
床に降りて仰向けで遊ぶため足元に注意。家族が歩く時は声をかけ、ドアの開閉前に居場所を確認する
挟まれ
ドア・引き出し・ソファの隙間に入り込む。放鳥中はドアを固定し、ソファやベッドの隙間に入れない
落下・転落
逆さま遊び中に滑落しやすい。ケージ内はロープを張り、床にタオルを敷く。落ちて片翼が下がれば当日受診
逸走・脱走
飛翔力が強く一度出ると遠くへ行く。放鳥時は窓を閉め家族に声かけ。逃げたらケージと好物を外に置き、名前を呼び続け保護団体に連絡
噛みついた時の安全な引き離し方
やってはいけないこと
- 手を振り払う・引き抜く(傷が深くなる)
- 叩く・大声で叱る(恐怖で更に噛む)
安全な引き離しの手順
- 動きを止め、噛まれた手の力を抜いて静かにする
- 反対の手で嘴の上部をそっと押し下げ口を開く
- 口が開いた瞬間に手を離し、ケージへ戻す
- しばらく距離を置き、噛む原因(発情・恐怖)を見直す
引き離した後の処置
傷は流水で洗い消毒する。深い傷・腫れ・発熱があれば人の病院へ。噛みが続く時は鳥の病院で相談
救命救急マニュアル
今すぐ夜間救急へ(命に関わる)
- ふらつき・けいれん・止まり木から落ちた
- 開口呼吸・尾が上下する苦しそうな呼吸
- 出血が止まらない、翼や脚が垂れている
- フッ素樹脂の煙を吸った・金属をかじった
当日中に受診
- ネクターを半日以上飲まない
- 便が緑・黒・赤色、または悪臭
- 膨らんで動かない、口に白い付着
受診時に伝えること・持ち物
ネクターの種類と交換頻度、便の写真、体重の推移、最後に食べた時刻、かじった物の現物を持参
意識・呼吸・心拍の確認
- 呼吸:胸と尾の動き、開口呼吸の有無を見る
- 心拍:胸に指を当て非常に速い振動を感じるか
- 意識:名前を呼び、嘴や足に触れて反応を見る
蘇生の手順
- 心臓マッサージは骨折・内臓損傷のため不可
- 小箱に入れ28〜30℃に保温し、暗く静かに
- 意識があればネクターを嘴の端に1滴ずつ
- 酸素室があれば使用し、電話して即搬送
止血
- 清潔なガーゼで患部を数分間圧迫する
- 爪・嘴・羽軸の出血は止血剤か片栗粉を押し当てる
- 止まらない・全身が弱る場合は圧迫したまま搬送
搬送方法
- 小さなキャリーや箱にタオルを敷き、カイロで保温
- 暗く静かに揺らさず、ネクターを少量持参する
ケースメソッドで学ぶ
